2007-09-13

仕事始め

弁護士留学のほかの例よろしく、2年目の事務所研修が始まりました。


うちの事務所は、新人の業務開始日が9月と10月の2回設定されており、9月を選んだところ、10日よりスタートとなりました。1週目はオリエンテーションと聞いていましたが、確かに。

パソコン関係のオリエンテーションがてんこ盛りです。タイムシート(大嫌い)、ワード(結構好き)、その他もろもろ。

ITの講師が教えてくれるほか、デスクトップから事務所の研修サイトに入ってそこで研修、小テスト(!)などをうける。

ワードではスタイルを強調していましたね。ただ、スタイルをそのまま使うのではなく、なんか専門のソフト(マクロ群)を導入して、形式の変更はそれでやれという方針。結構合理的です。ああ、裏でワードのあの機能を使っているのかな、ワードにはこの機能はないはずだが、どうやって実装したのだろうなどと考えながらやっているのは結構楽しい。ただ、慣れない操作で必ずしも直感的ではなくなので面倒ではある。というか英語なのですべて直感的からはほど遠い。たとえばアウトラインのレベルを上げることをプロモートって、、、仕事の昇級か、映画の宣伝みたいな感じでしかその単語受け止めたことないですってのが山盛り。メニューも解説も。なんじゃそりゃ。

ともかく、日本でも本当はこれでやるべきですね。日本にいたときは、事務所の方針もあり相当形式的なコメントもしてきましたが(フォント、タテのラインがずれている、小数点の位置がずれている、行間がちがう、文字間隔がちがうなど・・・)、ほとんどスタイルを使っていないために発生すると整理することが可能そう。いずれにせよ、なれれば大半の人が出来るようになるとはいえ、あれを目で見つけるのは非人間的作業で、時間の無駄です。個人的には早く撲滅してほしい分野。見栄えは大事なんですけどね。商品だから。似たような商品を導入していた気もするんですが、あまりそんな使い方をしている人は見たことがなかった。

でも、日本での導入は厳しいだろうなぁ。やっぱりまだまだ画面で処理したりするのに抵抗がある人も多いし、ワードがテキストと修飾情報に分けて管理していることや、エンターの印が行ではなく段落を示していること、同じエンター印でも、ほかの段落と違い最終段落だけは文書の設定情報も含んで持っていることとかも意識している人は少ないように思う。スタイルにしても、たとえば下書きモードでスタイルを左端に表示している人はどの程度いるのだろうか。誰も教えてくれないなか独学でスタイルだと思いつき、身につけるのは大変。周りがスタイルにしていない中で。スタイルが重要とわかっていても、秘書にも聞けず、結局本格的に使い始めたのは、留学で自分だけの書式をフルに使っていいようになってから。使わないとわかるものもわからない。

導入に市販のマクロ群を入れるのは結構微妙。便利な面もあるが、どの程度形式をいじるかでしょうね。結構ああいうのは高い。市場がニッチで扱っている会社が少ないため、ソフトが高値で止まっている。一太郎が10万円くらいしていた時代のソフトの値段といえば、感覚的にわかってもらえるでしょうか。

連番機能も、日本では使うなという方針であった。番号が勝手に変わったりするから。ただ、やはり仕組みを知らないからいろいろ不都合が生じているだけであるきがする。確かに、ワードそのもののバグであることもあるが、それはごく少数で、大概はスタイルとかを適切に使っていればそうは発生しない。リファレンスを考えても、積極的に導入すべきものじゃないですかね。

という立場なのだが、事務所の研修で、最初に、「ワードで教えるのはスタイル。以上。」とやっていたのは、結構なるほどと思わされた。しかもその理由も単純明快。ワードのエンターには段落情報が含まれるが、それは履歴とか、作者とかの通常いるとは思えないメタデータを大量に含む。特に変更履歴をやり出すと、それが複雑怪奇になる。だから、書式コピーではなく、スタイルを適用し、変更履歴も使うべきではないというもの。非常にすっきりしていた。

日本だと、ワードの解説書でもスタイルを扱うページはしれており、スタイル専門の書物もいくつかはある(いくつか買って渡米してきました)が、数は知れている。しかも、応用というか実践的なことを書いているものは少ない。アメリカの書物のまねをしているはずなので、こちらも状況は同じはずなんですがね。

こういったものの問題点は、スタイルを使わないやり方を最初に学んでしまうこと。三つ子の魂・・・ではありませんが、これをやってしまうと、だめですね。

結局、1ページの家族内新聞紙くらいしか打たない家庭用ワープロの使い方を何百ページもの書物を使う人にも教えている。それではうまくいくはずがないんです。

まぁ、でもこういったことは、ここで言っても始まらず、結局は事務所の方針なんですけどね。

その他は想像通り、苦戦中。

初日にびっくりしたのは、1年生同士の雑談が、トピックすらわからないこと。しばらく英語話してなかったからなぁと思い知らされました。ともかく、知っている内容は英語で聞いてもわかるが、知らない内容は英語で聞くとわからないという状況を解決しないことには、いかんともしがたいですね。

研修先のNYオフィスは特に日本と取引があるわけでもなく、事前に仕事をしたことのある弁護士もいません。この環境で、billable だけは2000時間/年といわれて、どうしたものか思案中。僕個人のことを言えば、1年でかえるならどうでもいいと言えばどうでもいいのですが、まぁ、ある程度実績を残せば、今後はもう少し外人を受け入れる雰囲気になるのかもしれませんしね。

今週は、世間一般ユダヤ休みとかでのんびりしており、そのせいで仕事がないということにしておきましょう。

同室は、同じ年のユダヤ人の女性。今日はユダヤ教徒の新年とかでお休みでした。前日に、ユダヤ教徒について、事細かく聞いてみたので、またその話題でも書いてみます。インド人にもびっくりでしたが、ユダヤ人もびっくりですよ。


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