トレード (6) 無限のプレミアム?
今度は2B1(8)のプレミアムについて。ちょっと合理的ではない人にもご登場願って、心理的な動きも書いてみました。
2B1(8)は最高のプレイヤー!?
取引前の状況
A 3B1(10), 3B2(9), 2B15(1) 合計11点(2位)
B 2B1(8), 2B2(5), 3B15(1) 合計9点(3位)
C 3B3(8),3B4(7),2B3(4) 合計12点(1位)
こうでしたね。で、Bの持っている2B2(5)の価値は、いろいろ前提をつけると(笑)、3B1(10)と同じ。
でも、よくよくみるとBはより上位の2B1(8)を持っています。ではBから2B1(8)を買う場合の、こいつの価値はいくらになるのでしょうか?
まず、明らかにこのゲーム中最強の手札である3B1(10)よりは上です。より下位2B2(5)で3B1(10)と同等ですからね。客観的な話だけでも2B1(8)は2B2(5)より格で1、能力で3上で、Bにとってレギュラーであるという観点からはBにとって8ほど価値が上ですから。そんな簡単には売れません。
じゃ、複数人を使えばどうでしょうか。
Cの全財産より上?
まず、Cが、「じゃ、思い切って俺の持っている全てをもって買いに行く」とした場合、Bは2B1(8)を売るでしょうか?
提供されるのは、中堅どころの3枚。3B3(8),3B4(7),2B3(4)。悪くはないです。3Bの2枚はいずれもBにきたらレギュラーですし、「おまえのところでレギュラーになれる人間2名送ってるよ」といわれれば、このブログを見て「レギュラーをとる!」(笑)と思っている、Bの食指も動くかもしれません。
ただ、こんな3枚では出せないというのが合理的なBのとるべき態度。
この状況で最高点をたたき出す人は、最終的に3B1(10)と2B1(8)を取得した人です。これが最強の2枚の組み合わせ。で、すでにBはうち1枚の2B1(8)を取得しており、前提さえうまくあえば、Bはもう一枚の3B1(10)も2B2(5)で取得することができるのです。
よって、Cから何かもらってBに得るものは何もない。これが残酷な現実です。最強手札の片割れを持っていて、もう一つへの通行手形があるのに、片割れを渡してよくわからない方向に進む必要がない、ということですね。
よって、「欲しいプレーヤーが特にないんだが・・・」というのがBの本心。offerは単にrejectすべきですね。
いろいろやってみた経験上、ここは断るだけにすべきで、もし、どうしても俺の持っているのが欲しいならこんなんならありだが・・・と、「3B15(1)と3B4(7)+2B3(4)」のカウンターとかはしないほうがいいです(笑)。
これは、Cが怒っても、Bの損だし、万が一受けられてもそれこそ何の合理性もなく、Vetoの対象になります。Vetoされると評判が下がりますし、結構嫌な思いまします。それを回避するために、AにVetoしてくれ、とか一生懸命フォローしても後の祭り。どうしてもリーグの雰囲気は悪くなりますので、ここは単に断るだけにして、よくわからないオファーをしてくるひとから必要以上にとりすぎないように注意する必要があります。
Aの全財産では?
若干、様相が異なり得るのがAからの全財産オファーです。
Aから全財産渡すから、2B1(8)くれといわれて、これに応じた場合、取引後は以下のようになります。
A 2B1(8) 合計8点(3位)
B 3B1(10), 3B2(9), 2B15(1), 2B2(5), 3B15(1) 合計14点(1位)
C 3B3(8),3B4(7),2B3(4) 合計12点(2位)
もちろんVetoの可能性が相当あるというのは上記の通りですが、Vetoされなかった場合、こちらの方はそう悪くはないとも見えます。
この状況でBは1位なれますし、この後、Aとの間で「3B2(9)+ 2B2(5)と2B1(8)の交換」という案件を成立させることができるのです。この「3B2(9)+ 2B2(5)」というオファーは、Cの出しうる最強オファーである「3B3(8)+2B3(4)」より強いので、Aが合理的でさえあれば、2B1(8)を取り戻すことができるのです。
このときのBはAとの間の1度目の取引で1位になり、2度目で最強の座を確保できるので、悪い話ではありません。
ただ、問題は、Aの考え方が見えないことです。
最初の、全財産で2B1(8)を買いに行くというAの考え方はパレート最適に向けた行動ではなく、自分が損をする取引です。こういう人間が合理的な判断をして2B1(8)を再度手放すのか、実は前に話したように、2B1(8)について(5)の純粋主観的な価値がものすごく高いプレイヤーではないか、または、全く合理性を考えないプレイヤーではないか、という疑惑がわくのです。要はAを信頼できない人間と見るほかないんですね。
そうなるとどうなるか。Aの行動は全く見えません。
2B1(8)をどんなオファーがきても手放さないかもしれないし(ま、全財産で買ったんですからね)、Cからのオファーで易々とCに渡しちゃうかもしれません。
Cに、3B3(8)+2B3(4)で渡されてしまうと、Cは2B1(8)+3B4(7)=15でBを上回ります。
これは困る。
よって、合理的じゃない人から、合理的じゃないすごくいいオファーがきたとしても、それで最強の手札を渡すかどうかはよほど考えないといけないということになりますね。
というわけで、いろいろ考えるBはAの全財産でも出さない。ここに、能力的には有限な2B1(8)は、どうやっても買えない無限の価値を有する存在になりましたね。
ファンタジー用の教訓としては、ある価値観に基づいて何が何でも渡したくないプレミア選手というのは存在しうるので、自分がどうしても欲しい選手(自分にとってのプレミア選手)については、人より早くドラフトしないと永久に得ることができない可能性があるってことでしょうか。若干飛躍かな(苦笑)。
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