2008-03-13

08ドラフト19 Yahoo! Auto Pick の傾向

Yahoo!のオートピックに任せる場合、とても知りたいのが、コンピュータがどういうルールで選手を選択していくかです。


パブリックの場合、全部で21人選択することになります。レギュラーが16名と控えが5名。16名の内訳は野手が9名(うち1名はUtil)、投手が7名(SP、RPが2名ずつ、SP/RPのいずれもが使えるPが3名分)。

これを事前に作った自分のリスト(Pre Draft player Ranking List)に従って、コンピュータが指名していくわけです。

リストには、前にも述べたとおり、2種類あり、自分のお気に入りの選手を並べたYour Rankings (My Players) と、指名しない選手を並べたExclude Rankings (Exclude Players)があります。Yahoo!自体用語の統一感がないので、ここでは、自分のお気に入り選手のリストを「お気に入りリスト」、指名しない選手のリストを「控除リスト」、そのいずれにも名前がない選手のリスト (list of players) を「一般選手リスト」として、話を進めます。

Yahoo!のヘルプとか、Ruleにもあるのですが、コンピュータは、①お気に入りリスト、②一般選手リストの順で考慮しながら、なるべくポジションの重複がないように指名をしていきます。

具体的には、お気に入りリストから選べる場合はお気に入りリストから、ポジションの重複がないように指名しようとするとお気に入りリストの中から選手を選べない場合は、一般選手リストのなかから選手を指名するわけです。お気に入りリストは自分が記載した順番に上から指名されていき、一般選手リストは、Orankの高い順に指名されていきます。控除リストの選手はいかなることがあっても指名されません。

ここまでは特に問題はありません。

ポジションの重複を避けるとは

問題は、ポジションの重複がないようにとはどういうことを指すのかということの具体的な内容です。

まず、常に守られるルールとして、レギュラー16名を何が何でも先に指名し、17巡目以降の5巡を使ってベンチ要員を5名指名します。

つまり16巡目の段階で、あいているポジションがCだけという場合に、どんなに高ランキングのSPやOFが残っていたとしても、16巡目はキャッチャーを指名するというのがコンピュータのやり方です。

レギュラーの指名については、基本的に各ポジションの優先順位はありません。お気に入りリスト、一般選手リストを参照しながら、あいているポジションを埋めていく感じです。たとえば最初に1Bの選手を指名した場合、2巡目以降は1B以外のポジションのために選手を指名します。野手と投手の優先順位もありません。あくまであいているポジションを指名していくというのが原則です。

複数のポジションを守れるプレーヤーについては、Yahoo!のコンピュータは非常に賢くできています。

たとえば、1巡目に2B/3B/OFを守れる選手(フィギンスなど)を選択したとしても、リストが上位であれば2巡目に2Bを選択することは、ルールに反しないようです。

どういうことかというと、たとえば、Utilだけ守れる選手を指名した場合、Utilのポジションはその指名により埋まり、ほかのポジションを指名しにいくのですが、1Bだけ守れる選手は1B/Utilという扱いになり、1B/Utilのいずれの枠も使い切っていないとして、Util、1Bのいずれの選手も2巡目に指名できるというルールで動いているようです。とすると、複数ポジションを守れる選手を指名するということは、17巡目以降までとれなくなる選手というのができにくく、全体のOrankを高く保つのに役立つ可能性があるということです。

仮定として、Utilのみの選手(DH)がOrank 10位、20位、30位にいるとします。もし、1巡目にOrank10位のUtil選手を指名してしまうと、17巡目以降まで20位、30位の選手を指名することができなくなるのです。一方、ほかのポジションの選手を指名する限り、2巡目、3巡目でこの3名のUtil選手を指名することができます。これが繰り返し行われる結果、Utilではなくとも1つのポジションしか守れない選手というのを先に指名すればするほど、17巡目まで指名しない選手というのが増加することになります。

よくあるパターンとして、1BのHRが多い選手を最初に2名とるというパターンがあります (1Bツープラトン、以下①) が、これの弊害はUtilを早々に使ってしまうということです。

Cの上位にR. MartinとVictor Martinezがいます。この2名を指名する場合(仮にVMartがCしか守れないとした場合を②、C/1Bである場合を③とします)と併せて検討してみましょう。

一般的にYahooのOrankは、ポジションのプレミアを考慮して作成されているので、複数ポジションを守れる選手は一番プレミアが高い守備位置でOrankがつけられているという傾向があります。

前にも検討したとおり、一番攻撃力が強い選手が多いのはOFです。そのため、ポジションごとの同ランクの選手の攻撃力というのを比べると、HRなどの特定分野を除き、総合力では、OFが一番強くなっています。よってUtilはOFで埋めるのがいい。

異論あるかもしれませんが、具体的には、OF>1B>3B>2B>SS>Cの順であるように感じています。で、今年の場合、2Bが充実しているので、12チームの場合、3Bとほぼ並列、こんな感じかと。

たとえばOF/1Bのバークマンは基本的には1BとしてOrankが取得されていると解釈するのが適当で、OFのみのランクであれば、もっと下でもおかしくないと思います(むろん、年齢、他の選手、一昨年の成績等いろんな要素を考慮しているのでしょうから、一概に比べられる相手というのはいないのですが)。よって、1Bとして使うのが合理的となります。

わかりやすく数字で表現すると、仮に同じランクのOFの攻撃力を10、1Bの攻撃力を8、Cの攻撃力を5とします。すると、①1Bツープラトンでは2(OF 10-1B 8)、②Cのツープラトンでは5(OF 10-C 5)、③Martin/VMartの組み合わせでは3(1B 8-C 5)損をすることになります。

③の場合は、Martは1Bを守ることができるので、一番効率よく考えるとしたら、1Bは埋まったと解釈されるものの、Utilは残ると考えることができるため、実際に損をするのは1B/Cの差となります。

なお、むろん後のUtilの指名ランク、1Bのだぶつき、Cの欠乏、Cが後のランクに集中すること、OFでは1B に比べてHRを稼ぎにくいことなどを考慮に入れると結果は異なるとの議論は可能ですが、ここでは視点が異なるため考慮していません。

仮にこれを考慮したとしても、通常最初に打点とHRなど1BがOFよりも一般的に稼ぐことができる分野について弱くなるチームができあがることがわかっていることはないと思いますので、最初に決め打ちしてしまうのはやはり効率的ではないということになろうかなと思います。

また、複数ポジションによりけが人への対応、後からaddする選手の柔軟化などそれ以外のプレミアも取得します。

以上をまとめると、(1)通常UtilをOF以外のポジション(仮にX)の選手(T)で埋めるというのはプレミアムを払っていることになります。(2)Xのプレミアムは、XとOFの差。(3)TがX以外(Y)も守れる場合は、プレミアムはXとYの差となる、ということでしょうか。YがOFである場合は差が縮まらないのですね(上記の通り、この場合でもけがのバックアップを考えるとないよりある方がいいと思います)

コンピュータは基本的には、レギュラーを第1順位に、控えを第2順位に考えており、第1順位の中でポジションごとの優劣は基本的にありません。野手であろうが、Utilであろうが、SPであろうが、RPであろうが、Pであろうが、同じです。RPまたはSPを連続して指名したい場合、5名まで(SP/RP属性の選手を組み合わせると7名まで)連続して指名することができます。

はっきりしない部分

ただ、たまにおかしな動きを見せることがあります。Utilの指名で、Utilのみの選手を避けてみたり、Utilの枠の優先順位をさげてみたりするのです。この理由はわかっていませんが、Utilについての指名ルールははっきりしない部分が残るということでしょう。

ベンチ要員5名の選び方も結構見えない部分があります。野手のみ、投手のみの指名になることはなく、野手と投手がそれぞれ必ず1名はいるかたちになります。また、お気に入りリストをどの程度優先するかも違い、たとえば、控えキャッチャー5名がまだお気に入りリストにおり、それが上位であったとしても、4名キャッチャーという事態にすらなりません。

これは、おそらく、Yahoo!の側で、いくばくかのセーフティーを働かせているためと思いますが、詳細はわかりません。

よって、Util、BNの選手は、必ずしもリスト通りの結末にならない可能性があるということになります(研究不足ともいいますが・・・)。

リスト作りへの反映

これをリスト作りにどう生かすかですが、たとえば、プレミアがつく希少価値の高い選手について、戦略上、このなかから1名という趣旨で、リストで比較的近い順位に並べたくなることがありますが、できるだけ、その中の数名の1番上の順位の人のところに寄せないということでしょうか。たとえば、Orank 20,30,40の人がプレミア選手で、同じポジションの次の人は200番という場合、20番あたりに、20,30,40の3人を並べると、ドラフト順位によっては、この中から2名指名してしまう結果になりかねません。

プレミア選手は、プレミアを考慮しない素の状態の成績は同程度の順位のほかの選手よりよくないので、これはチームの弱体化につながります。3人まとめておくとしても、実際に2,3番目の選手が指名されるかもというところにおくのがいいように思います。ま、どこで指名される可能性もあるので、あくまでカンと読みであまり意味のない行為ともいいますが、クローザー上位のランクを下げて、クローザーをとりたい位置(最低このクローザーをとりたいと思うクローザーの指名されるだろうなというあたり。クローザーは、Orankより上位で採用される可能性が高く注意が必要です。)に、ずらっと並べることなどはある程度有効かなと思っています。

このように、ドラフトの指名順がわからない以上、最後は運になるのがAuto Pickの特徴であり、それが初心者とそうではない人間のドラフト結果が大差ない状態になる理由かと思います。したがって、Auto Pickドラフトは、直後に「もーだめだ」とか、「これは勝てるな」とかいう感想を抱く人が少ないという点で、能力差が大きくある人たちが寄り集まって同じルールでゲームするときに優れているシステムなのかなと思われ、ドラフトの緊張感がなくなるというデメリットをのぞいても、みんなが最後までゲームに参加するインセンティブが生まれる点でもっと評価されてもいいのかなと思います。


うーむ、全体に構成の練り込みが足りず、わかりにくいので、時間があれば、ちょっと書き直します。。。


3 comments:

Anonymous said...

>一方、Cの上位にR. MartinとVictor >Martinezがいますが、後者は1Bも守れる
>ため、両方を指名したとしても、Utilは残>るので、C、1Bを含めた前ポジションの中
>間層の有力選手を指名することができるの
>です。

でもさー、(トレードを考えなければ)VMartを取った後で取って欲しいのはCではなくて1Bだと思うんですが、どうでしょうか。同じOrankならCより1Bの方が成績がいいから。そう考えると、Cがとられるかもしれない分だけ逆に危険という言い方もできませんか?

MKT said...

ご指摘は、1名指名する場合は、C/1BのVMartより、CのみのRMartinの方がいいのではないかということですかね?

それはそう思います。

上でいいたかったのは、同じポジションのツープラトンはUtilを使うことになるという点だったので、書き方を訂正しました。

Anonymous said...

書き方が悪かったですが、まさにそういう趣旨でした。