米国law school出願 (Personal Statement-1)
TEOFLの点がある程度取れるようになったら次は、Personal Statement、推薦状、履歴書、その他必要書類の作成である。準備万端な人は出願年の初夏ころから準備を始める。私自身は10月後半に作成開始であった。平日も利用する予定であったのが、結局週末しか作業できず完成はずいぶんと遅く出願直前であった。
Personal Statementは、要は自己アピール文書である。自分はこんな人間であるからぜひLLMの一員として採用した方がいいよーと訴えかける文書である。試験が事実上TOEFLしかないLLMの出願に当たっては、日本人が通常受けるイメージ以上に重要な書類なのではないかと思う。
日本の入学選考の場合、主に全員同一の環境においてペーパーという環境で能力を発揮できるかということを、その他のもろもろの事情を排除して判断するのがいいと考えられている。ここでその他もろもろの事情は、親がその大学の関係者であるとか、ペーパーは駄目だが他に特殊能力があるとか言う場合を想定している。もちろんペーパーだけという弊害も声高に主張されていて、たとえば試験に遅れる妥当な理由がある場合に追試を認めたり、一芸入試、推薦入試というものが行われたりしている。しかし、これらはあくまで例外と位置づけられている。
アメリカでは、日本で行われるタイプの試験(当日定められた期間内で記憶力に基づいて解答するタイプの試験)結果は、少なくとも日本で思われているほどには絶対的ではない。世界は広いものでラテン(南米)の国々では大学の試験は基本的にすべて口頭試験のみとのことである。アメリカはラテンほどペーパー軽視ではないものの、日本ほどペーパー絶対でもない。期末試験でもおおむね教科書・ノートを参照可という条件である。日本では、司法研修所の即日起案(7時間くらいの長時間の試験)ですら、記憶だけで記載させることとは大きく方針が違う。
では、何が重要となるのか。イメージで恐縮だが、米国に来て感じるのは、相手を説得させることが大事だということである。大学の生徒選考においても、ペーパー試験に現れる能力の絶対値で生徒を選考しているのではなく、大学に入れたいなと説得させられた人を入れているのではないか。大学側も大学経営を成功させたいと考えているので、成功しそうだと感じる生徒を取りたいのである。その生徒が卒業後成功することで大学の名声も高まるという仕組みである。従って、自分を取った方が取らないより良いと説得することが重要となる。
この説得方法に特に制限はなく、基本的になんでもありである。本人の自己アピールはもちろん大事であるし、第三者からの推薦も重要である。その人から推薦を得られるだけの能力を発揮したこと、推薦状をもらえる人間関係を維持できていることを評価するのである。そのような人間関係を築けること、有力者とコネクションがあることは成功の重要な条件と考えられていると思う。私が出願した年のある大学などは、applicationに在学・卒業生の知り合いを記載させる欄があった。
その中でも自らアピールすることを正面から認められているのがPersonal Statementであると考える。むろん、異論を耳にしたこともあり、大学側は、Personal Statementをさほど重視しておらず、客観的な大学・修習時代の成績、TOEFLが足切り点を超えていること、コネのある著名者の推薦状を中心に見ており、Personal Statementを重視してはいないというものである。確かに、Personal Statement以外が充実していればこの考えにたつのもいいが、世の中私のように過去の成績には見向きもしたくないという人も中にはいる。そういう人は、自己を鼓舞するためにもこのような見解に惑わされるべきではない(笑)。いずれもの話も確証がない推測の話で、大学によっても比重は異なるのであろうから、他がない人は、Personal Statementがんばる!と思っていればいいのである。
ではこのようなPersonal Statementに何を書くのか。これを次回記載してみたい。
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