2007-03-17

雪・その後

昨日降った雪。その後もえらいことになっております。

この冬、何度かNYで雪を経験しました。マンハッタンの雪の特徴は、積もっても強制的に溶かされることと、気温が低いのでびちゃびちゃしないことです。

マンハッタンはご存じの通り、人が集まる大都会。自然、人通りは雪によっても消えず、行政当局も車・人の流れを遮らないように雪が降ると雪対策をします。雪が珍しい東京の様に騒ぐわけでもなく、淡々と、機械と薬品を大量投入。

まずは機械でブオーっと雪を蹴散らす。日本も一緒なんでしょうが、当局が除雪機械をもっている地域に住んでいたことがないので新鮮。しかもいろんな大きさの機械をあちこちに投入。海外派遣の米軍のように物量投入。雪が一生懸命降っても、ディズニーランドでゴミをポイ捨てされたゴミのように、地上に落下するたびに、片っ端から係員(機械)に取りのけてられます。さすがに、毎年雪が降る大都会と感心・感心。

これと、相乗効果で使われるのが融雪剤。見た目は、あられ(食べるのではなく、雪と一緒に降ってくるの)かという感じですが、これを雪が降るか降らないかといううちから、地表にばらまく。ばらまく、ばらまく。融雪剤自体が積もるくらいばらまく。するとどうでしょう、氷点下なのに雪が見事に消えてなくなるのです。相当強力な薬なのだと思います。革靴でこの上を歩いた友人が靴が駄目になったといってましたから。僕はもちろん好奇心から素手でさわってみました(そんな人は見たことないのでお薦めしません)が、石灰みたいな感じ。これをコンクリートまで溶けよとばかりにばらまくのですから、氷点下なんか関係なく雪も蒸発(おそらく日光で)。水になることもなく消えちゃいます。

本当に温暖化には無関心のこの国。ヨーロッパと違いゴミの分別も基本なし、温暖化の議論は、ややもすると一部怪しい学者が唱える地球は平らだとの主張ばりの扱いです。昨年温暖化の影響で北極海で何千年かかかってできた氷が溶けおちて、北の方の幅広い地域で地震があったとのニュースがあったのですが、同日に冬の北極航路(カナダの北を通るやつですね)開拓っていって砕氷船が氷をばんばん砕いているのもニュースになっていました。まぁ、寒い寒いNYにいると、ちょっとは温暖化にもなってもらわないとと思いますが、商魂たくましいというか・・・今年夏時間が早くなったのも温暖化で暖かくなったからではないかと勘ぐってしまうほどです。

そんなアメリカが、除雪専門の物理兵器・化学兵器を物量投入するのですから、マイナス10度以下でしんしんと降る雪も一瞬で除去!気持ちいいですねぇ。残った雪も溶けるところまで気温が上がらないから、ぬかるまない。

除雪地域外の道ばたは、雪が残りますが、これが、排気ガスで灰色のパウダースノー。足でさくさく歩いても、けっ飛ばして歩いても、白いスニーカーが灰色に染まることはあっても、靴がびちょびちょにはならない。不思議な感覚。

この国で、雪は災害ではないです。

なんて狭い見聞をクラスの日本人に話していたら、それは大都市だけとのこと。

私のようなマンハッタン住まいは、車もなく電車・バス・タクシーで移動しています。ところが、同じ日本人でもお子さんがいらっしゃる方は半数くらいはニュージャージー出身。

ニュージャージー(NJ)というのは、NYのお隣(西に流れるハドソン川の向かい)にある農業国。NYのスーパーでは「新鮮NJ取れたて野菜!」等という売り文句で野菜を大量に売っています。税金はマンハッタンの半額。もちろん車社会。電車なんてってかんじです。家賃も広さあたりは安いのですが、一軒家(5部屋も6部屋もあるもの!)を借りている人も多く、総額はほぼ同じ。NJ在住の方に伺うと、子供付きの買い物とかは車がある方が便利とのこと。

そんなNJでは除雪もあまり行われず、つるつる滑りながら通学されているとか。そういえば雪ってそんなんだったなぁと他人事として聞いていました。

ところがどっこい、今回の雪は、結構ダメージ大。

まずは、降った量が多い。この冬最多かというくらい。季節外れのどか雪。そのため、同期で春休みを利用して旅行をした人は飛行機の欠航。春休み自動延期。うらやましいんだかなんだか。春休みにご家族がこられていたかたも帰国延期。こちらは家族団らんでいいのかもしれませんが。しかも、なにげにこの時期混んでいるらしく、翌日とかの便は皆さんとれていない。こちらでは春休み、日本人も卒業旅行なのかもしれませんね。

次に、もう今期用の薬を使い果たしたのか(計画性ないからなぁ)、はたまた公務員が自主的に(?)休みにしているのか(働かないんだ、これが)、今回の大事なときに投入される物量が甘い。今回は雪が何日も残ってます。そこで何が起きるか。

春スキーと一緒ですね。昼にゆきが溶けるのです。びちゃびちゃ。

マンハッタンに来た事がある方はご存じかもしれませんが、この町は古いです。しかも作りが適当。地震がなく、地盤が固い(マンハッタンは一枚岩とのこと)から適当な作りで高いビルを建てる。しかも昔の技術。そんなわけで、町中常にどこかで水漏れガス漏れ。管の破裂・煙の噴出なんて日常ちゃめしごと(茶飯事)。こんな町で、溶けた雪がうまく下水に流れるはずもない。交差点は水だらけ。靴は水浸し。

しかも、びっくりしたのは、ビルからの雪下ろしをすること。人が通れないようにテープしているところもあるのですが、そうでないところも、平気で高層ビルから、どーん、どーん。いい感じの重低音。狭くなっている歩道で、土日の観光客が見るから歩道も渋滞。

朝も我が家の雪下ろしの音で目覚めました(そのときは雪が落ちただけと思ってましたが、定期的な音だったのでおそらく雪下ろし)。ちなみにうちのビルは44階建て。直接したに人が通らなくても雪は飛び散ります。私も歩いている時に他のビルの雪下ろしのとばっちりを受けてしまった。

とはいうものの、今年最後の雪かと思うと名残惜しいような。
雪も十分味わったので、次は、いよいよ春ですかねぇ。

さて、花見はどうするか。

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