08ドラフト7 率の不思議(2)打率はスポットで取れない
打率についていうと、ドラフト上位者で今後の方向性を固め、下位者には厳しく打率を求めないというのがいいのではないでしょうか。
ちょっと、打率、打点(得点も一緒と考えていただいて結構です)、HR、盗塁について、こいつ今日活躍するぞと思ってスポット的に使った人が活躍した場合のインパクトについて考えてみましょう。
例: チームの目標値として、5000AB、打率280(1400安打)、800打点、200HR、120SBというのを立てていたとします。
Xさんが、1試合で4打数3安打であった場合、2打点あげた場合、1本塁打打った場合、1盗塁した場合、というそれぞれ大活躍といえる活躍をした場合のインパクトを考えてみます。
打率の場合
各打者1試合3.3-4くらい打席数を消化することが予定されているので、ここは簡単にするために4打席消化するものと仮定しましょう。4打席で280が期待されているとすると、1試合あたり、1.1本ヒットが出ることが予定されています。
ここで、3本打つとすると、272%の活躍です。また、全体で、1400安打必要となるので、全体に対する影響力としては、0.214%です。なお、4打席予定されているとしながら、3打数2安打とすると、5000ABへのインパクト、また、試合数を消費してしまうことのインパクトなどを考えないといけないのですが、ここは、期待値が1試合4打席で実際の消費もそのとおりなので、単に安打の比較で足りると思います(算数のことで、自信はないです)。
打点の場合
打点の期待値は一人80打点なので、1試合あたりでは0.5打点が予定されています。よって、400%の活躍。全体への影響力は0.250%。
HRの場合
HRの期待値は一人20本塁打なので、1試合あたりでは0.12HRが予定されています。よって、1本塁打は810%の活躍。全体への影響力は0.5%。
盗塁の場合
盗塁は、一人12盗塁なので、1試合あたりでは0.07盗塁が予定されています。よって、1盗塁は、1350%の活躍、全体への影響力は0.8%。
表にすると以下のとおり
Xの活躍 | 1試合の活躍ぶり | 全体への影響力 |
4打数3安打 | 272% | 0.214% |
1打点 | 400% | 0.250% |
1本塁打 | 810% | 0.5% |
1盗塁 | 1350% | 0.8% |
Xの活躍としては、正直試合では4打数3安打が一番大きい活躍のように感じられるのですが、期待値からの乖離、全体への影響力というのを考えると、ファンタジー的にはこれが一番小さな活躍となります。
全体へのインパクトでいうと、盗塁というのはやる時期というのは1週間に8個くらいやったりします(去年松井 稼頭央が怪我から戻ったときがこんな感じでした)。これで、2,3個稼ぐのは容易で、何度かばくちをすれば全体の10%くらいをこの方式で稼ぐことは十分に可能です。なんせばくちに12回くらい勝てばよく、また、松井みたいに確変モードであれば、1つ勝つだけで全体へのインパクトで5%くらい稼げちゃったりしますから。
一方、打率は難しい。4打数3安打は1盗塁に比べてそもそも難易度が高い。FAで落ちている選手は、主軸でなかったり、代打を送られたりと、4打席稼ぐ可能性も低く、また、3安打打つ実力もないことがほとんど。にも、かかわらず全体への影響力はとても小さく、活躍ぶりの幅というのもとても小さいです。10-20盗塁をばくちで上乗せするのは可能ですが、これに相当する打率分をばくちで稼ぐのは不可能に近いです。
心理的効果・実際の選手の評価と貢献度の乖離
こういった活躍する瞬間を捉えられる選手というのは、マネージャー(ファンタジープレーヤー)にとって結構思いいれのある選手ということになります。FAに落ちているにもかかわらず、最近の成績や、何らかの情報、カンにより、こいついけるっとおもって取り上げるわけですから。こういった選手が最初の1試合で上記のような活躍をした場合、継続して使いたくなります。次の試合全く活躍をしなくても、まぁ、2試合で結論をつけるわけにも行かないだろうという具合にずるずると。
この場合、最初の試合の活躍が、何試合で白紙に戻るのか冷静に考える必要があります。上の表の1試合の活躍ぶりを見てもらえばわかるのですが、4打数3安打は3試合目。すなわち、2試合無安打が続いただけで、効果は帳消しです。一方、盗塁は13試合。月の半分くらい、1個盗塁をしてもらったし、と思っていいことになります。
これは実際の野球選手を見る目とは乖離があるのです。3安打の固めうちをした選手(しかもスポットで使うということはその前もちょっといい感じで打っているのでしょう)を2試合無安打だったからって、元の控え、どうでもいい選手扱いできるかというと、実際の監督も、ファンタジープレーヤーも出来ないわけです。
別の言葉で言うと、1週間に4打数3安打の猛打賞を2回し、あとさっぱりだったというのがファンタジー的には、単なる平均値で稼げていないという評価を出来るか、それは難しいです。こんなに打てる選手の将来にかけたくなりますから。また、打率というのは、270で低い打者、300で高い打者と判断されることになりますが、週7試合、1試合4ABとしても、期待安打は、それぞれ7.6本と8.4本。四捨五入の結果は一緒であり、1週間くらい見ただけでは率を稼げる打者か数字からは判別できません。その結果、打っているぞという判断でとることになり、打率を稼げる打者かという判断はそこには入らないことになります。マイナーまで詳しく調べて判断するというのもありますが、完全にはわからないこと、日本に帰ってそこまで時間をかけるとも思えないことから、一般人のプレースタイルとしては無理があります。
一方、盗塁については、3試合連続1盗塁し、最後の1盗塁をばくちであてたとした場合に、その後1週間(通常こういった選手の評価をするのに半月も待ちません)も盗塁しなければやはり、こいつからはスポットで盗塁は稼げないなという評価となります。
この心理的・主観的(実際に選手を見る目としては正しいと思います)な選手の評価と、ファンタジーの数字に対するインパクトの乖離というのは、結構大きいものがあります。前者が客観的に見て正しいとおもわれ、今後活躍する選手というみかたからは、前者の見解を取るべきです。したがって、ファンタジー的にみても、この数字だけ見て後者の考えをとれというのは無理があります。
したがって、シーズン中に率へのインパクトのある選手をスポットで起用するというのはよほどの精神力のあるギャンブラーでなければ、やめたほうがいいと思います。
というわけで、率を稼ぐ選手はドラフトであらかじめ固定する選手としてとりましょうという話になります。無論、完全にレギュラーとなって、率を稼いでくれる選手を発掘する自信があればいいのですが、上記のように短期間の活躍から計算するのは難しい。よってこれは当てにするのはやめたほうが無難ということです。
ただ、率系をドラフト(上位です、後述しますが)で確保する必要性はバスケに比べると低い。それは各レギュラー選手のABがそんなに違わないからです。最強チームの1番がファーボールを選ばない場合で690くらいでしょうか、最弱チームの9番打者でファーボール選びまくりで400くらい。倍まではいきません。バスケの場合、シュート(FG)、フリースロー(FT)を打つ回数が選手により極端に違う。FTなんて10倍くらい。
したがって、野球を適宜遊ぶということであれば、単に極端に率の悪い選手を避けるというだけで十分ともいえ、現にこれで遊んでいた去年、特に不都合を感じませんでした。やはりバスケの痛い経験(どうにも痛すぎる。バスケの初心者にまず教えるべきことは、Cを上位で確保することと、率を上位で肥大化させておくことなのに、あまりどこにも書いていないし、教えてもらえなかった。)と留学のローエコこの2つの経験があればこそ、考えるようにもなったのだと思います。いずれも大切な経験です。
なお、機会があれば別項を立てますが、スポットで稼ぐとしたら(実際勝つためにはすべきです)、盗塁と本塁打という、「あたり」効果の高いところの両方で最近活躍している人をとって使ってあげるべきということになります。盗塁だけだと、前に盗塁の稿で検討したとおり、打点・得点・率というその他の要素が弱くなりすぎるので、盗塁と本塁打の両方が出始めた野手というのは率は無視して調子でとるということになろうかと思います。
最後に、この一連のシリーズではあまり取り上げませんが、参考までにH2Hにおける率について。H2Hでは、逆に1週間の結果が求められるので、スポット理論からすると、無視できるような気もしています。現に昨年3割打者2名の不振でプレーオフで負けそうになったチームがあります。ただ、プレーオフに行くという観点からすると、ある程度の打率は有ったほうがいいような気もしており、整理のつかないところです。いずれにせよ、運の要素が高く、H2Hで毎度優勝と行くためには、先発投手を大量に回転させるという例の下品なやり方によるしかないのかもしれません。。。。ここら辺は未整理です。
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