2008-02-27

08ドラフト6 率の不思議(1)数遊び

率系のパラメータはあがったり下がったりするが、基本的な仕組みをどう理解すればいいのか、というのは初心者にはとっつきにくかったりします。ひとつのやり方は無視なんですが、今年はちょっと考えてみました。

知恵がついたのか??

だとしたら、ロースクールのローエコの授業の解説のおかげですね。留学した甲斐もあるというもの(笑)。


Yahoo!ファンタジーのパブリックにおいて、野球はバスケット・ホッケーよりも率をあまり真剣に検討しなくてもプレーできます。野手は打率しかなく、投手もERA/WHIPの2つしかなく、いずれも大差がつかないからです。したがって、野手は盗塁と本塁打、投手は三振奪取率とセーブに気をつけていれば通常のパブリックリーグでは勝つことが出来ます。これらが一番キーとなってくる数字であることは間違いありませんから。

ただ、バスケットでちょっと率について相当悔しい思いをしたので、率について考えてみる機会がありました。思い返してみると、昨年も野球のRotisserieでいいと思っていたチームが気がついたら3位に沈んだことがあるのですが、そのときもERA/WHIPがリーグ最下位だったのです。

というわけで、今年は2年目の課題で率についても考慮してみることにしました。

ここでは問題を簡単にするために、打率に絞って話を展開してみたいと思います。基本的にはERA/WHIPも同じかと。

打率は上下する??

その昔、イチローが200本安打と首位打者で騒がれていた当時、目標打率について聞かれたときに、率は上下するので目標とせず、つみあがる安打を目標としたいという話をしており、200本を目標にしているという話をしていました。

確かに、見かけ上、率ってのは上下するんですね。初日3打数3安打なら10割、翌日3打数0安打なら、合計.500と。だから、上がり下がりの激しいものを追い続けると精神的にきついから、無視するという話だと思います。

でも、これって正しい考え方でしょうか?

ファンタジーで率が部門になっている以上、ここでも平均以上稼ぎたいところです。そのときに、それを目標とするなといわれても・・・・と、ファンタジープレイヤーなら思うところです。

じゃ、表面的に存在する率ではなく、その奥の、もう少し追いやすい数字に変換してそれを追い求めればどうか、というのが、ここでの試みです。

分母の重み

1打数1安打も100打数100安打も10割と表示されるのが率の特徴です。無論、その価値は大きく違い、前者は、単に最初の1回がヒットだったというだけなのに対して、後者は、空前絶後、未来永劫破られることのない超超大記録です。

率の問題点は、重ねる重みが全く反映されないことです。

卑近なお金の例で考えてみます。たんす預金100万円は何年しても利息0円です。1年でも0円、3年でも0円。1%(単利)の利率がつく銀行に1年預ければ1万円の利息が、3年預ければ3万円の利息がつきます。たんす預金との差は1年で1万円、3年で3万円。同じ1%でも1年と3年では3倍の重みがあるということですね。

率は常に分母となっている重みと一緒に考える必要があります。

うる覚えの数学用語(笑)で言うと率は角度(ベクトル)積分計算が必要となる感じでしょうか?ま、そんな立派なものじゃないことだけは間違いないですね。

想定利率との関係(加重平均)

ただ、想定される率というのがある場合、それ以下だとむしろ何もしないでくれーということになる点が、ファンタジーの世界における率のもうひとつの特徴。

チーム打率が.280である場合に、.300打てる打者にはどんどん打ってもらいたいわけです。一方、.260しか打てない打者は、打席が少ないことを(打率との関係では)望んでしまいます。他のパラメータとの関係では出てもらいたいんですけどね。

これを示す簡単な数字遊びです。

8人で4000打席(AB)、打率(ERA).300のチームAと、AB4000、ERA.280のチームBが、あと2名選手を足すとします(実際のYahoo!のデフォルトは野手9名なのですが、数字が楽なので、10名を前提に書いています。というか後で間違いに気がついたのですが、書き直すのがめんどくさい・・・)。「9人目」のプレーヤーとしては以下のどの選手を選ぶのが一番効率的か?効果的な順に並べてみましょう。

a. AB400, ERA.310
b. AB200, ERA.310
c. AB400, ERA.290
d. AB200, ERA.290

チームAのERAは300なので、300より上ならば、打席数が多いほうが良く、300より下ならば打席数が少ないほうがいいことになります。チームBの場合、同様にERA280で考える。

よって、この理屈から純粋計算上は、以下のとおりになります。0は足さない状態。
チームA:a>b>0>d>c
チームB:a>b>c>d>0

どうやって計算するかというと、単純な算数ですが、例えばチームAにaを足すとすると、(.300*4000+.310*400)/(4000+400)と加重平均してやるわけです。それを並べたのが上記。

c, d はチームによって足したほうがよかったり足さなかったほうがよかったりするほか、重宝される順位まで違ってきます。チーム成績がいい場合には、打席数が少なくても極端に打率がいい人が重宝され、そうでもない場合は、打席数が多いほうが重宝されます。

これは非常に重要。チームにより当該選手の重要度が異なるため、この点だけからしても概念的には率をランクにするというのは不能。所与の想定値を勝手に決めちゃうことでかろうじて加重平均ができるようになります。ま、ある程度のところで、「えいやっ」とやってくれているなら、ランキングはつかいやすくなるんですけどね。

損して得をとる(分母の肥大化=安定化)

でも、率の不思議はこれだけにとどまりません。上記設例は「9人目」を選ぶという選択になっています。なぜ最後の一人ではなく、9人目にしたのかということです。それは10人目によってチームAの結果(cとd)が変わりえるからです。

例:10人目に以下の2名(特徴を持たせるべく相当極端な数字を持ってきています)が待っているとしたら、チームAは9人目にcとdのいずれを選ぶべきか(a, bはいないものとする)。

I. AB400 ERA400
II. AB400 ERA200

Iが待っている場合、全体の平均よりいいので、9人目までの分母が小さいほうがいい。よって、0>d>c。
IIが待っている場合、全体の平均より悪いので、9人目までの分母は大きいほうがいい。よって、9人目段階では0>d>cだが、10人目を考え合わせると、0>c>dとなる。

要は、分母を大きくすることにより、極端に悪いのに接しても全体の影響を抑えるということですね。少数精鋭より清濁併せ呑んで巨大化しておくと、瞬間的な最悪状況の影響を受けにくい。肥大化理論、コングロマリット理論とか、連環の計とかって呼ぶことも可能かもしれません。

ここは、実は大きなポイント。多少全体平均を下げても早く見通しを立てることが大事。最後で回復を狙わないというのが率の基本的な扱い方になります。

率はどのファンタジーのどの分野でも、率系以外も優れていて、かつ率もいいプレーヤーが後から加わることはまれなので、ドラフトでは、むしろ肥大化理論が生きてきます。最初に想定利率への流れを決めるようなプレーヤー(打率でいえば3割超の打者)を多数取るということです。

この2ポイントがある限り、当該打者の打率の重要性というのは直線状のランキングにすることはほぼ不能です。もちろんイチローのように打席数もやたら多く(ファーボール選ばない)、打率もやたらいい人は、間違いなく1番候補ですが、そんなわかりきったところではなく、ランキングに頼りたい真ん中あたりの完全なランキングを作ることは、昨年の成績に基づくランキングですら不能であるということです。

というわけで、必然的に「えいやっ」が存在する世界ということですね。

結論

以上を式っぽいものにしておきます。所詮文系の人間ですので、おそらくどこかに穴はあるんでしょうが。

方針1(加重平均):チーム打席数ABT、チーム打率ET、新規加入者xの打席数(分母)ABx、xの打率(分子)Exとした場合の、xの価値Xは、以下のようにあらわされます。

X=(Ex-ET)*ABx/(ABT+ABx)

これは上の説明に基づいた式ですが、実際は次のように考えるのが実践的かもしれません。内容は一緒なんですけどね。チーム一人当たりの平均打席数ABp、平均打率Ep(ETと一緒の値になるはずです)とすると、

X=(Ex-Ep)*ABx/ABp

グラフにと思ったのですが、T系・p系を所与としても変数が2つになるので、3次元のグラフになりそうで、頭の限界突破です(笑)。エクセルで価値を自動的に計算させるくらいが関の山ですね。

方針2(肥大化):2名のプレーヤーx1, x2がいた場合、

もし ET≒Ex1≒Ex2がいえるならば、ABx1とABx2を比べて大きなほうをとる。

トレードのときにエクセルで計算してやるといいかもしれません。

ファンタジーとの関係では、バスケのときに、肥大化理論でドラフトをして、加重平均でトレードを考えるといいかもしれません。なんせ現状のYahoo!バスケの総合点は加重平均しているものの、選手個人のランクは表面の率のみを問題としているようですので、ランクだけでみるプレーヤに対しては、ここでスプレッドをとることが可能となります(同じランクでも実際の価値が違う)。野球の野手は実はほとんど表面利率だけでいいんですけどね。。。。また後ほど書きます。一度に書くと長くなりすぎるので。


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