2008-04-10

ドラフト・開幕の注意 2 パブリックにおける戦略

パブリックリーグを例に具体的な検討を記録的に残します。


パブリックでやる場合、21選手保有します。全選手最終成績が100位以内なら通常優勝できます。よって、野球で成績を見る場合、重要なのは100という数字。ドラフトでも、100位以内の指名方針とそれ以後の指名方針に分けて考えることにしました。

1 100位以内 (先発を2,3名とり、後は野手)

要はOrank100以内ですね。ここは最低8名、できれば10名抑えたいところ。経験上、ここらへんで、あまりランクに逆らって指名するのは得策ではありませんので、ランクに従って指名。

指名すべき人は、先発2,3名、野手5名以上。個人的な好みは内野手の盗塁付きをここで抑えることというのは随所に書いているとおりです。ただ、絶対的な優位性はないと思います。Private leagueで、ポジションがカスタムされていれば、当然外野から埋めていくのもありでしょう。ただ、SV以外への影響力が小さい抑えは指名しない方が効率的であるように思います。

(1) 先発

先発は、確実にあたりを引けるなら2名でも大丈夫ですが、たいてい誰かはずれるので3名程度とりたいところ。ここでとる投手は、どんなに打たれても普通はFAに落としません。そういう意味で、投手Statsの基本を作る投手達。重視したいのはねらってとりにくい率系。奪三振率・ERA/WHIP等。WHIPと奪三振率が重要になると思うのですが、これを見る際にK/BBの比率を見るといいということを教わりました。確かに、イニングあたりの奪三振率(または試合あたりの)と、K/BBの比率というのをみておけば、被安打率というのはあまり見なくてもWHIPをとることができるように思われます。従って、まず奪三振率をみて、その後K/BBの比率を見るということでしょうか。5倍とかであれば、相当いいです。

なぜ、100位以内で先発というのにこだわるか、というのには理由があります。このくらいの投手であれば、自分が思い入れを持ってとった投手(個人的には経験を積んだ若手が一番。期待感のみというのはこの順位ではとりません)であれば、打たれても打たれても落とすことは考えないからです。

Fantasyをやっていくとわかるのですが、たいがい有力新人というのは常に出てきます。とすると、何が足かせになるのかというと、枠。そう、パブリックでは21名+DLの最大22名支配下におけるのですが、この21ないし22という制限がきつい。

常にadd/dropしていた方が強いというのは従前も書いたとおりですが、これをやるためには、捨てたくない選手と捨ててもいいかもという選手の区別がはっきりついていた方がいい。よくわからない中間層の選手ばかりだと、どうしてもadd/dropが鈍ります。

で、先発投手の場合、どのくらいの選手がdropしたくない選手かというのを考える必要があります。

基本的に毎日試合に出る野手、毎日登板の可能性がある中継ぎ・抑え投手と異なり、先発は5日に1回くらいしか登板しません。しかも間に試合がない日がある場合、5番手の先発はよく先発をとばされるということもあります。また、ちょっと体調がというので、先発を1回とばしたりもする。そうすると、平均して1ヶ月4-6回しか登板しないわけです。それ以外の24-26日は、この登板のために、何もしないのに枠を占拠することになります。この25日の無駄をさせてもいい投手はだれか、ということです。

先発は、各チーム5名としても150名います。パブリックでは、1200イニング投手用に与えられます。通常の分配であれば、中継ぎ・抑えで200-300必要になるので、残りは800-900。180-220イニング投げる先発で多くて5名です。とすると12チームで必要になるのは60名程度。残り90名はFAにいます。

先発1回の間にこの90名は全部投げるので、毎回この90名の誰よりも登板させたい人ってのだけ枠を与える価値があることになります。

しかも、もし、この90名のFA先発をadd/dropで使う場合枠は1日しか消費しません。一方ずっと保有する人は、5日分枠を使う。

とすると、完全にFA先発を上回る先発(FA先発90名のうち、その5日間の間で対戦相手、調子等を考えて一番投げさせたい投手よりも更に明らかに価値が高い、しかもシーズン通じて常に価値が高い先発)以外は、ドラフトで指名する価値はきわめて低いものになります。

これは、実際の肌感覚にもマッチします。上位の先発以外のトレード時の交換価値というのはきわめて低いです。この肌感覚の限界がパブリック、またはそれに近いフォームの場合、Orank100の様な気がしています。若干厳しいリーグで150でしょうか。無論参加する人の積極性、知識の程度とかにもよるんですけどね。

したがって、絶対捨てない先発という観点で、Rankをみて、先発を2,3名ここで選択したいところです。8巡-10巡のうち、2,3名ですからどこに配置するのか、連続してとるのか、などそこをドラフト戦略として考えるのがいいと思います。このように考えるとサンタナ・ピービといった今年のトップ投手というのもとる価値が出てきそうです。平均指名順位を考慮して選ぶことになります。

これらの投手は、野手よりもstatsに与える影響がおおきいので、心中してもいいというような好みの選手をとっておく方がいいように思います。

(2) 上位野手

野手は、安定感と、さらなる上昇を求めて、数年の経験がある若手を中心に選択します。昨年の成績がよく、今年さらに成長が期待できる人を優先的に選択するのが一番安心です。むろんこれだけでは選択しきれないので、他の人も選択するわけですが、昨年ブレイクして昨年がすごかったために昨年より落ちる可能性があると言われている若手については、月別成績をみて、どこまで落ちる可能性があるのかを確認し、復活が期待されるベテランについては、復活しない昨年の成績でもいいかということを確認するのがいいと思います。

たとえば、今年の場合、Braun, Tulowitzkiについては昨年後半が盗塁できていなかったので、盗塁がないかもしれないという前提で取りに行きましたし、Derrek Lee, Jeterについては、昨年の成績(または若干落ちる成績)でもいいかというのを自分に問いかけながら取りに行ったりしていました。

ここで不調選手を出すと相当つらいので、とにかく不調選手を出さないことが大切です。不調になりやすい種類の選手は、やはり打率の低い選手、大砲(振り回すからと思われます)、故障明けの選手、2年目のジンクスが想定される選手などがあるかと思います。

また、偏りのある選手、リスクの高い選手というのもできるだけ避ける傾向にあります。特に偏りでは、HR・打率の悪い選手は避けています。リスクの高い選手ということでは、トレードされた選手は避けるか相当ランク下でしかとりません。よくなる可能性もむろん高いのですが、悪くなる可能性もあり、上位は安定していてほしいというのとなかなか整合しないからです。

2 100位以後 (抑えと野手を交互にとる)

100位以後に選択する選手は、13-15名です。ここでは、抑えを積極的にとっていきます。その残りで野手、どうしてもとりたい先発ですね。先発はなくてもいいと思います。

(1) 抑え

Fantasy baseballにおいて、一番特殊な地位を与えられているのが抑えです。抑えは、チームにより戦略的に与えられる地位で、必ずしも能力があればいいというものでもありません。その意味では、フットボール・バスケットボールのレギュラーに近いイメージです。大リーグに30名しかいないため、積極的にプレーする人が多いリーグほどプレミヤがつきます。放置する人が多いリーグでは逆にだれでも一定数はとれます。

抑えは、Statsとの関係では、SV以外、先発の1/3程度の影響力しかないというのは前に書いたとおりで、そのために、「抑えであること」というのが価値の根源になります。どんなにいまいちな投手でも、確実に抑えであり続けるならば、それだけでものすごく価値があるのです。監督やチームの体質で意地でもクローザー固定し、使いまくる様なチームのクローザーは能力にかかわらず価値があります。これは前年のチームのセーブ機会に対するセーブ数、それの集中度合いなどから判断可能です。逆に優秀な中継ぎを調子に合わせて起用するというクローザーの役割をshareするような戦略のチームだと、結構つらい。また確定的なベテランクローザーでも優秀な若い競争相手(たいてセットアッパー)がいるチームも嫌ですね。いつ替えられるかわからないですから。

抑えは、パブリックの場合、5-6名はとりたいところです。後々の管理を楽にするためにも。これに失敗すると、抑え候補のセットアッパーをとることになりますが、彼らはSVなしで、かつ先発の1/3しか影響力がないのに枠を1つ占拠します。将来抑えになる確率×その際のセーブ数の現在価値(ま、利息はないのですが・・・)と、それまでの無駄な枠の投資が見合うかという比較をすることになり、判断が抑えに比べて格段に難しくなります。これを避けるためには、最初からクローザーを多くとるのが一番です。

やってみて思うのですが、後から指名できるからといって、優秀な中継ぎを指名して、2名で1名の先発とするのは、基本的に避けた方がいいのではないかと思います。やはり、2枠で1つの先発の価値というのは、相当組み合わせも限られますし、2名とも調子がずっといいことが前提となりますのでリスクも高いように思います。しかも枠の投資価値があるのか疑問です。今年の考え方の基本は、枠を何とか確保してadd/dropにより、更に利益を得ようというのが基本戦略ですので、なかなかそれと整合的に働きません。

具体的には、だいたい10-12巡目くらいから、例えば偶数指名を必ずクローザーにするなど自分にある程度縛りをかけておくのがいいのではないかと思います。何巡かまとめてとるより、全体のクローザー指名の進行度も見ることができますし、それ以外のポジションの選手について、有利な順位で指名することもできるようになります。

全体のクローザー指名については、積極的な参加者が多いリーグほど激しくなります。ただ、こういうリーグでは一般に先発の指名も進行が早く、結局下位のクローザーは100位以下となることが多いように思われます。先発投手については、上記のように100位以内か否かによって投資の価値は大きく異なると考えています。100位以下の先発をほとんど選択しないという戦略に出た場合、クローザーはここからでも十分な数を指名できる可能性が相当高いです。

100以下でクローザーを指名して、損をしたと感じたことはほとんどないので、どんどん指名していいと思います。若干人より早いかなと思っても指名していかないと数が稼げません。他の人の指名速度が速いリーグは、シーズン開始後もクローザーの価値が高いのが一般ですから、ランクと指名順位が離れるのは基本的に気にする必要がないと感じています。

むろん、後まで選択しない部門があるわけですから、リスクはあり、祭りの結果、相当な不利益をはらむ可能性はありますが、12チーム程度のドラフトで、ある程度真ん中の指名であれば、メンバーのメンツにかかわらず結構とれるリスクではないかと思います。

(2) 野手はベテランもとる(意見変更)

100位を超えた後の選手(特に野手)の取り方は2つあると思います。一つは期待の野手、もう一つはつぶしのきくベテラン。

100以内で野手を5名しかとっていない場合も、いずれにせよ野手の後半に相当します。抑えをとっていないとすれば、標準か標準よりちょっと優位の選択でこの段階まできているはずです。

この場合の後半半分ないし1/3の野手については、add/drop、複数トレードの追加駒とする可能性が高いと思います。ただ、若手が出てくる保証はない(一般的に出てこない年は天文学的な可能性でないと思いますが)ですし、トレードは全く成立しない可能性もあります。したがって、特にベテランを選択する場合は、最悪自分のところに残るかもしれないということは常に前提において、選択をすることになります。

とはいうものの、一番ほしいのは、大化けする若手。ただ、これはくじみたいなもので当たり外れがある。いくらオープン戦(spring training) の結果を追いかけたところで、シーズン本番とは若干方向性が違いますし、そもそもメジャーに残らない可能性も高い。当たる可能性は高くて30%くらいと思います。しかも当たっても、自分がそのポジションに求めるような選手になるかもわからない。

一方、ベテランというのは、このレベルのベテランを最後まで持っているようでは優勝の可能性は低くなってしまうというのがあり、自然、優勝のためにはいつか落とすこと・トレードすることが前提の選択となってしまいます。いつか落とすなら最初の宝くじを購入すべき(ベテランを避けよう)というのが従前の意見でしたが、今はちょっと違います。

というのも、期待の若手の大化けをねらって、そればかり購入した場合に、シーズン直後に頭角を現す新レギュラー、今年好調の選手をうまく捕まえられないという欠点がわかったからです。

急に出てくるHotな人(新人、復活組を問わず)をとるには、特に厳しいリーグでは、最初の1,2試合の活躍でとることが肝心です。その時点で、今年Hotな人「かもしれない」というのは判断がつくのです。そして、それは開幕直後に一番ラッシュが起こります。というわけで、開幕直後の1週間はまじめに選手を獲得する必要があります。特に野手。

一方、有力といわれていた選手が外れだった、または少なくともしばらくはないな、と結論づけるのには早くても1週間くらいかかります。1試合(4打席)打てなかったというのは当然あることで、これをもってだめと結論づけるのは当然できません。「おそらくだめ」との判断をするのには時間がかかるのです。

これは、要は中間の立証責任がどっちにあるのかということです。たとえば、野手について。2試合終わった時点で、3安打ずつしている人がFAにおり、両方とも無安打におわった期待の新人がいた場合、両方とも今年hot「かもしれない」となるのです。この時点で、前者は実績を残しており、後者は残していないのですが、自分でこの人は有力だと思った人を、2試合で切るというのは相当勇気をもってもなかなか現実的ではありません。

ましてや期待の先発3番手以降の若手なんて、登板もしていません。

これを切ることができないため、ドラフトに成功すればするほど、hotかもしれない人に気がつきつつも何もできないのです。ベテランであれば、能力が100%発揮されても目標とする成績に達しないことは最初からわかっているので、最初が超hotでないことがわかった瞬間に切れます。

開幕直後にhotな人を知りつつも指名できないといった事態を避けるという意味と、トレードの持ち駒とするという意味で、ベテランを100位以降でとる価値というのが出てくるのです。やはり何でも一つに偏らず、まんべんなく投資することが大事は大事ということでしょう。でも、まぁ、原則的に多くは必要ないんですけどね。あくまで後半野手5名のうちを有力新人5名とせずに、半々にする感じです。

期待の新人は自分の好きな人を選ぶとして、ベテランの選び方について考えてみました。

(3) ベテラン野手はどう選ぶ?

このランクのベテラン野手というのは、一般的に従前から何度も言っている80R, 20HR, 80RBI, 10SB, .280という基準の全てを満たす人は少ないです。大概、何か欠けるかわりにどこかが多少なりとも強かったりします。

① 基本は本塁打を打てるベテランをとる

ベテランの強みはレギュラーを最初に持っていることです。打順も与えられている。これが特徴です。このときに、何を重視してベテランをとるか。

結論は基本的に本塁打・クリーンナップであることです。

一般にファンタジーで重視される本塁打・盗塁ですが、ベテランはふつう走れないので、SBは無視でいいと思います。また、add/dropまたはトレードの対象なので、長期保有を前提とする打率にはあまりこだわらなくてよく、また、クリーンナップであれば、打点、得点はある程度ついてきますからそこまで深刻に考える必要もありません。ここはHRを取りに行くといいと思います。特にHR30本以上。HR/SBが短期の好調で一番影響します。ランクも如実にHR/SBが影響します。したがって、長打力のあるベテランが開幕時にたまたま絶好調であれば、それだけでずいぶんと高い値段がつきます。たとえば2:3のトレードの3人目にするにはうってつけとなるわけですね。

HRが出る打者(特に昨年度30本以上)は、トレードの時に単体でももらい手が出ます。一番いいのは強豪チームのクリーンナップですが、それがない場合、弱小チームのクリーンナップ、中堅チームで打順を動かす監督のチームでクリーンナップ以外なども考慮の対象になると思います。ドラフトを見てみるとわかりますが、超弱小チームの4番というのは通常ドラフトの対象外になるので、こういう種類の選手というくくりであれば、比較的容易に指名することができます。打率はなくとも多少のHR(昨年か一昨年かで30本塁打近く)というのはあります。

② 盗塁のできる内野(例外)

例外的に2塁やショートで盗塁がほしいときがあります。こういった選手は、自らの盗塁を確保するために基本的にはadd/dropやトレードの対象ではない選手。従って、率と盗塁を求めるといいかと思います。

こういった選手は、通常クリーンナップではないので、心配なのは打点や得点です。特にDHがないチームの場合。

基本的にDHのある強打線チームであればそれほど心配する必要がなく、DHのあるチーム、弱小打線であれば相当心配する必要があります。打順は1番を打つか8番を打つかというのはそのときの調子で変わったりするので、クリーンナップではないというくくりで見ておけば十分かと思います。いずれにせよDHがない場合、Pが得点・打点の量に影響しちゃいますね。これがどの程度影響するのか、前年の数値で検討する必要があるのです。

(3) 先発はとらなくて大丈夫か?

確かにOrank 100位台(100-200)で大活躍する若手というのは毎年います。ただ、これをねらうのは宝くじを買うようなもの。どんなに期待の若手で最終的によくなっても春先悪いとか、その年悪い可能性というのは捨てきれません。その場合に、その若手に枠を残す価値があるかと言えば、正直疑問です。また、開幕から好調な人をとるというのは戦略として重要です(このゲームは上に立った方が楽にことがすすみますから、最初に上に行くことはとても重要です)が、先発3-5番手の有力若手というのは開幕から相当しないと登板すらしない(調子がいいとも悪いともわからない)という問題があります。

とすると、ここで先発をとるのは、とても捨てない選手を指名しているとはいえないのではないか、というのが今年の結論です。

むしろ、先発はだいたい1ヶ月くらい調子が持続する傾向にあるので、1回目の先発でよかった投手の中から2回目の先発の時にほしい人間を1,2名追加する位でいいと思います。

もし、それがOrank 100位台の選手であれば、クローザーを一人出して、とっちゃってもいいかもしれません。大概、よほどでない限り、好投している有力若手投手でもクローザー1名出せば買えます。よって、有力新人を宝くじで買うより通貨となるクローザーを指名し、先発は安く買えばいいのだと思います。

どうしてもとりたければ、最後あたりにけがからの復帰がまたれる有力先発を指名してみるというのもいいかもしれません。今年で言えば、Rich Harden, ランディジョンソンなどでしょうか。

たとえば、モックドラフトなどの結果ではこれではいいドラフト結果だと評価されませんが、add/dropを前提とする限り、この方が動きやすいです。

なお、抑え候補の有力セットアッパーは場所だけとるので、意地でもクローザーを指名し、抑える方がいいと思います。

(4) 複数ポジション選手

このランク付近でチーム構成上のその選手だけというような特徴を持つ選手は、内野の複数ポジションの選手、1,3塁でHR/SBの両方があるような成長を期待できる選手となると思います。

前者は、Yunel Escobar, 後者はAlex Gordonなどでしょうか。

ドラフトの反省はこれくらいにして、ドラフト後、開幕まで、開幕直後に何ができるかを次にメモ的に残します。


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