2008-05-03

add/dropな日々(5) スポットで先発を補う

今まで記載してきた方法をとると、野手、CLに枠を優先的に使う結果、先発が足りなくなります。


その結果、先発の使うべき900IPが余ってくるのです。それの使い方として、スポットで先発を使うというのがあります。レギュラーでずっと使うのではなく、その日、その登板に使うというものです。

スポット先発の必要性・効率性

900-1000イニング先発で負担するとすると、先発は原則的に5名必要となり、4名だと若干IPが余る感じですね。私の場合、パブリックでは基本的に先発を4名までしか持たないようにしている関係上、どうしてもイニング数はあまりがちになります。

どれくらいのイニング数が余るかは保有しているレギュラー先発によっても違いますが、基本的に先発一人180イニングとすると、200イニングくらいでしょうか。先発は通常100球、6イニングをめどに投げるので、スポットで先発を使う回数は、30-35回程度になります。

スポットの先発1回に必要な枠は1日分、先発する日だけです。他のレギュラー先発が先発しない日も枠を必要とし、枠5,6日分が1回の先発に必要になることに比べると、必要となるコストは少ないといえます。add/drop用に枠を用意する遊び方をする場合、これを1日だけ準備するというのはさほど困難を伴いません。

また、通常のパブリックの場合、半数以上の先発はFAにいるので、FAにいる先発の残す成績というのも相当なものがあります。15勝投手などもいくらでも落ちています。従って、これをつかうというのは、無名選手をつかうというのとは全く違うのです。これらの選手は使わない手はないかなと。

最後に、この方式を使う場合、イニングの消費をシーズン中のどの段階でするのかというのを選べます。野手の枠の場合、毎日試合がある関係上、一挙に試合数を消費することができず、常にある程度の調子の人をそろえるほかありません。これに対して、先発投手用の枠は最大5つあるため、1日に最大30イニング程度を消費することができるのです。してがって、シーズン中、自分のチームの野手全員が好調であるなど、自分に余裕がある時をねらって、イニングを消費していくことが可能となります。このイニング消費の柔軟性をクッションとして、野手を一定以上の調子の人で固めるということをしたら、他の人よりも結果としてポイントが多くなるのではないのか、というのが野手の調子を常に保つという戦術の肝です。本当にそうなるか今年実験中なので、本当か否かはわかりませんが。

スポット先発のギャンブル性・リスク

スポットで先発を使うというのはどういう事を意味するのかというと、レギュラーとして通年使うのは躊躇される選手を使うと言うことです。他のチームがレギュラー選手のみでそろえている場合、そのスポット枠の質は他のチームより見劣る可能性があります。特に投手のStatsは率系が多いので、はまってしまうと、相当痛手を被る可能性があります。しかもそれをレギュラー先発まるまる1名分くらい繰り返すというのですから、そのリスクは相当大きいです。

このリスクの大きさを考えると、万能の戦略ではなく、使用は限定的にしたほうが良さそうです。

この戦術は、野手の調子を整えるための枠(これも数字だけ見たadd/dropは基本的に不効率であることは述べたとおりです)、クローザーを他より余分に抱えるための枠、が先発投手のレギュラー5人目を抱えるよりも大きいメリットをもたらすようなリーグでのみ、とるべき戦術ということになります。もしメリットが少ないリーグであれば、当然とるべきではない戦術ということになります。私は巨大リーグではこのメリットはないと考え、先発を余分に保有し、一番弱い先発は登板させない試合を作るという方式でイニング数を調節しています。

スポット先発add/dropのやり方

では、そういうメリットとリスクのある先発add/dropはどのようにやるのが、合理的なのでしょうか。

投手に必要とされるstatsは、80W/1000K/3.70ERA/1.26WHIPくらいです。このうちWが圧倒的に少ない数字であり、これをねらいに行きます。

どういう事かというと、Kをイニングあたりの率系とみると、率系は分母で数字の大きさを測るので、W以外は1250というIPがそのまま数となります。一方のWは80。圧倒的に数が違います。以前記載したとおり、大きい数、分母の大きな率系は後から単発的なadd/dropでとるのは難しく、小さい数の方がギャンブル的なadd/dropの成果が大きく得られます。従って、Wを取りに行く戦略が有効になるのです。

ただ、投手の率系は恐怖なので、これは常に念頭に置く必要があります。

具体的には、こんな感じでやっていきます。

80勝のうち5勝を中継ぎ・クローザーで稼ぐとすると、先発の負担は一人15勝。とすると、レギュラー先発投手に求められる姿は、15勝・0.8K/IP・3.70ERA・1.26WHIPです。

先発の3人のレギュラーには率系を厳しく求め、4人目も一応率系を満たすという前提の場合、足りなくなりがちなのはWです。

どのくらい足りなくなるのでしょうか。

昨年20勝投手というのは、結局1名しかいないことから考えても、先発一人15勝平均というのは、率系を厳しく求める場合、結構到達しません。トレードなどで無茶をしない限り、13勝-15勝平均くらいになるのではないでしょうか。

したがって、この5人目のスポットでは、上位の先発以上の割合でWを稼ぐ必要があるということになります。仮に上位4名の平均が14勝だとすると、add/dropでは19勝稼ぐ必要が出てきます。上位4名の平均が15勝だと15勝ですみますが。

これは可能な数でしょうか。

野球はその他のスポーツと違い、強いチームも弱いチームも勝率4-6割に集中します。きわめて5割に近い。従って、FAに残されている投手について無作為に先発を選んでいっても、結構5割近くは勝ちチームの先発を選べたりします。

ただ、先発が6イニングしか投げないことを考える必要はあります。試合が序盤で決まるような試合展開の場合、勝ち負けは先発につきますが、終盤までもつれ得る試合の場合、勝ち負けが先発につきません。従って、勝ちチームの先発を選べたとしても、Wは稼げないということは当然にあります。特に信頼感のない先発ほど実際の試合での降板は早いのでよりWがつきにくくなります。

このリスクをふまえて、30-35回のギャンブルで15-19勝しなければならないのです。勝ち負け自体は7割、8割当たってはじめて到達できそうな数字に見えます。

改めて計算してみると、結構厳しいですね(笑)。率系以外に勝ち星も計算できる3本柱が手に入っているなら、5人目の先発も固定した方が得かもしれないですね。

なお、打者の場合、数字からみる波を重視して、人をとるのに対して、スポットの先発は調子の波がしめる要素はさほど大きくありません(詳しくは下記を最後までお読みください)。従って、調子の波を取り損ねるリスクというのはさほど気にする必要はないのかなと思います。

リスクを抑え勝ちを取りに行くための方策

では、リスクをある程度抑えつつ、勝ちを取りに行く方策というのはあるのでしょうか。

点の取れないチーム

まずすべきは、ERA/WHIP対策として、点の取れていないチームと対戦するピッチャーを選ぶということです。

年間チーム得点は、Yahooから取得できますし、MLB.comでは過去7日、30日のチーム得点も情報として取得できます。

下記リンクをR順に並び替え、左のリストボックスで過去7日間、30日間を選択します。

http://mlb.mlb.com/stats/sortable_team_stats.jsp


これと、過去7日(試合数が異なる可能性には注意)をみて、いずれでも得点が少ないチームは、最近点が取れていない可能性があります。

これらの得点の少ないチームについて、過去数試合から10試合くらいの得点の流れを見て、ま、感覚ですが、どんな感じで得点しているか確認します。1試合だけ大量点で後はさっぱりであれば、大量点の時の相手投手などは確認しておくといいかもしれません。

このように得点のとれないチームを絞り出したら、次は勝つ確率の検討。

勝つ確率の検討

負けの込んでいるチーム

まず、最近負けが込んでいるチームを探します。

下記のリンクはMLB.comのstandingで、ここで最近10試合の結果、連勝連敗、ホーム・アウェーでの結果などが確認できます。

http://mlb.mlb.com/mlb/standings/index.jsp

この負けが込んでいるチームは、点が取れないチームとかぶることが多いのですが、そもそも、打撃戦になるDHがあり、打者有利の球場がおおい地域と、DHもなく投手有利な球場がおおい地域に分かれるので、一応両方チェックした方がいいと思います。

このように負けが込んでいて点が取れないチーム相手に投げると、ERA/WHIPが悲惨になる確率がぐっと減ります。

一方、チーム得点、チーム順位の情報画面で、点をよく取り、最近勝っているチームも確認しておきます。これは、投げる投手がこういうチームにいると勝ちそうじゃないですか?

このように最近の情報をチェックして、投手の所属して欲しいチームの一覧、対戦希望相手の一覧を作っておきます。それぞれ10チームくらいがいいですかね。しばらくは更新せずとも使えますし。

さて、このように勝ちやすいチーム、負けやすいチームが決まったら、次は先発予定投手の確認です。

先発予定投手の把握

結局FAにいる人しか考えないので、まずはリーグのPlayersから表示。選手表示のリストのうち”Position”を”P (Probable)”とすると、翌日の先発予定投手を示してくれます。

FAの厚いリーグであれば、翌日の先発予定のみのチェックでいいと思います。ただ、もし、同じ戦略をとっている人がおおい、など翌日の有力先発への競争が激しいということであれば、Position をSPに、StatsをOpponentにしてみましょう。これで先発投手について、登板予定日を確認できます「^」がついているところが予定日です。

add候補投手の絞り込み

まずは、先ほどの勝ちそうなチーム、負けそうなチームの一覧を使って、勝ちそうな投手を洗い出します。

このとき、相手投手も確認することを忘れずに。絶好調投手やエースとの対戦は避けたいので。これは先発一覧から確認しましょう。

http://mlb.mlb.com/mlb/schedule/index.jsp


次に、その中かから、ファンタジー的に数字を稼いでくれる人を探します。これは勝てる可能性というのはあくまで可能性なので、W以外のスタッツも無視できないからです。

というわけで、その人をクリックしてその人の情報画面を表示です。で、成績をみる。

最近の投球

最初にみるべきは、調子の波。やっぱりあるように思うので、最近極端に崩れることがどのくらいあるか。点数は水物だと思うので、ほどほどに4失点(6回だとERAで6なので、相当悪いです)、5失点したような試合はいくつあるか、何イニングくらい投げてとられているのか、相手は強豪かなどを見ます。で、調子の悪い投手は避けます。

その投手の特性

個人的に一番重視しているのは数年にわたるK率です。安定しているように感じるので。必要ならマイナーの数字もチェックします。前に書いたように「rotowire 選手の名前」で、Googleで検索すると簡単にアクセスできます。

次いで、BB/K率、被安打率。いずれもWHIPに影響しますが、前者重視。相手が打てなくてもファーボールは出ちゃったりしますから。一方被安打率は弱い打線だとまた数字が変わってきたりしますから。

Yahoo!の画面では、もっと詳しくホーム・アウェーであるとか、対戦チームごとの成績とか調べることができますが、きりがないので基本無視。

こうやって絞り込んだ結果、候補が残っていれば、その人をaddし先発に使います。

どの程度候補者がいるかは、全くリーグにより異なります。結構いるところもあるし、そうでないところもあります。結構いるところはadd/dropの回数を増やしてもいいと思いますが、逆にあまりいないところは5人目のレギュラーを確保すべきかを検討することになると思います。

add/drop

なお、addしたからには絶対使うべきです。addしてから迷うのが心情ですが、使わなければaddした意味はないですから。

で、好投しても原則的にdrop。

レギュラーの確保が必要というような例外的な場合のみ、残すことを検討します。そうやって枠はまた別のことにつかわないと、安定した成績が出ないように思われるので。

こんな感じで、add/dropでイニングを消費します。

以上をみてもわかるとおり、めんどくさいです。その上効果のほどはよくわからない。従って、特にイニングを無理矢理余らせてまでこの戦略をとる価値はないのかなと思っています。あくまでイニングがあまりそうになってきたら、実行ですね。

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