2007-08-07

バージニア小旅行

先週末にVirginiaへ1泊2日の小旅行に行ってきました



研修所時代のクラスメイトがヴァージニア大学のLLMに行っていたのですが、今度ロンドンで2年目の研修をするためもうすぐアメリカを発つと言っていたので、ではその前にということで、急遽バージニアを訪れることにしました。そんなわけでお互い暇なのになぜか土日一泊旅行。

1 行きの飛行機

1泊2日と言うことで、飛行機は行きは朝NY発、帰りは夜NY着とする便を選ぶ。でも予算の制約もあり、University of Virginia (UVA)があるCharlottesville (シャーロッツビル)ではなく、近郊のRichmond 行きを選ぶ。そこまで車で迎えに来てもらう皮算用。

ラガーディア8時40分発の飛行機ということで、余裕を持って7時20分頃到着。なぜか大混雑。セルフチェックインというのをやって見るも、なぜかカードをうまく読み込まない。仕方がないので長蛇の列のfull serviceにならぶ。

この列は、相当長く、あまり進んでいない。アメリカ人はレジとか受付で必ず挨拶+αのchatをするのに加え、作業がアジア人(日本・香港・シンガポールは早かったです)に比べて遅い場合があるので、通常長蛇の列は相当痛い目に遭う。この日もそうだった。

覚悟を決めて長蛇の列に並んだのはいいが一向に進まないので、小説を取り出す。英語の勉強をかねて、英語の小説を読み出したのだがこれが進まない。しかも荷物を引きずりながら、小説と電子辞書の両方を立って使っているので指がつりそう。まぁ、それはさておき、小説を読む。楽しんで読んでいる間に、自分の番が来る。ふと時計を見ると、出発5分前!!

あわててカウンターでわめくも、もう出発不能とのお答え。5分遅い(10分前までいけるそうな)。そんなぁーーー。

まぁ、でもこういう目に遭う人は、人生において何度かこういったことを経験している。私は日本でも、ペルー(!)でもこういった経験はある。たいがい代替機の話となり、無料でチケットを得られるかは交渉次第となる。

とりあえず、今回も代替機の交渉になるかと思い、ここからは、若干切れ気味姿勢。本当は「がーん、またやっちまったぁ」って感じなんですが、それを出すわけにも行きませんもんね。

並んでいる間、出発間近の便の人を呼びにくる人もおり、出発間近の人は優先的に処理されいました(ここら辺は日本と同じ)。ところが、私が気がつかなかったのか、私の番が間近になったときには、その呼び出しのお兄ちゃんがいなくなっていた。

とりあえず、いない人は反論しないので、この人が呼び出さなかった、ずっと1時間30分(サバで許される範囲でしょう)も待っていたのに、何を考えているのだと詰問してみる。

すると出てきました。代替機の話。JFKから昼の1時30分に出る便が一番近いとのこと。いやいや、1泊2日の旅行なんですがって話です。しかも、どうせJFKまでの移動賃くれないんでしょう?って内心思う。

ここで、他の航空会社の便を手配しろということも考えたのですが、よっぽどでないと有料の結論となる議論になってしまう可能性が高いと判断し、近郊の別空港行きがあるかを尋ねました。

すると、Washington DC行きの便なら午前中ラガーディア発のものがあるとのこと。これだと、Richmondへの予定到着時間の1時間後にDCにつく。とりあえず、CharlottesvilleからDCまで片道2時間のお出迎えが可能か友人に電話するも、つながらない。

地球の歩き方を見ると、RichmondからDCまでは1時間弱のドライブ。もし友人が家を出ていて、空港に着くまで携帯を見なかったとしても、何とか予定時間につく。

運転距離は長いが、もともと土日べったり僕のためにあけているはず(笑)なので、その間は、僕が指示するところにきてくれるでしょうと勝手に判断。DC行きの便を手配してもらう。

むろん、無駄の多い飛行場の作業、再度、別ターミナルでチェックインが必要です。とりあえず、迷子にならないように別ターミナルへの生き方(無料シャトルバス、降りる駅)を聞いて、バーイ。いつもこのdirectionというのは、わかるようなわからないような。とりあえず、シャトルバスに乗って人に聞くかと向かってみる。

バス停はすぐにわかった。シャトルバスは、巡回の方向が異なる2便あるので間違えないようにして乗る。なかで親切そうな人がいたので、どこで降りるといいか聞いてみる。Chat好きのアメリカ人のいいところは、こういったときにみんなしてどうしたどうしたと手を貸してくれるところ。NYはこういった雰囲気がほかの地域に比べて少ないですが、それでも日本の何倍も暖かい。レジ待ちとどっちがいいかと聞かれると・・・・わかりません。毎日のレジ待ちはむかつくが、本当に困ったときに親切にされるのもありがたい。いいところばかりはとれないと言うことでしょう。

そんなこんなで、無事到着。今度はシャトル便だったので、えらくシャビーな別建物。むろん1階建て。人の列もほとんどなく、すぐにチェックイン。一つ前の便の離陸5分前だったので一応前の便への変更が可能か交渉するも、それは無理ってもんです。しかたがないので、ターミナルでのんびり待ち続けます。

その間に友人に連絡したところ、今起きたとのこと。別方向への出発は杞憂だったようです。

で、飛行機は、結局30分遅れで11時出発。起きて6時間近くNYから出られなかったことになります。NYもでかいですね。

2 DCでのお食事 (Jaleo)

DCについて、30分くらい待つと友人登場。二人してまずは腹ごしらえとばかりに、食事に繰り出す。連れて行かれたのは、DCのダウンタウン、Jaleo(ハレオ)というスペイン料理店。中華街のチャイナタウンゲートが見える7th Stを南下した、FBIのほど近くにあります。地球の歩き方(05-06)p286にもありました。昼時間だったので、人もたくさんおり、活気がありました。料理もおいしく、サングリアもいただきました。

リンクは下記
http://www.jaleo.com/bethesda.htm


3 DCの航空宇宙博物館(新館)

さて、食事後に向かったのは、The Steven F. Udvar-Hazy Center (航空宇宙博物館の新館)。ダレス国際空港に併設してあります。飛行機とスペースシャトルが大量に展示されており、車があるとかダレス空港を使用すると言うことであれば、行く価値ありです。ただ、時間がなければDCダウンタウンにある本館だけでもいいかも。

今回、衝撃的だったのはなんと言っても特攻機。滑空機だったとは。明らかに自分では飛び立てない。氷の上を滑っているときのペンギンをご想像ください(写真乗せろよって感じですね。あるんですが、のせません(笑))。説明書きによれば、別の飛行機で運んでもらって、戦艦のそばで発射されるらしいです。形も、まさに同館に展示の大陸弾道ミサイル・中近距離ミサイルのCPUの代わりに、人を乗せた感じ。違うのは、ライフルの上についている丸い同心円状の蜘蛛の巣みたいなの(名前がわかりません・・・)がついていて、それで目視して特攻したみたいです。ほんと、弾です。

以前どこかで回天(潜水艦の特攻機)をみて逃げ様のなさに驚いたが、特攻機も一緒だったんですね。なぜか、零戦の廉価版木造機で突入していたのかと思っていました。ドラマ、映画の印象かもしれません。しかし、この形は、結構きっついですなぁ。

あとは、スペースシャトル。以前に何度かフロリダで見たことがあったのですが、ほかの飛行機と一緒に見るとその大きさに改めてびっくりでした。単体でさらに大きなロケットのそばで見るとそんなに大きな感じじゃないんですよね。フロリダに行くまでもジャンボジェットに乗ってますし。ただ、戦闘機との比較で言うと明らかにでかい。別次元。すごいもんです。表面のタイルも異様。

宇宙開発初期のいろいろな器具や、アマチュア人工衛星もありましたが、うーん、おもちゃ(笑)。100円ショップで売っている部品みたいなので作っているのがあるかと思いきや、小学生の夏の工作みたいな意味不明の形の人工衛星がいっぱいあったり。。。B29とかすでにばりばり動くものを作っていた技術者は、隣でまだ動かないおもちゃの原型を作っている宇宙班(むろん、実際に隣かは知りません)をどんな目で見ていたんでしょうねぇ。夢があると見ていたんでしょうか。

4 シェナンドー国立公園(Shenandoah National Park)

食事後向かったのは、シェナンドー国立公園。車っていいですね。山が青く見えるというのが売りだそうな。六甲山も青く見えましたので、何処が違うのかは不明。日本の本州の山と違って落葉原生林。

動物にも出会うというので、何に出会うかなと思っていたところ、出ました。鹿とあれ。あるーひってやつ。一気ではなく熊。

案内してくれた彼曰く、鹿は毎回見るそうですが、熊は十何回きていて2度目だそうな。

熊に会ったら死んだふりをしろと言われて育った我々、何をしたかというと、

車を止めてカメラ抱えて猛ダッシュ。

命なんざ顧みている暇はありません。熊はというと、気づかないふり。熊の世界にも人にあったときの対処法が秘伝として伝わっているのかもしれません。

というわけで、このブログ初写真は、ぶれた熊!!わかるかなぁ。

 


リンクは以下。

http://www.nps.gov/shen/


5 ご自宅訪問

その後、シャーロッツビルに到着。先にチェックインをということで、指定されて予約していたholiday innへ。

はい、無論、ハプニングなしでは泊まれません。友人宅のholiday innに行ったところ、予約が入っていません。あらら。

何事かと思い、聞いてみると、holiday inn違いとのこと。この町、小さいのに2つholiday innあります。仕方なく車で再度移動。だんだん暗くなってくる中でも、じもてぃと一緒だと安心安心。

というわけで、この町でホリデイインを予約する場合はご注意を。宿自体は快適で、ネットもただでした。入りませんでしたが、プールもついていましたし。お値段はダブルで税込み100ドルちょい。まぁ、格的にこんなもんでしょう。

そのご、友人宅にて飲み会。奥さんの手料理をいただきました。和食で品数も豊富でした。奥さんには、勝手に食事とか作らないイメージを持っていたのですが、すいませんって感じのおいしい料理と、おいしいケーキが出てきました。久々に彼と奥さんと夜遅くまでだべってました。

6 モンティチェロ(Monticello)

翌日まず向かったのは、シャーロッツビルにきてここを見学せずに何処を?ってかんじのモンティチェロ。来るまで知らなかったんですがね。

わかりやすく言うと5セント硬貨の裏側(?)の頭のまーるい建物。(ここも写真のせろってかんじですね~)

ヴァージニアで一番有名な人物は、独立宣言起草者であり、ヴァージニア憲法起草者であり、ヴァージニア大学設立者である、第3代大統領 トーマス・ジェファーソン (Thomas Jefferson)。独立宣言を書いた大統領として人気があるそうな。ちなみに、第3代より前の3つの枕詞は、彼自身の遺言により墓に刻まれた功績です(大統領はない)。ってこう書くと、偉そうですが、本当に偉いんです(笑)。えらすぎて書くことが多くなりがちなのを残された人が頭を悩ませないように削ったってかんじです。

彼は外交官、建築家、弁護士、科学者、発明家などいろいろな顔を持ち、語学も7カ国語できたそうです。ちなみに、7カ国語はどの程度かわかりません。わかっているのは、ガイドの説明にはold Englishってのも入っていたことと、スペイン語の学習にはドンキホーテを読んだこと。えー、俺らはもっと英語の本読んでいるけど英語怪しいぞっておもいました。

ただ、実際に不自由がなかったのかもしれません。というのは、彼は建築は16世紀からの建築書を読むことで、独学で身につけたそうですが、当時の建築書にどの程度絵が会ったのか知りませんが、ガイドにもメニューにも絵や写真を使わない欧米、あまりなかったんじゃないでしょうか。それだけで、実際に建物を造ってしまうのはすごいとしか言いようがありません。1を聞いて10を知るとはこのことでしょうか。大学で座学を学んだだけでは、契約書を書けないし、ディールができないと考えてしまう我々・100を聞いて10を知る一般人とは大違いだなぁと2人で感心しきり。だって実際建築していくと詰めなきゃいけない箇所は山ほどあると思うんですよね。いくら本を集めても。でも、できる人はできるんでしょうな。ちなみに独立宣言を書いたのは33歳のときだそうな。いまでもアメリカ人の誇りであり精神を表していると言われることが多いことから考えると、概念だけ理解して、それを実際の形に落とす能力が相当優れていたとしか思えません。

そのジェファーソンが40年ほどかけて(城か教会か!)、自宅として建てたのがこのモンティチェロ。相当広いです。それなのに、省スペースをはかっていた模様。ベッドは、空間の効率的利用のために壁に穴を開けそこに設置しており(みたところドラえもんの寝床。でもふつう壁はそんなに厚くなく、押し入れは収納として設計するってことを教えてあげたいです)、キッチンは地下で見えないようにしています。氷を貯蔵する部屋もあったそうな。行くと地下に大きな穴を開けてありました。確かにいっぱい集めれば1年持つのかもしれませんね。

発明家でもあったジェファーソン、発明品も家中に盛りだくさん。一例を挙げると、コピー機。手紙を9000通ほど書いたそうですが、弁護士らしくコレポンを手元に残したそうです。そのために使われたのがコピー機。スキャン機能とかではもちろんなく、要は、2つの鉛筆を箸でつないだ感じコの字にして、2枚一緒に書く。果たしてうまくいくのか?ってかんじですが、結果からするとうまくいっていたようです。

すごいなと思うのは、新しいことにリスクをとりながらチャレンジするのをよしとしながら、一つ一つ形として仕上げるところ。新進性と、実行力の両方があるってのは本当にすごいことです。

ちなみに、常に時計で時間を管理しながら生きていたそうな。タイムチャージだったんでしょうか。いずれにせよ、腕時計でもするかなと我が身を省みました。一日でやっていることがあまりに少ないので。

そんなこんなで機能もりだくさんのMonticelloは、アメリカでは数少ない文化世界遺産だそうな。もう参ったって感じです。

リンクは以下。

http://www.monticello.org/


7 University of Virginia

続いていったのが、ヴァージニア大学。州立大学です。この町は、基本的にビルがなく、大学以外の建物は大学の建物の間に立っているといっても過言ではないくらい、大学町です。というわけで、どの校舎ってのまで言う必要があります。

最初に向かったのが、これまたジェファーソン設計、世界遺産のRotunda (ロタンダ)。大学のシンボルです。いわば本館。空間の使い方が贅沢で、広々しています。大学には巨大な木々があるのですが、大学建設当初の絵にはこれがない。その当時とは結構印象が違います。

次は、ロースクールの建物。新しくとてもきれい。しかも広い。夏だからか学生もおらずがらんとしています。

LLMは人数も30名程度(日本人は5人程度)でこぢんまりとしているとのこと。まわりのJDが勉強するので、勉強もするらしい。もし、アメリカらしい生活を満喫したいと言うことであれば、本当におすすめの場所ではないでしょうか。少なくとも強制的に英語という環境はありそうです。地元の方の英語も南部訛りもなく、スピードもゆっくりできわめて聞き取りやすいですし。ミシガンやコーネルより暖かいですし、授業料も安いそうな。難点といえば実務っぽい科目が少ないこと、卒論を書かなければいけないこと、日本人から情報を得られないことなどでしょうが、いずれも本質的ではないと思います。

リンクは以下。

http://www.law.virginia.edu/html/index.htm


8 ワイナリー(Kluge Estate Winery & Vineyard)

友人の奥さん・お子さんを拾って、最後に向かったのが、友人おすすめのワイナリー。前日もここのワインを飲んでいて大変楽しみにしていた、生まれて初めてのワイナリー訪問です。リンクは下記。

Kluge Estate Winery & Vineyard
http://www.klugeestateonline.com/

食事・ワインとデザートをおいしくいただきました。期待通りの料理で、大変満喫。特にキッシュは衣がさくさくでとてもおいしかったです。ワインもおみやげに購入。ゆっくり食事とお茶2時間程度満喫。

これが、それぞれ後で響くとは、このときは知るよしもなし。

9 空港

さて、今度こそ、Richmond発の飛行機で帰りたいもの。友人の言葉によると、1時間程度でつくとのことですので、ワイナリーを2時間前に出発し、空港に向かう。私は酔ってしまい、助手席で爆睡(すいません)。

起きると、友人と友人の奥さんがなにやら話している。どんどんとばしている模様。どうしたのかと眠い目をこすりつつ看板と時計を見ると、空港まで8マイル、出発まで40分。あらあら。

友人曰く1時間と思ったが、実際にきたことないとのこと。えっ。。あの時間見積もりの自信満々ぶりは・・・。まぁぼくの友人です。そんなもんでしょう。

まぁ、とりあえず急いでもらい空港へ。出発の25分前に空港に着く。あわててチェックインし(といっても前日の経験から10分前まで大丈夫でしょう?とは思ってました)、ゆうゆうと、セキュリティに向かう。飛行機に乗れないときのために待機していた友人に解除の電話をしようと思ったが一応思いとどまる。

ハプニングは、セキュリティで発生。荷物が少ないので何も預けていなかったのですが、今回はワイン入り。。。。だめですね。

あまり普段お酒をおみやげに買わないので忘れてました。液体だめなの。係員に、どうしたらいい?と聞くと、もう飛行機出発15分前を過ぎているから、飛行機で送るのは無理。飛行場まで見送りにきた人がいればその人に別送してもらうべきとのお答え。

それじゃ、らちがあかん。駐車場まで移動してしまっている友人を待っていたら、飛行機に乗れないかもしれない。友人も引っ越し・出国準備があるのだから、お願いするわけにも行かない。

というわけで、あわててカウンターまで走って戻って(酔いも覚めるってもんです)、列を割り込み、荷物を預ける。さすが南部の人、引き受けてくれました。乗りそう?ときくと、We will do our bestとのお答え。内容物に急に必要なものもなかったので、「南部のbestをみたろーじゃん」と再びセキュリティへ。

人が少ないからか、南部だからかやけに人なつこい。セキュリティの係員も、どうだったと聞いてきます。"They'll do their best"と答えておきました。ついでに飛行機に乗らなかったらどうなるのか聞いたところ、別の飛行機で運ぶとのこと。当日そのままついた飛行場で待つか、後日飛行場に取りに行くか、自宅に送ってもらう処理になるそう。いずれにせよついた空港で航空会社の係員と話せとのこと。ありがたい情報です。

その後は、順調に出発。出発時間が20分くらい遅れてましたが、「荷物乗るかなぁ」くらいなもんです。なんてことはない。

さて、ラガーディアで荷物の受け取りです。どきどきしながら待っていると、きました!
いいこともあるみたい。南部のbest っていっかんじだ。

というわけで、てんやわんや、いつものようにハプニング、ぎりぎり劇の繰り返しでしたが、無事NYまで帰ってきました。


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