2008-05-02

add/dropな日々(2) 一時的な起用は非効率!?

数字から現れる調子を見て、Orank低いFAの好調期間を取りに行くというadd/dropをもくろむのは理屈上不効率です。

こういったadd/dropを勧めておいて言うのも何ですが、不利益は認識しておく必要があります。


不利益を被る理由は、好調になり始めの数字を逃し、好調ではなくなった後の不調期間の結果を一部被るからです。すなわち、好調期間だけとるのは難しく、通常好調の後半と不調になりかけの前半などというように調子の曲線(こんなものがあるとしてですが)を後追いすることになるので、完全に上だけとるというのは難しいということになるのです。

したがって、たとえ調子曲線があるとしても、「数字だけ追いかけている限り」、その選手の当該期間の通算成績ほどの恩恵を被ることはむつかしいのではないか、と思われます。

たとえば、年間ランクが一緒のOrank高い人(X)と低くFAにいる人(Y、Z)がいるとして、7日間(7週間でも、7ヶ月でもなんでもいいのだが)の成績が、以下のように変動するとします。X、Yは○○○×××○、Zは○×○×○×○。いずれもずっと保有していたときの成果は同じで、枠を7つ使い、○を4つ獲得。

表にするとこんな感じです。

   X  Y Z
1  ○  ○ ○
2  ○  ○ ×
3  ○  ○ ○
4  ×  × ×
5  ×  × ○
6  ×  × ×
7  ○  ○ ○

この場合、add/dropの対象ではなく、ずっと保有するXについては7つ枠を使い○を4つ獲得できます。

では最初FAにいるYについてはどうでしょうか。

2つのadd/dropの性向を用いて検討してみます。

この二つを仮に短期add/drop型(一度結果がでるとadd/dropするひと。つまり、○が一度出ると次にaddする。×が一度出ると次にdropする)とし、長期型をそれぞれ2度とします。

Y1はいずれの立場でもウントされない。

短期型はY2の○をとれる。

長期型はY3から。

どうせいつか落とす選手なんだから、冷静に3終了時にYを落とせば2つ(または1つ)枠を使い○を2つ(または1つ)獲得するという最高の結果を得ることができますが。ただ、これは短期型でも長期型でもできず、いずれもY4の×は被ります。

短期型は、ここで終了。長期型はY5の×も被る。

Y7の○はいずれの型でも獲得できない。

で、7終了時のXYが同じ成績(○4つ、×3つ)であるが、生かし切れるのは、

X: ○4つ (枠7つ)
Y(短期売買型): ○2つ (枠3つ、2-4)
Y(長期保有型): ○1つ (枠3つ、3-5)

○の数で言うとX>Y(短期)>Y○を4つ獲(長期)
枠の効率性で言うと、Y(短期:2/3)>X(4/7)>Y(長期:1/3)

ではZはどうでしょうか。

Z (短期型): ○0 (枠3)
Z (長期型): ○0 (枠0)

○の個数、枠の効率性とも
X>0(何もしない)=Z(長期)>Z>(短期)

従って、Orankが高い人と低い人が同じ成績を残せるとしても、基本的にはOrankが高い人(この場合X)の価値が一番高いことになります(落とさない超長期投資になるからですね)。

Yについては、短期型(2/3)はX(4/7)を超える枠の効率的な使用を実現しています。ただ、問題は枠4つをさらに使う必要があることです。ここでもうまくYタイプがつかめればいいですが、Zタイプをつかんでしまうと大損。

Orankが低い実績のない人ほど好調期間が少ない(たとえば1日だけ大あたり)ので、Yタイプの選手(実績選手と同じくらいの成績変動)の選手の方がZタイプ(1日だけ大当たり)の典型的な実績のない選手よりも数は少ないのが通常です。

したがって、たとえ枠の効率性はあるとしても、なお安定度ではXの方が高く、したがって7枠使用時の結果はXをずっと持っている方が役に立つということは大いにあることです。

特に①過去の数字の流れでadd/dropをしがちで、かつ②与えられた枠を全部使用するのが難しい「野手」については、この理屈が典型的に当てはまりがちです。

なお、Zについては、関わらない方がいい(笑)というadd/dropをいっぱいしたい人には悲しい結果になっています。

過去の数字の流れだけ見たFAのadd/dropでやっていけると言い切るためには、よっぽどの見る目があるといえるか、FA層が厚くOrankの高いレギュラーとFAの人の実力がきわめて拮抗していることなどの状況が必要になりそうです。

個人的には、アメフトの様に1戦目的でadd/dropする先発については、この最初の好長期間を逃すという要素は少なく、別の議論も可能かなと思っていますが、野手は実際の感覚とも合うのかなぁと思います。

add/dropを繰り返して今のランク(今期総合であったとしても)がいい人を集めたとしても、案外ずっと長期保有の人と差がつかないのはここら辺に理由があるのかなと思います。従前の議論通り、率などの大きい数字は特にこの傾向が顕著になるのだろうなと思います。

従って、FA層の厚いパブリックであっても、野手については、とりわけ大きな数字は確実にずっと使うレギュラーだけで確保できるように目指し、できるだけadd/dropで対応するポジションを減らすというのが私がとっている方針です。この結果、add/dropの対象とするのは、不調となっている選手のいるポジション、まだ埋まりきっていない外野・Util(個人的には内野を先に抑えますので)に限り、好調選手のいる内野のポジションはあまり手を出さずに他の目的にその枠を使うことになります。


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