2008-05-06

トレード (4) 交渉によるプレミアムの増加

パレート最適を目指すトレードはお互いの富を増大します。その中で自分に有利な条件を引き出すにはどうしたらいいのでしょうか。


こういったことは、ロースクールではネゴシエーションの授業でならいますが、それを実地に移すすごくいい機会です。

Bがレバレッジを生かす!

引き続き、前回の事例で検討してみましょう。今回はBの立場に立ってみます。

取引前

A 3B1(10), 3B2(9), 2B15(1) 合計11点(2位)
B 2B1(8), 2B2(5), 3B15(1) 合計9点(3位)
C 3B3(8),3B4(7),2B3(4) 合計12点(1位)

Bの所有するのは、2B1(8)、2B2(5)、3B15(1)の3つです。

これらの価値はいくらかわかりますか?

答えはいくつもあり、一義的な答えはない、というのが正解かと思います。

ここら辺は、合併のvaluation letterと同じ発想ですね。合併の場合、合併比率の正当性をアピールするためにアドバイザーであるインベストメントバンクから合併比率が正当(の範囲内)であるとの、opinionをもらいます。出向していて思ったのは、あれはアートです。必要なのは、人からつっこまれても、いや、これはこれで正しい考え方と言い張れる根拠。その根拠の範囲内であるならば、それは正当なのです。その結果、当事者が交渉した値段がValuation上あり得ないという結論にはほとんど至らず、逆に若干苦しいような比率であっても根拠を示し、人に批判されない形でそれで正しいのだということができるというのが、バンカーとしての能力であるとさえいえる感じでした。

この場合はどうでしょうか。

ぱっと思いつくものをいくつかあげてみます。

(1)生の能力:各選手の実力は括弧の中ですね、2B1(8)が8、2B2(5)が5、3B15(1)が1。これをもって生の能力とでも呼びましょうか。なお、この場合Aの持っている最強の3B1(10)の能力はむろん10。(おわかりでしょうが、イメージは昨年のAロッドです)

(2)ポジション内部の相対能力:次に、同じポジションにおける次の順位の選手との差を能力とするならば、2B1(8)は3、2B2(5)は1の能力を持っています。これは相対的な能力となりますが、依然、誰もがなるほど、と容易に納得できる能力です。なお、この場合3B1(10)の能力は1となり、実は2B1(8)より能力が低くなります。

ただ、これは状況を変えると変わります。その意味で適用範囲は①より狭いですね。たとえば、以前例に示したように2B/3Bの2つのスロットではなく、Util2つのスロットである場合、能力は異なります。たとえば、3B1(10)は3B2(9)との差ですから、1、2B1(8)は3B4(7)との差ですから1となります。

(3)フォーマット的価値:トレードをしない場合にBが生かせる価値です。2B1(8)が8、2B2(5)が0、3B15(1)が1ですね。2B2(5)よりも3B15(1)の方が明らかに能力が低いのに、「この状況下のBにとっては」は価値が高くなります。

無論、これも状況設定により異なり、Util2スロットの場合、2B1(8)が8、2B2(5)が5、3B15(1)が0と評価されることになります。

(4)格的価値:そのポジションで何番目の存在かという格で価値を決める考え方です。仮に各ポジション15名いるとすると、2B1(8)は15、2B2(5)は14、3B15(1)は1の価値を有しているなどと評価したりします。同様に3B1(10)も15ですね。

各ポジション間の優劣が少ないfantasy baseballの場合、各ポジションでそれぞれある程度の順番の格の人をもつというのはきわめて有効な戦略であり、そのポジション1番というのは、絶対的な能力が低くても他のポジションの最上位と同等と評価することも可能です。何を隠そう、これが今年キャッチャー・ショートを上位で指名する理由なのですから。

(5)純粋主観的価値:たとえば、Bが2B2(5)の大ファンで、2Bのポジションで常に彼を使うならば、2B1(8)は0,2B2(5)は5、3B15(1)は1の価値を有することになります。実際はよくあることですが、この稿ではとりあえず、これは考えないことにします。合理性を離れた個人の嗜好まで考えることができるとすると、無限に組み合わせができてしまうからですね。

ぱっと考えつくだけでもこれくらい価値というのを考えることができます。

いずれも間違っていなくて、いずれも正しいのです(ま、(5)はよくわかりませんが)。

こういったBとトレードする第三者は、一番Bが低く価値を見積もっている状況で、Bから安く取得したいと交渉し、逆にBは自分の価値はともかく、相手が買いうる最高額で売りたいと思うのです。

たとえば、Bの持っている2B2(5)についていえば、(3)の価値を強調して、無料(または価値1で)取得したいわけですし、2B1(8)についても、(2)の価値を強調して3で取得したいわけです(たとえばCであれば、3B4(7)で当然十分だろう主張しますね)。また、状況が許せばもっと安くですね。

一方、Bは2B2(5)については、(4)の価値を強調して、3Bの2番目の格は最低欲しいと動きますし、2B1(8)についても、1番目の格は最低欲しい(たとえば3B1(10)との交換が最低条件)と主張することになりますし、交渉次第ではさらに高値をねらうことになります。

いずれの価格もBの富を増やすという意味では合理的であり(パレート最適)、どういう結論になるかは、状況次第となります。

いか、ちょっと具体的に交渉を見てみましょう。

Cとの交渉の実際

まず、前回とちょっと想定を変えて、今度はA、Cがポイントの増大、順位が下がらないこと(取引相手との関係で順位が抜かれないこと)を価値観としているとします。一方、Bは自由に何でも考慮することができます。さらに、ACは、Bから価値観を教えられることが可能で、教えられた価値観が合理的な価値観である限り、最初のポイント・順位以外の価値観に沿っても取引をできるもの、とします。

ここで示すのは、Bは、合理的な価値観を人に伝えることで、自らの富を増やし、相手の幸せもかなえることができるというものです。無論、この価値観を理解できないままであれば、単に不合理な取引を「強いている」ともとられかねない行為です。

BがC、Aの順で交渉する場合、どのように得られる対価を増やしていけるか、というのを例として示したいと思います。

Cとの取引で、ポイント見た場合の、パレート最適の取引は以下の4つでした。

Bのスタート時点:
B 2B1(8), 2B2(5), 3B15(1) 合計9点(3位)


Bの取引後

ポイント上昇

順位上昇

⑤2B1(8)と3B3(8)

B3(8)+2B2(5)=13

(2)

⑥2B1(8)と3B4(7)

B4(7)+2B2(5)=12

(2)

2B2(5)と3B3(8)

B3(8)+B1(8)=16

(1)

2B2(5)と3B4(7)

B4(7)+B1(8)=15

(1)


得られる対価から見たBの希望は⑦、⑧、⑤、⑥の順になりますね。

Cはスタート時点で順位の低下を受け入れられないので、⑤⑥は受けられますが、⑦⑧は受けられません。

ここでBがすべきことはCの啓蒙です。

Aとのパレート最適取引で、Aの順位が落ちない取引である、①3B1(10)と2B1(8)、③3B2(9)と2B1(8)をするだけでCは最下位が確定する。最下位確定を回避することこそ合理的な取引ではないか、Cに価値観を教え込みます。

この価値観が合理的かは、一応議論可能です。1位以外は無意味という、東大一直線タイプの価値観を重視するのであれば、3位か2位かというのは全く意味のないことであり、2位を確定させるという選択は不合理だともいえます。ただ、一般的にはポイントを上昇させ、放っておいたら下がってしまう順位を下がらなくするというのは合理的と考えられ、Cはこの価値観を新たに取得するのです。

よって、BはCにこの価値観を植え付けることで、⑦、⑧の取引の可能性を得ます。この取引では、Bが売るのは2B2(5)であり、対価として得るのはポイントで6または7、順位の上昇が2です。上の価値観(1)ないし(4)のうち、(1)ないし(3)よりも高い価値で売っていることになります。(4)との差は微妙ですが、順位上昇を考えると、(4)すら超えているとの評価も可能かな、とも思います。

こう考えると、BはCと取引することで、正当な範囲内でプレミアムを得ることが可能となるのです。

⑦の成立に向けて

では、BはCにさらに⑦、⑧のうち⑦をとれ(自分の一番有利になるのを相手に受けさせる)と交渉することは可能でしょうか。これは可能なのです。

⑦の取引が行われたとしたら、当該取引終了時点では、以下のようになっています。

A 3B1(10), 3B2(9), 2B15(1) 合計11点(3位)
B 2B1(8),3B3(8), 3B15(1) 合計16点(1位)
C 3B4(7), 2B2(5), 2B3(4) 合計12点(2位)

このときにパレート最適に向かって行える取引があるのです。

ポイントだけのパレート最適を考える限りCとAの間で以下の取引を行うことが可能です。


交換後のA

交換後のC

⑨3B1(10)2B2(5)

3B2(9)+2B2(5)=14

B1(10)+B3(4)=14

⑩3B1(10)と2B3(4)

3B2(9)+B3(4)=13

B1(10)+2B2(5)=15

3B2(9)2B2(5)

B1(10)+2B2(5)=15

3B2(9)+B3(4)=13

3B2(9)と2B3(4)

B1(10)+B3(4)=14

3B2(9)+2B2(5)=14


Cが合理的である限り、取引をしてAに並ばれたいとも抜かれたいとも思わないはずなので、実際に成立する取引は⑩ということになります。

この結果、⑦、⑩のと利引きが行われ、

A 13点(3位)
B 16点(1位)
C 15点(2位)

となるのです。

Cは⑩のと利引きにより2点増加するので、どうせ後から2点増加するのだから、ここは1点譲れとBとしては交渉できるわけです。

実際の力関係を冷静に考えると、AB間で取引が成立した場合、パレート最適になってしまい、Cは取引できずに12点に終わります。なので、⑤⑥か⑦⑧かという選択(BがCに渡すのが2B1(8)か2B2(5)のいずれか)の時だけでなく、⑦と⑧(BがCから受けとるのが3B3(8)か3B4(7)のいずれか)という選択を迫るときも、再度最下位になりたいのか?と聞くだけでいいのですが、実際の交渉では、同じ理由を使うと、どうにも恫喝くさくなります。従って、目先を変える意味でも違う理由が好ましく、最初に恫喝で2位に落ちることを飲ませた後は、Aと取引すればおまえは後から点が伸びるんだから、と優しくいってあげるのが交渉をスムーズに進める方法だと思われます(笑)。

ま、この交渉姿勢がこれが正しいとするなら(相当怪しいですが)、Bとしては最初に理由を整理し、より大きな理由である最下位回避を最初に言って順位の降格および下のランクの2Bを受け取ることを飲ませた上で、対価として、持っているいい方の3Bをもらうようさらに交渉する感じですかね。個人的には、こんな感じのやりとりはロースクールでも習うので、MBAとか行っている人はもっと激しいのかと、戦々恐々ですね。

で、これでBは⑦の取引をし、最終的に1位になることも確定するので、ハッピーですね。しかも使うのが2B2(5)で、得るのが3B3(8)。相当お得です。

でも、、、これで終わらないのが合理的なB(笑)。せっかくだからもっとプレミアムをもらえる取引を探してみましょう。後で書くように、アメリカで会社を売ることを決めた取締役会は判例上、マーケットで一番高く買ってくれる人を探さないといけない義務というのが発生しますが、その考え方からすると、当然他に高く買ってくれる人がいるかは探すべきなのです。

Aとの交渉

Cとの交渉で、1位(2順位上昇)、16点(7ポイント上昇)という最高点まで到達できることが確定したBは、今度Aからもっと、むしれないか、と考えるわけです。今度はこれを超える成果が得られるかがポイントになります。

AB間で成立する取引は、以下の4つでした。

元の状態
A 3B1(10), 3B2(9), 2B15(1) 合計11点(2位)
B 2B1(8), 2B2(5), 3B15(1) 合計9点(3位)
C 3B3(8),3B4(7),2B3(4) 合計12点(1位)


Bの取引後

ポイント上昇

順位上昇

3B1(10)2B1(8)

3B1(10)+ 2B2(5)=15

(2)

3B1(10)2B2(5))

3B1(10)+ 2B1(8)=18

(1)

3B2(9)2B1(8)

3B2(9)+ 2B2(5)=14

(2)

3B2(9)2B2(5)

3B2(9)+ 2B2(8)=17

(1)



問題は、②か④に持って行けるかどうかです。Cとの⑦の取引が確保されている以上、⑦の後Aが取り得る最高のポジションである、⑦、⑩の取引(14ポイント、3位)よりメリットがあれば、Aを「啓蒙」することにより、②、④に導くこともできそうです。

では、実際それが可能か。Bにとってのメリットが小さい④から見てみましょう。

④の後は以下のようになります。

A 3B1(10), 2B2(5), 2B15(1) 合計15点(2位)
B 3B2(9), 2B1(8), 3B15(1) 合計17点(1位)
C 3B3(8),3B4(7),2B3(4) 合計12点(3位)

で、これ以降、取引は起きないません。
Aが得るのは15ポイント、2位。BにCと取引された場合の14ポイント、3位よりポイント、順位ともにお得なので、BとしてはAを「この取引自体でBに抜かれるとしても最終的に3位より2位がいいじゃないか」、と「啓蒙」することでこの取引は成立しそうです。

②の後は以下のようになります。

A 3B2(9), 2B2(5), 2B15(1) 合計14点(2位)
B 3B1(10), 2B1(8), 3B15(1) 合計18点(1位)
C 3B3(8),3B4(7),2B3(4) 合計12点(3位)

で、これ以降、取引は起きない。
Aが得るのは14ポイント、2位。同様にBにCと取引されるより順位においてお得なので、「啓蒙」することでこの取引も成立しそうです。

では、いずれが成立するのでしょうか。

今回は、2度目の取引がないので、アメとムチ作戦(good cop/bad cop作戦)は使えません。とはいうものの、「脅し」(笑)は使えます。しかもBがAと取引するかわからないなら、最悪3位11ポイントということもあるわけですからね。従って、「啓蒙」した後は、Cとの取引をちらつかせるだけでAが合理的であれば合理的であるほど、②の取引を受けるという結論になります。

したがって、A、Cの両方ともと交渉する結果、Bは2B2(5)で3B1(10)を取得することができることになります。ゲームで言うとUptonでAロッドを取得する感じですかね。しかもそれで1位になり、ポイントも一人ダントツになる(2位と4点差)。最下位からの一発逆転ですね。

これってひどいんでしょうか??

プレミアムはどこで生まれた?

2B2(5)と3B1(10)は取引前、上記(1)ないし(4)の判断方法において、ABにそれぞれ以下のように評価されていました。


Aの評価

Bの評価

B1(10)

B2(5)

B1(10)

B2(5)

(1)生の能力

10

5

10

5

(2)ポジション内部の相対能力

1

1

1

1

(3)フォーマット的価値

10

5

10

0

(4)格的価値

15

14

15

14


おわかりの通り、いずれの価値判断においても、AB両者ともに3B1(10)を2B2(5)より高く(又は同等に)評価しています。したがって、この状況だけではAが3B1(10)の放出に踏み切る理由はありません。むしろ、2B2(5)について、(3)においてAがBより高く評価しており、Bが評価0なので、AがBから安く買える、というのが見つけられる特徴になります。

なぜでしょうか?

2B2(5)自身には少なくとも(1)ないし(4)の価値観で見る限り、プレミアはなく、2B2(5)のプレミアということだけではこの事態は説明できません。

しかし、Bが動いた結果、Aは3B1(10)を出して、2B2(5)を受け取るという取引に踏み切ることになりました。これが交渉過程において生じたプレミアムなのです。

Bが交渉をうまくやらないと取れないプレミアムです。

単にできあがりの取引である3B1(10)と2B2(5)の交換というのを、選手単体で見る限り、合理性はありません。

また、順位・ポイントの面からも、Aが4点増加、順位不変であるのに対して、Bは9点増加順位2つ上昇ですので、はたからみると、なぜAはこれを受けるのだろう???という事態です。

ただ、もしこういった形で交渉が行われたとしたら、Aとしてはこれを受けるのが合理的ということになります。したがって、これは「やむを得ない範囲のプレミアム」と評価できるのかな、と思います。もっとも、(3)の評価で0だった2B2(5)を10の評価の3B1(10)と換えるBは相当「おいしい」取引をしたことに疑いの余地はないのですが・・・

CはVetoしたい?

したいです(笑)。この場合のCとしては言いたいことはいっぱいあります。

まず、Bは直前までCと交渉していたと言うことです。しかもCにとっては一番自分に不利になる取引を飲むことを決めた直後に他の人とトレードされ、その結果誰ともトレードできずに最下位決定です。はっきりいってBを恨みます(笑)。なんでぇ?って。法律的に言うと信義則違反の損害賠償請求をしたいくらいでしょうか。

また、ABの取引をみても明らかにAが払いすぎ。お互いに重複ポジションを持っているのに、世の中で一番能力の高いプレイヤーを出して、相手の能力の低い方のプレイヤーを受け取っているのですから。どうみてもAがだまされているように感じます。Bはひどい、とBに対する恨み・憎しみは倍加ですね(笑)。

なおパレート最適理論の観点からはもCの言っていることも不合理ではない。Cと取引した場合、その後にAC間の取引が行われるために、⑦⑩終了時点で、A13点(3位)、B16点(1位)、C15点(2位)となり、合計は44点。一方、②の取引だけが行われた場合、A 14点(2位)、B 18点(1位)、C 12点(3位)で合計44点となり、配分は同じだから、べつにCとの取引を行ってもいいのです。

感情的な観点からは、②だとBの独走を許すところ(2位と4点差)、⑦⑩だと1位と2位の差は1点。ゲーム的にもおもしろいじゃないか。ゲームのおもしろさを損なう、根本的におかしな単なる贈与・wasteだ、という主張も可能になりそうです。ただ、Aにとっては後者の方が点が高いのでこのCの主張はAに共感されないのが寂しいところですが。

こういう感情から見た場合、Cは永遠にAの「合理的」な判断は理解できませんね。また、何のバックグラウンドも説明せずに、3B1(10)と2B2(5)のトレードっていうひどい案件を初心者相手に成立させたえげつないプレーヤーがいる、なんて説明して、みんなでひどいひどいと盛り上がることも可能そうです。

Bの言い分

Bの言い分として、Aは合理的な判断をした、Cはわかっていないだけだ、というほかに、CはAと裏工作する余地があったというのがあります。

余分な3BはACが独占しているので、ACが連携すれば、その立場は強く、現在3位のBは2Bを2名持っていたとしても、それを生かし切ることができないのです。したがってBからすれば、自分は一生懸命交渉した結果、いいディールを作り上げた。他に交渉の余地があった他の人が、その交渉をしなかったからといって、うまくまとまった交渉をVetoするのはもってのほかだ!と感じることになるわけです。

こうしてけんかです。。。

まとめ

ま、これは極端な例としても、この例では、2Bの余分が1つしかないというプレミアム(他にもいろいろ前提はあるのですが)を他にも交渉相手がいるという状況をレバレッジとして最大限生かした結果、Bが通常ではあり得ない案件を成立させた例といえると思います。

AB2名だけの世界なら、①ないし④のうち、②というBにだけ有利な点で妥結する可能性はきわめて少ないと思われます。ポイントはAB間で最適になっても、順位が逆転する上、Bが一方的に利益を多くもらうからです。あくまでBがうまくAとの取引にCを当て馬につかったともいえそうですし、Bの利益の最大化のためにBとしてできる限りがんばったともいえそうです。MAで会社を売ることを決めた取締役会の義務などはこれをしろと言うことでしょうね。レブロンルールでしたっけ。忘れそうです(笑)。当て馬Cを使えということですから、Cの立場からすると相当激しいルールだともいえそうです。ただ、うまーくやれば上記のように効く。破産会社がなぜかすごく高く取引されるという感じのことはこうやっておこるんでしょうね。そりゃ、売られる会社の株主も喜びます。

なお、これは、通常あり得ないというだけで、よくよくみれば、合理性はあり、たとえば、Aの持っている3B1(10)とBの持っている3B15(1)のトレードのような全く何の合理性もないトレードとは質が違う(ま、私の視野が狭いだけで本当はあるのかもしれませんが、ここではないものとしましょう)のです。

ただ、それは、Cが見破るのは至難の業である、ということだけはいえるのかなと思います。

編集後記

しかし、適当に設定した選手能力、結構説明に使える値になってましたね(笑)。偶然偶然。


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