編集者な日々(3) 人間らしい置き換え
編集者には置き換え技術も必要になってきます。今日やってみたのは、以下の置き換え。
デラウェア法25条 → デラウェア法§25
主に順番の入れ替えですね。
執筆者の皆さんに内容に集中していただくためにも、形式的な面はできるだけ編集者で楽に処理したいもの。楽にというのはこちらの事情ですが・・・
今回の本はアメリカの法律の条文について、条ではなく§を、逆にドル表示は$ではなくドルをと、結構癖のあるルールになっちゃっています。そのため、各章での記載の統一が結構大変。
今日はとりあえず条文を直そうかと思い、検索技術で対応してみることにしました。
使うのは、ワイルドカード検索。
これで、15条、200条、105条a、10a条などという表記を、それぞれ§15, §200, §105a、§10aなどに直していきたいときどうするかというメモ。特に最後の2つはルールが違うので、両方拾えると結構おいしい。
ワイルドカードというのは、人間の頭で考えることを実現しようという仕組み。例えば、同条、ってなっているのと、条項ってなっているのと、15条となっているの、今回置き換えたいのが3つめであることは人間には明らか。一方、人間は直し漏れを完全に防ぐのは難しい。そこでこれを組み合わせて、楽にミスが少なくなるような校正をしようというのがこのエントリ。
ドラフトを読んでいると、今回は、どうやら数字か半角英数がしばらく続いたあとに条となるところまでは執筆者の方で勧めていてくれている模様。とすると検索としてはこれをルールにしてしまうのが一番。
ワードの置き換え・検索のオプションで、ワイルドカードを使用するにチェックを入れると、以下で上記の4つの例、いずれも検索でヒットし、同条、条項などはヒットしなくなります。
[a-z,A-Z,0-9]{1,5}条
これを解説すると、半角英数が、1-5個連続して続いて、次に条となっているのを全部拾ってくれる式ですね。
で、次に、なぜか一発で置き換える方法がわからなかったので(安易に言うべきではないですが、バグかもしれません)、段階を分けると、、、
英数の部分と、条の部分を入れ替える。
これもワイルドカードででき、同じくワイルドカードを使うオプションをチェックした状態で、
置き換え前文字列:([a-z,A-Z,0-9]{1,5})(条)
置き換え後文字列:\2\1
としてやると、半角括弧でくるまれた2つのグループの場所が入れ替わる。バックスラッシュになっているところは、¥の半角を利用してください。
もちろん全部置き換えでなく、一つ一つ見て置き換えていくのが望ましいですけどね。弁護士業務は実際の目が命ですから。
そうすると、15条、200条、105条a、10a条などという表記は、それぞれ条15, 条200, 条105a、条10aとなる。
この最後の105条a、10a条の両方が拾えているのは結構実際便利でした。
で、これを条→§でおきかえてやると、、、
めでたくそれぞれ§15, §200, §105a、§10aとなるわけですね。
まー、式が面倒でカスタムメイドしないといけないことなどがあり、結構人に伝えるのは難しい面もあるのですが、あるルールのなおしを全体に適用しないと行けない場合(例えば$15を15ドルに)など、結構これに近い式を使って見ると便利なことはあります。
全体の中身にコメントしながら、形式面ももれなくコメントというのは、訓練でできるようになるのですが、まー、機械の補助もそれはそれで便利につかえるものです。
よろしければお試しください。
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