2007-03-26

米国law school出願 (効率的なApplication作成 7 Acrobat-2)

Acrobatは、Application本体の作成以外にも、願書の注意事項を読む際にも活躍する。一般的に、会議で配られる配付資料、名刺等の整理にも通じる技術かと思うので、PDFを読んで、メモを書き入れるということについて、具体的方法を記載する。

なお、前回に引き続き環境はAcrobat 6である。


Acrobatの特徴は、PDFを加工できることである。様々な加工技術が用意されているが、今回の目的で使うのは、メモを書き入れる技術である。

1 付箋

前回紹介したのと機能的には同じ。テキストボックスを使う。

Application用の願書(その他書類難でも)を読んでいる場合、左右の余白にコメントを残したくなる。教科書を読んでいる際に横に書き込むのと同じだ。特に資料が英語であるときに日本語でキーワードが隣に用意されているのは後から読み返す際に大きな助けになる。

これを実現してくれるのがテキストボックス。この場合は、付箋的な使い方であるので、背景を透明にしないのがいいと思う。個人的には、願書を読む際のほか、会議でもらった名刺一覧をスキャナでPDFに取り込んで、適宜メモなどを書き足すことにしていた。名刺ソフトもいいが、仕事場で使うには、追加のソフトなしで作業できる必要があるため、このやり方はとても気に入っていた。

すぐ隣にコメントできないときは、線引きツール(同じ高度な注釈ツールバーの鉛筆マーク)で引っ張って余白に書くこともできる。

アクロバットには、別の機能として注釈を入れる機能がついている。これを活用すると、場所を取らずにコメントを入れることができる。ツールバーでいうと「注釈ツールバー」にあるノートツールを使うというものである。これを使うとコメントをつけたところには吹き出しがつき、その内容は余白部分に表示される。内容を表示しているwindowは動かすことができるのでこれでも良いのであるが、個人的好みでは付箋。直感的なのである。

2 囲い

普通に教科書を読んでいるときには下線を引いて本を読んでいく。これに相当する機能が、囲いだと思う。

ツールバーでいうと、付箋(チェックボックス)の横についている長方形・楕円などを書く機能。読んで、重要な段落ごと、この長方形でくくってしまうのがいい。

実はAcrobatには、蛍光ペン機能もついている。ノートツールと同じ注釈ツールバーの「テキストをハイライト表示」(Tマーク+付箋の色)である。

Wordで文書を読むときは、ハイライトをするが、PDFの時はほとんど使わない。それは文書の読み方の違いによる。

Wordで文書を読む際は、page up/page downを使いながら読む。そうすると、常に本文にカーソルがある(テキストをすぐに選択できる)ことになる。そのため、本文をハイライト表示をするのが容易なのである。Wordで読む際にマウスのスクロール機能を利用しているときは、本文に戻るのが一手間(本文のクリック)いるので若干様子が違うのかもしれないが、個人的にはそのような場合は少ない。

一方、Acrobatで、文書を読むときに、本文のテキストを選択しながら読むことはまずない。そもそもPDFが画像で作られている際にはテキストを選択することができないし、テキストを編集しないようにロックがかかっているものも大量にある。自然、キーボードのpage up/page downを利用する場合でも、テキストを選択している状態にはならない。

ハイライトはテキストを選択してから行う動作であるのでこの手間、うまくいかない場合の多さは致命的である。

そういったこともあり、アクロバットに下線・ハイライト的なものをしたいときは、囲い(長方形ツール)を使っている。

3 ショートカット・Tips

ワードに比べてマウス操作が要求されることが多いAcrobatではある(もともとMacの世界の産物なのでしょうがないとは思う)が、使えるショートカットも存在する。


(1)表示倍率変更

幅に合わせる ctrl + 2

解像度が低いパソコンでPDFを読む場合、「幅に合わせる」という表示倍率で読むのが効率的である。この表示は、横幅とAcrobatのwindowをあわせる。これにより左右にスクロールしない範囲で文字最大になる。ショートカットは、ctrl + 2

全体表示 Ctrl + 0

一方、引いて1枚全部を見たいときもある。その場合はctrl + 0。1枚の用紙全部を画面に表示することができる。

倍率の変更

拡大するのは、ctrl + +、縮小するのはctrl + -。変更倍率は25%程度。でも適宜切りがいい数字で、元の倍率次第で幅は異なる。


(2)表示の向きの変更

A4/Letter縦表示が続く中、グラフなど一部A4/Letter横表示のページが混じる場合がある。この場合の操作は2通り。

ページの向きの変更

ページの向きを変えるときは、文書→ページ→回転shift + ctrl + r)。これにより、指定するページの向きを変えることができる。

スクロールさせていくとわかるが、縦のページにいきなり横のページが混じることになる。今後当該ページを表示する場合、常に横表示となるメリットがある。縦の用紙の中に、用紙の大きさを変えない横の用紙を挟むというのは紙にはできない芸当であり、電子媒体の良さを感じるときである。また、Wordよりもこう言ったことは圧倒的にAcrobatがやりやすい。

一方、印刷の時に不都合が生じる可能性がある。印刷の時は、A4/Letter縦にずっと印刷していく。そのため、ページにあわせて拡大縮小という設定(前回参照)にしておけば端が切れることはないが、小さく表示される。A4/Letter縦の横幅に制限されるのである。文字の大きさが問題ない場合、プリントアウトを読んでいって紙・ファイルの向きを変えなくていいメリットがある一方、縦表示の他のページより文字が小さくなる点で不都合が生じる。

表示の向きの変更

これに対して、読むときに、一時的に表示の向きを変える方法がある。右回転・左回転でそれぞれ shift + ctrl + +/-である。メニューでいうと、「表示→表示を回転」。

これにより、当該PDF全体をくるっと回転して表示してくれる。当然次のページでは元に戻す作業が必要になるし、次に開いたときにも同じ操作が必要。

その一方で、印刷の時は、文字が小さくなる不都合がない。


(3)表示方法の変更

画面の右下を見ていただきたい。水色の四角い箱が表示されているコーナーがあると思う。それをマウスでクリックすることにより表示方法を変えることができる。Acrobat 6の場合左から、単一ページ、連続ページ、連続見開きページ、見開きページである。連続見開きページは超解像度用だと思うので残り3つについて一言ずつ。なお、メニューでは表示→ページレイアウトで同じ作業ができる。

単一ページ

これは、ページを強く意識した表示形式で、別のページを一緒に表示しない方式である。つまり、スクロールしていくときも、ページ1が表示されている間は、ページ2は一切表示されず、ページ1が尽きたときに、ぱっとページ2に変わる。ページ2が表示され始めると、ページ1はかけらも見えなくなる、というもの。

Textを選択できるPDFでctrl + a ですべてのテキストを選択しても、当該ページのテキストだけが選択される。

これのメリットは、page up/downによる閲覧と親和性が高いこと。ページの余白が画面の中央に来ることはなく、新たなページの1文字目は常に画面の上部にしか表示されない。

特に、Ctrl + 0で、ページ全体を表示している場合、2ページ後を表示したければ、page downを2回押せよいななど、本に近い感覚で使いやすい。

個人的には一番気に入っており、この表示方法で通常使用している。

連続ページ

これは、Word(印刷レイアウト)と同じイメージである。ずーっと同じペースでスクロールする。Ctrl + aで全文を選択した場合は、PDFファイル全体のテキストが選択される。

人のパソコンを見ているとこの表示方法になっていることが多いが、個人的には、PDFのTEXT情報を加工して別ファイルを作りたいとき以外は利用していない。

見開きページ

これは、単一ページの2ページ版。2ページ横に並べて、page up/downで2ページずつ後退・進行する。

最近のパソコンは、ワイド画面である。特にVista自体がそれを推奨している感もあるので、今後ますますこの動きは加速するように思う。その場合に便利なのがこの表示形式。

私の感覚に合わないのが、1ページ目の表示。1/2ページを表示してくれればいいのに、なぜか右側に1ページ目だけが表示される。その結果、常に右が奇数ページ・左が偶数ページとなる。本を開く感覚を実現したかったのだとは思うが、表示領域の無駄。一番いっぱい表示される(何せファイルを開いたときは常に1ページ目)のに、そのときに画面の半分を無駄に使うという設定になっているのが理解できない。どこか設定をいじれば直るのであろうか。。。

まとめ

今回は、PDFファイルをパソコンで見て、読んで、メモを取るということについて、Acrobatをどう使うかについて記載した。
パソコンの解像度が許す環境にある人は、是非、画面で作業することをお薦めする。目には確実に悪いが、次回記載予定のPDFによるデータの集積の観点からは非常に効率的である。

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