2007-07-28

勉強量・実際の状況について

僕がやっていたときに、一番気になったのは勉強量。いったいいくらやれば受かるものなのか。そして、先人たちの合格体験はどの程度自分にも当てはまるのだろうか。こういった点について、今まで断片的に書き記してきましたが、試験の終わった今の感想を書き留めておきます。


試験勉強はいくつかの時期に分けることが可能ではないかと思います。

1. 5月の期末試験(または卒業式終了まで)
2. 期末試験以後、バーブリの授業開始まで
3. バーブリの授業開始以後、バーブリのMBEマルチプルの模試(6月末)まで、
4. バーブリの模試以後、PMBRの模試まで(今年は7月13日の人が多かったはず)
5. PMBRの模試以後、本番まで(7月24・25日が本番でした)

先日の分類で、受かりそうな人と、受かりそうにない人に分けて話をしたが、能力のある人は、3の途中または4からがんばっても受かるが、自信のない人は2から勉強すべきであるように感じました。ただ、5からではさすがに厳しいかも。

それぞれの期間に何ができるのか、何をしているの人が多いのか、見聞きした範囲で書き記してみます。数字は主に同じ学校に通っていた友人間でのもの。

1. 5月の期末試験(または卒業式終了まで)

この期間にする勉強といえば、バーブリのearly startという入門講義(30%位)か、PMBRの事前CDを聞くこと位でしょうか(10%弱。この人たちは、前記30%にもむろん含まれています)。PMBRの赤本というマルチプルの問題集を説いていっている人(5%位。30%には含まれているが、10%に含まれているかは微妙)もいるようですが、ごく少数。たまにこの時期に赤本を時終わる人がいますが、変人扱いされかねないくらい少数派です。

また、本当にどうしてもやりたいという人がいればBar-Briの前年度の通販教材を入手して、その講義テープをきいて、本格的に勉強することも可能(周りでは0)です。2月受験者というのが存在する以上、この時期でも十分に講義や教材というものは入手が可能です。

この時期に勉強している方は、社命でbarの合格を命ぜられている人が多いようです。ただ、全体ではやっているのはあくまで少数派。僕は学校のアサインを読むことすらできていなかったので、この時期にBarの勉強をすることはあまり考えていませんでした。周りのすすめもあり、early startに何回かいったくらいです。

2. 期末試験以後、バーブリの授業開始まで

この期間というのは実は人により様々。長い人で(早めに試験終わり、ビデオコースというパターン)20日以上あり、短い人では、3日程度。従って、実はひとくくりにすることが難しい。

一般的にやることといえば、旅行でリフレッシュ(3,4割)、何となく卒業式以後分かれる友人等と遊んで暮らす(4割)、PMBRの1週間講座の受講(3割)、個人での勉強(3割)くらいでしょうか。合計が10割を超えているのは必ずしも排他的ではないから。

昨年受験した友人からは旅行を強く勧められたのですが、何となくその気にもなれず、一応個人での勉強をしつつ、遊んで暮らしました。ブログの更新も進みました。僕の場合、この期間が20日超もあったので、難しいと聞いていたproperty、constitution、evidenceを個人で一通りみる予定でした。残りの日数を考えると妥当な目標だったと思いますが、自分のやる気と能力を勘案し忘れていたのでしょう、そんなに進むわけもなく、evidenceを一通りみた段階で終了。

結局この時期は、自分でやる時間を消す方向で動いた方がよかったように思います。僕の場合意志が弱く、結局自力での勉強というのはできないたちで、この年になってもそれは変わらないのだというのを痛感するだけで終わりました。意志の弱い人間がBarに生活を捧げるという観点からは、PMBRの1週間コース→Bar-Briライブというのが正解だったのでしょう。

なお、NYだけライブがあり相当前からやることがありますが、外人(米人以外の趣旨。日本人を含む)は2年目NYか本国に帰るということが多く、ほかの地域ではもっと友人との別れというのが多いと思います。もし、LLM生活を経験したものとして、アドバイスを求められるとすれば、この時期は友人との親交を惜しみ、一緒に多数のお別れ会等をするのがいいと思います。旅行というのもあると思いますが、もっと友人を作って時期に一緒に飲み暮らせるという生活をしている人に一番留学を有意義に過ごしているなぁというのを感じます。勉強ばかりするのは本来いまいちだと思います。

3. バーブリの授業開始以後、バーブリのMBEマルチプルの模試(6月末)まで、

この時期は、結構みんな勉強を始めます。ライブの人は、模試の1週間前で模試科目を終了するので、その後復習をして模試で成果を出すに適したスケジュールとなっています。ビデオの人は、最後のTort終了後すぐに模試なので、授業の内容をしっかり理解しているかというのが模試の結果に直結する傾向にあります。模試の点だけを考えるならば、Bar-Briの授業の復習+Bar-Briの問題がベスト。Bar-Bri、PMBRは問題の傾向が違うように思いますので。ただ、いい点を取る人は特に、これにこだわっていない。結局何をやっていても、できる人はできるのです。

カリキュラムは、MBE科目がcriminal → evidence → constitution → property → contract → tortと進んでいく間にNY科目が挟まる感じ。

授業に出るかという問題がありますが、内容を授業に出ずに把握することは可能です。それくらい再現度が高いノートが出回ります。ふつうに留学している日本人の知り合いがいる状況であれば、授業に出ないという戦略は誰でも採ることが可能です。このメリットとしては、時間の自由がきくようになることです。また、読むのが早い人は、全体の勉強時間を減らすことができるようにもなります。

個人的には、耳で理解する部分も結構あったので、授業は出た方がいいと思います。といいつつ、だるい、という理由で半分くらい出てませんが。授業に出ると、集中して聞くからか、ノートを打ち続けているからか、授業後数時間回復できないのです。学校の時も感じていましたが、授業は1時間程度快適に聞けますが、2時間目からは疲れて、最後の20分位ずつほとんど耳に入ってこない。しかも授業後、3-4時間回復に時間がかかる。気合いが足りないだけでしょうが。そのために午前中の授業(通常3時間から4時間弱なので昼飯前に終わる)後、昼飯を食って回復を図ると、5時ということがざらでした。気合いなのか肉体的な欠陥なのかよくわかりませんが、これでは相当時間がつらい。5時からノートの復習をすると、ノートの復習を1時間程度で終わるという人もいますが、私の場合、読むのが遅いのと、新しい概念の理解に時間がかかるのもあって、5時間くらいふつうに復習にかかってしまいました。

そこでとった戦略が復習(むろん予習も)完全無視作戦。5時までの休みを極力3時までとし、いきなりマルチプルをとき出すようにしました。むろん、予習を全くしておらず、授業の1/3くらいは全く耳に入ってこない時間なので、理解できていない部分が大量にありましたが、悩みすぎてもしょうがないということで、問題を解くようにしました。得順番はドリル→Bar-Bri intermediate→赤本→青本(できる科目のみ)。もちろん、時間内にとくことなど全然できませんし、ドリルの正解率はいつも5割を割っていてたまに2割程度となる有様です。それでも、もう復習はできないかもしれないと思い、正解のあしの情報をどんどん自分のノートにうちこみつつ進んでいきましたが、何もノートに反映せずに記憶できる人に比べると、相当すすみは遅かったです(科目の終わりあたりでも1問5分はかかってました。問題、解説読み、必要な情報の追加)。ちなみに、同じように予習・復習をしなくても、できる人はこの段階ですでに6-8割の正解率で時間内(1問1.8分)に解けます。この場合は、エッセイも同時進行でやっていく余裕もあり、7月まで相当余暇も楽しめると思います。ほんとうらやましいことです。

マルチプルについては、日本でもアメリカ(学校・前年に受けるMBREという倫理試験)でも、得意だという意識が強かったので、これが本番で140だか150だかとれるととりあえず受かるという情報を聞いて、じゃ、これだけ仕上げてしまおうと思ったんですね。そしたらとりあえず何とかなるんじゃないかと。先人の合格体験記を読んでもそんなニュアンスで書いてありましたし。ただ、僕は今回のマルチプル、全範囲の中でも相当苦労したと思ってます。何せ英語の解説を読んだり、理解したりするのが遅いので、人より解けない。全部で赤本150題残して、青本200題やったので、模試・ミックス・解き直しを含めておそらく、延べ2700題くらいだと思いますが、時間をとった割には少ない。相当最後までどうしたものか苦慮していましたし、いまでもこうすればよかったというのはありません。

エッセイについては、余裕のある人は、この間に準備(NY科目の理解が不可欠)も平行して進めるのですが、僕にはその余裕はありませんでした。NY科目はひたすら、授業中の理解にすべてをかけて、予習復習一切なしで、とりあえずマルチプルを解いていました。

半分以上の人が7月に入ってから本格化すること、最後のあたりは1日20題以上解くのも不能ではないので、一切無視も特に間違った戦略とは思いません。優先順位はMBEと授業の理解だと思います。授業が理解できていなくて、MBEのあしの知識だけだとエッセイのスタートで問題数をこなせないので、授業内容はしっかり理解しておくと、いいように思います。(私は無理でしたが)

模試では、いい点を取るに超したことはありません。悪い点の場合も合格できる可能性は十分にあるようですので、これを機に勉強量を増やせば致命傷とはなりにくいと思います。140というのが記載されているような合格体験記もありますが、達成している人はごく少数。相当できるか、筋のいい人です。120が結構やってるねぇというライン、100ががんばろうねというラインでしょうか。1割違うというのは結構違うと認識した方がいいです。確かに知識がフルに生きて、ミスをしなければ1割くらい上の点が取れるのですが、それを実行できる可能性がどの程度あるのかということです。少なくとも私の場合、神に祈る位しか方策を思いつきませんでした。

ノートは、前にもちょっと書きましたが、英語を読むのが嫌いなので、自分で短いノートを作ることにしました。とにかく短く(各科目第1版は5-10ページ、12ポイントフォント、行間大量)したかったのと、自分がLaw Schoolで作った書式でノートを統一したかったのとで、全部自分で打ちました。やり方は、わかることは書き、わからないところはタイトルだけ書く。この時期は2ヶ月しかないんだし、わからないところが結構ある状態で本試験に望むのではないかと思っていたんですね。その場合は、わかっているところ、一度理解したところを確実にいつでもすっと読めるということが大切になるのではないかと思っていたのです。ノートのデータが手元にあるので足すべき情報はパソコン一つあればすぐである一方、択一の情報というのはもらったノートにあまりはいっていないので、結局自分で作るのが一番ではないかと。

もしやり直すことができるならば、もう少し、先人のノートを活用してもよかったのかもしれません。すでに厳選済みのBar-Briの授業でふれられることは、最終的にはすべて理解(できれば暗記も)することが必要(むろんできる限りで、できないから苦労するのですが)なのだと思います。また、出てくる、exampleを自分で解説できるくらい理解するのが重要だということも直前期になって悟りました。exampleを全部できるようになれば、それだけで相当体系立った理解ができている状態です。マルチプルやエッセイの問題集と違い重複がないので、人に説明できるくらい自分で理解してしまうというのが実は一番早道かも。その場合は、マルチプルを説いている問題数は相当少なくても何とかなるように思います。

自分でわかったところのみノートにするという戦略とをったせいで7月半ばを過ぎても固まりで誤解している分野が多数ありました。どういうことかというと、体系の中での論点の位置づけを間違っているんですね。たとえば、Aの場合にXという論点が出てきて、Yという結論というのと、Bの場合にX'という似た論点ができてY'という似た結論というのを別のものとして認識できていなかったりしていました。そのために、やった問題ではできる気がするし、似た問題も解ける・理解もした気になる(X→Y)のですが、ひねられると全くわからず、解答を読んでも混乱するばかりという感じの状況に陥るのです。

長く勉強している科目であればある種のカンが働き、こういった誤解が少ないのですが、なんせ、2ヶ月で20科目程度やるという試験。逆算すると1週間でそれなりの理解をしないといけないので、3日目の授業終了時で本当に何も残っていないとつらいことになるということは頭ではわかっていたのですが、正攻法で、しっかり理解するということができる能力も、まじめさもなかったため、その後に何度も革命的に理解を変更する必要に迫られました。ここら辺が、勉強のセンスなんじゃないかと思うんですね。勉強のセンスがいい人は、最初から大きな誤解をしない。教えられたとおりにそのまま理解するからだと思います。僕の場合、記憶力が悪いのを何とか補おうと、自分で理解できる形に変えて理解しているために、なれない科目では痛手を負いやすい。時間がある学校の勉強や、日本の司法試験では大きな問題として表面化しないのですし、仕事の1日リサーチもソースの記載から離れないようにすれば痛手を負うことは少ないのですが、今回の試験は結構表面化します。もし、似た傾向にある方がいらっしゃれば、留意する価値ありかと思います。

4. バーブリの模試以後、PMBRの模試まで(今年は7月13日の人が多かったはず)

さて、いよいよ7月に入ってくると、追い込み系の人も本気で勉強し出します。7月死ぬほどやれば、受かるというのも、ある種真実かなとも思えるくらい、この時期は重要かと思います。もちろんこの時期に引っ越しやらなにやらの手配をされている方も相当数いらっしゃり、事前からしっかり勉強している方は、悠々自適なのかもしれませんが、模試の結果をふまえて、おしりに火がついた方は、ここではやらざるを得ない。がんばりましょう。周りに勉強している同志みたいな人がいる環境なら、自然に勉強モードになるので、あまり深く考えなければ自然に勉強時間は増えます。

エッセイに重点を置けるか、マルチプルをやるかという話はよく聞きますが、私が詰まったのは、(その前段階の)NY科目の理解。ビデオコースの場合、この時期も延々授業が続きます。各科目1日か2日。NY科目は、マルチプルがないので今まで結構おざなり。さすがに、この時期に全くわからない科目を作るわけにはいかないしと、その日その日後れをとらないように復習してみました。ただ、これやると本当に、その日がそれで終わってしまう。相当精神的にはつらい日々でしたね。結局マルチプルも、エッセイもあまり進まず。先に進んでいる人において行かれたのは6月段階だと思いますが、後半追い込み組において行かれる感を感じたのはこの時期ですね。

アドバイスがあるとすれば、この段階では、あきらめるくらいならやれるもの全部を死ぬほどやれってことですかね。追い込みでやっている人は、この時期からエッセイを15題から20題とマルチプル50題を毎日やってました。私は無理でしたが。

5. PMBRの模試以後、本番まで(7月24・25が本番でした)

続いて直前期。さすがにこの時期は人並みにできたでしょうか。

個人的には、ノートと資料の見返しが中心でした。各科目の誤解をとく日々。ノートの読み返しは、自分のノート+弱いところは先人のノートに戻って読み返すという形式でやりました。自分のノートをプリントアウトして持ち歩くようにしたのもこの時期。手書きでコメントを加え、大幅バージョンアップがあれば再度印刷する感じ。MBEは3-4回、NY科目は2-3回呼んだ感じでしょうか。1科目最初は2-3時間、最後らへんは、1-2時間ですね。自分のノートはたいてい10ページ、長くても20ページなので。一番最後は、MBE科目、NY科目それぞれ1日で一通り読みました。一日の最初から元気なうちは、ある程度の固まりを読んで、その直後、白紙にそれを単語ベースで概要が再現できるかというので少なくともざっくりとは再現できるまで読んでました。スペルの覚え間違い等をつぶしていったのもこの時期。いずれもサラのノートに書き殴ると1日でノートを消費しきる感じでした。記憶力が悪い僕には死にそうな作業でした。腕も痛いし。

エッセイについては、前にも書いたとおり、僕の感覚に合うアウトライン(解答にあまり左右されず、授業のノートを中心に、ほぼ単語のみで作成したもの)をもらったので、結局最後までそれを中心にやりました。結局前半100題は、全部ノート1ページくらいに手書きで答案構成というか何というかというものを書き(わからない科目は白紙・・・)、その後、アウトラインを読み、解説を読み、ノートの該当箇所を読んで次の問題というのをひたすら繰り返しました。当初は1問30-50分くらいで、なれてくると20分が見えてくる感じでした。

最後2日で、いただいたアウトラインの論証を覚えました。これは日本からこのために買ってきた小さい付箋(0.5センチ×1センチくらいの一番小さいの)をキーワード完全にいえないのに貼って、それがなくなるまで読み返すという作戦。論証は1問1ページで5つくらい論点があり、それが130問あるのですが、それを2ページ割り付け、両面(計30枚程度)に印刷して、付箋を貼りまくる。最初は300-400くらいの付箋でしょうか。貼るか貼らないかの選択が一番時間がかかり、片面(全問題の半分)で5時間程度。問題文は読んでおらず、ひたすらそのアウトラインと心中することにしました。顔も存じ上げない一個人の資料にここまで寄りかかったのは初めての経験です。その後は付箋を外すのですが、結局100-150は残したままで本試験。でも、まぁ、これらは最後に3-4回みたので、最終的に付箋が完全になくなっているか否かはあまり関係ないと信じることにしました。

NYマルチプルは1日しか時間がとれなかったので、1日午後から全部使って前半170題解きました。平均2-2.5分(それでも読み切れない)で、正解率は50%かちょい下くらい。1問1.2分で解いて6割必要だとのことですので、相当、こりゃ無理だと悟りました。ただ、マルチプルはなんか書けば当たるんでしょう?っていうおもいもあった。ちなみに、その後は、最終日に、間違えた箇所の半分くらい読み返しやった気になりました。

MPTは、これも1日だけ夕方からの時間を使い、5問ほど読みました。本当に、速読大会のように読むのみ。時間を30分、45分、60分でどこら辺まで理解できて、どこら辺までとばし読みできるかの確認のつもりでした。結果は、残念ながら本気で、「答案構成をできるほど理解できない」(まったくわからん)ということを学びました(笑)。

今となっては、どうでもいいと思えるのですが、この時期にこれを受け入れるのは結構精神的につらく、がーんって思いながら、次の問題わかるんじゃない?っておもっていたら5問も読んじゃったというのが真相です。本当は形式の確認とかをしたかったのですが、もっと根本的にできていない、自分はできないんだってのを確認する作業と化しました。周りは白表紙と一緒だから大丈夫といってましたので、よりいっそうショックでした。

で、どうしようか、前日までずっとぼーっと、あてもなく考えてました。どこの箇所も時間がはみ出しているのでどこを削るべきか見当もつかなかったので。結局先日書いたように、時間をとってゆっくり読む戦略しかないという結論にたどり着きました。

MBEは、模試で、どの科目の問題かを認識するのに時間がかかるということを学んだので、ミックス問題を中心に解いていました。まず、足をみて科目を特定する作業を徹底させました。ただ、本試験ではほとんどこのテクニックを使わなかった(使わないと苦しいほど問題文が長くはない)。むしろ、2回読む時間的デメリットの方が多いので、長い問題だけとしてました。そのため、果たして本当に必要な作業だったかは不明ですが、本試験の経験のない身としては、模試に対応するテクニックに走らざるを得なかったのも事実で、それはそれでしょうがないかと。。

僕自身の直前準備はこんな感じでしたが、ごく一部の仕上がっている人を別とすると、勉強が仕上がらないと悟ってくるのもこの時期。後は、何処の身を削らせて、骨を断ちにいくのかの相談が始まります。従って、ここでは、何を捨てるかということを書いてみたいと思います。

まず、MBE。余裕のある人は毎朝50題やってますね。毎朝は厳しいかもしれませんので、適宜でいいのかも。新しい知識ってのも減ってくるので、手を抜くとしたら抜けるところ。ミックスは科目が混じっているのをとく練習としてはいいですが、聞いてくる論点の幅が狭い。同じところばかり。知識を増やすには不十分です。

MPTは、やっていない人もいる。やっている人は3-5日程度、10問弱を実際に書いている。センス次第ですね。最初からできる人はできるだろうし。全く0でも対処可能ではあると思います。

NYマルチプルは、全問やる人は少ないが、何にもやらない人も少ないという感じ。本番とは傾向が違うように感じました。ノートのNYルールを覚えていくことである程度対処可能なので、問題を解いて覚えるという方針じゃなくてもいいかもしれません。NY distinctionという章がMiniにはあり、読む人は読んでますが、どうですかね。一部読みましたが、楽しいもんじゃない(笑)。現実的にはやはり先人のノートに出てくるNY distinctionをみるくらいでしょうか。

エッセイは、聞いていた話とは違い、ほとんどの人が問題集の前半100題は実際にといていました。しかも復習のための2周目まではするという感じの手の入れよう。これは、実際、やってもいいかもしれません。本試験では、論点として覚えたこと以外もたくさん書かないといけないのですが、典型を、あっさりももっさりも適宜力加減を変えつつかけるってのは、それはそれで重宝するものです。論点の誤解も発見できますし。というわけで一応やった方がいいと思います。

NY科目のノート読み。これは必要。マルチプルがないので、問題で補うことはまず無理。本試験の傾向からしても、バーブリの問題集(エッセイ、NYマルチプル)だけやってもカバーしきれないし、不効率。ノートで全体を把握するのが一番。講師は相当差があり、個人的には、willとかは本当に、もう勘弁してくれってくらい、時間を無駄に使ってくれた感じですが、やはり授業に出て、耳で聞いて、ノートを復習するっていう王道が、ついて行ける人には一番早いと思います。ぜひぜひ、ここは、力入れてください。本番はwill/domestic relationsあたりが、ストライクゾーンど真ん中とばかりに、いっぱい出題されますよ。

最後に、勉強せずに受かるかということについて書きたいと思います。僕自身は、ある程度勉強したにもかかわらず、徒労に終わっていそうなのが、大変残念ではありますが、大多数が受かる試験ですので、最低限の勉強で受かることも可能であろうと思います。

マルチプルについては、授業直後で5割くらいでき、僕は模試の点も5割でしたし、本試験の感触も変わりません。ってことは、全くやらなくてもいいのではないかとも思います。全くは言い過ぎにしても、2ヶ月でできることはやはりしれており、ほかの方は知りませんが、結局僕の場合、そんなに全く新しい人間に生まれ変わるような知識の増加・能力の上昇はなかったのだと思います。感覚で恐縮ですが、このように、あまり変わらない人間が結構な割合でいるとすると、勉強せずに受かる可能性も相当程度あると思ってます。たとえば、4割くらい(僕の予想確率よりこの時点で高い。涙。)。どんな感じかっていうと、確実に受かる層4割と、団子7割。残り30%は団子から受かるのだから、4割。どうでもいい数遊びですが。僕は勉強しても団子から抜けられなかった組。。。。

エッセイについても、2割が5点超、2割が5点未満、6割が5点を取るような採点をするそうで、そうすると、勉強してもしなくても5点となる可能性は、結構あるわけです。日本人でも。

そう考えると、勉強しなくて受かったという話が出回っても全然不思議でもなく、それはそれで真実なのだと思います。能力が優れていたのかもしれないし、運がよかったのかもしれない。ただ、内実を考えると、運によるとしてもとびきりの運までは必要ない。周りが勉強する中、しないで合格したという話は、結構話題になりやすく、人に伝わりやすい。逆に落ちた人がなぜ落ちたかという詳細はあまり伝わらない(落ちたという事実は伝わりやすいとしても)。そう考えると、必死にやる試験・精神的につらい試験であるが、「受かる試験」という話と、勉強しなくても実は「楽勝の試験」という話が出回るのは当然かとも思う。最近でこそ、ネットの普及により落ちた人の話も出回るようになったが、あくまで少数派。みんな精神的に受かった人の話を聞きたくなりますもんね。

というわけで、引っ越し、家庭の事情等で勉強時間がとれない場合も、そこまで悲観する必要はなしです。知り合いの韓国人には6月に別の米国の国家試験を受けて、それから本格的に勉強をしている人もいました。

最後に、前日は、よく寝てください。個人的には9時間程度睡眠すると、英語を読んだ際に、普段気がつかないニュアンスも気がつくが、3時間程度だと、読むべき単語(notとか、主体の名前とか)を読み飛ばす傾向が顕著なのでよく寝るようにしました。日本語より、長時間やったり、疲れた際の弊害が顕著なように思います。

また、前日は当日の作戦立てもしてください。個人的には今でも理解が1週間で変わる試験なので直前以外時間配分を考える意味はないと思ってますので、前日でいいと思います。僕は、自分にプレッシャーを感じさせないように、NYマルチプルは60分で残りを捨てていいんだ、MPTは120分使える、MBEは90題しかとかなくていいからとやさしく甘やかす作戦にしました。当日の苦戦模様は前の記事をご参照あれ。

勉強始める前に知っておくといいと思いますが、司法試験の時より、年をとっています。周りの人が言っていたのは集中力が昔ほど長時間続かず、記憶力が落ちていると言うこと。僕自身はむしろましになったくらいだと思うのですが、別のところで老いを感じました。精神の落ち込みが肉体を支配するんですね。昔は落ち込んだと言っていても、言った瞬間に回復するくらい、愚痴というのは僕の健康剤みたいなものでしたが、だめだーといって今回言い終わった後もだめだと感じている自分がいるのにはびっくりしました。やめたいって思って、全く勉強しない日を平日のど真ん中あたりにほぼ毎週作ってしまったのも。感じ方は人それぞれだと思いますが、もう30(若い人でもそれくらいが多いと思います)、おっちゃんおばちゃんだってことを考えに入れて、大人の計算をする必要があるように思います。

以上、落ちた可能性の方が高いと思いつつも、ブログに勉強・本試験の感触を詳細に記してみました。なんといってもこのブログは、ほかにない一次情報(転載・紹介ではなく)を記載する、それが有用またはおもしろかったらそれはそれで素敵ってのがもっとうですので。

昨日あたりから、友人のブログでも総括的なものが出回っていておもしろく読んでいます。人によって感じ方は様々だなと。知り合いの日常を知っていると、余計にへーってなもんです。勉強を始める前には、こういったものを読み比べてみるのもいいのかもしれませんね。

もういい加減、バー関係も飽きたので少なくとも長いのは、今回を最後にしたいと思います。
それでは、毎度の長文失礼いたしました。

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