2008-03-08

08ドラフト17 Auto draft listは控除がポイント

ドラフトにあたって誰を指名するかを決定する為に、オンライン上に有力選手順に並べたリストを作成することができます。それの作り方について考えてみたことのまとめ。


Yahoo! のfantasy baseball のドラフト方法は、ライブドラフト、オートドラフト、オフラインのドラフトの3つ。ほとんどが全2者であるので、ここでは、全2者のみを対象とします。

ライブドラフトは、オンライン上で実際にドラフト会議をする感じのものです。1人1指名90秒時間を与えられて、順々に指名していく。完全ウェーバー制でくじ引きはありません。

オートドラフトは、マネージャー(ファンタジープレーヤー)が事前に用意したリストの順番に従って、Yahoo!のコンピューターが自動で指名を行います。事前の準備はした方がいいのですが、ドラフト会議というのがなく指名自体は一瞬です。

のめり込む人が好むのはライブドラフト。これをゲームの最大のイベントととらえる人も多いです。

一方、MLB・ファンタジーに詳しい人と詳しくない人の差がつきにくいのがオートドラフト。

1巡目指名はランキングに従ってやれば誰がやってもリスクは少ないです。上位指名ではむしろ奇をてらう方が危険です。それくらい、fantasy baseballというのはアメリカで普及しており、上位、特に1巡目のランキングというのは、大量に議論され、さらに大量の実際のドラフトデータをもとに作られているので、その結果のランキングに従って指名する限り、大きな失敗というのは理論上少ないのです。実際は競馬の倍率とかと一緒で、選手の調子を本当に見ることができれば、無論誰を指名すべきかというのは独自に深く研究可能だと思いますが、手続適正という観点からすると、すでにあるランキングに従ってしまって特に問題はないため、Manager の能力を反映した差がつくというのは、理論的に少ないわけです。

一方、差がつきやすいのは下位指名。ドラフトでは、上位で指名した人を見ながらその弱点補強をするというのが下位指名の基本的な方針になるのですが、①事前の準備・②その場その場での対応能力に、初心者と熟練者には相当差があるからです。初心者にはチームのできあがりが見えにくいので、とても難しく、無駄な指名をたくさんしてしまいがちです。一方、オートだとみんな上位で何を指名したかという追加情報がなく下位を指名するので、下位の指名の上手い下手というのが出にくいのです。

というわけで、オートドラフトの下位指名には、②その場その場での対応能力という観点の差はありません。あるとすれば①の事前準備。

事前準備で重要になるのがリスト作り、というかこれだけです、事前準備は。

で、その事前準備について、メジャーの情報なんて知らないし選手名もしらないよ、という状態から、人並みのドラフトを終了する方法はないものかと考えた結果がこのエントリです。

いくつか基本概念を確認してみます。すでに書いていることが多いので、簡単目に。

ランキング

「選手の能力、ゲームにおけるインパクトを1つの数字の列で表したもの」です。基本的に専門家が多数よりあつまって議論の末に作り上げているので、相当程度信頼できると考えましょう(そうしないとめんどくさい)。

いくつかの構造的な欠陥は無論抱えています。それをリスト作成時に考慮する必要があります

(1)ポジション間・能力部門間のバランスの難しさ

能力、ポジションがたくさんあるのを1つの数字列にしようとしているので、コンセプトに無理があり、例えば盗塁王、本塁打王、最多勝のどれに一番価値があるかというのは昨年の成績についても理屈ではなかなかきまらない。

極端な一例としてこんなのが考えられます。ある野球チームが盗塁の専門家として選手Xを雇った。Xは実はサイボーグで1日1度だけかならずファーボールで出塁し、1盗塁する特殊技能をもっているとします。ただ、それ以外のことは全くできず、ホームに帰ってくることすらできない。ほかの打席は全部凡退。バットにはあたらない。とすると、年間成績は、AVG0,HR0、SB160、R0、RBI0ですね。

これを去年のランキングにあてはめるとどうなるでしょうか。

Yahoo!がランキングのアルゴリズムを公開していないので、正確なことはわかりません。ただ、盗塁できる人の少なさ、160盗塁の偉大さ(これだけで通常は盗塁数は1位となります)から考えると、相当いいランキングをもらえるはずです。特殊な修正がなく、盗塁数が増えると、全体のランキングも比例的にあがる限り、例えば10番台とか。

ただ、この人を起用する限り、優勝は相当難しい。例えば打率です。全員打席数が一緒だとすると、他の人がたとえ3割打った(だいたい打率トップチームくらいのできです)としても、1/9へるため270を割ります。270を割るのは結構ダントツで打率最下位チームということになります。また、打点、ホームラン、得点についても相当つらい展開が待っています。打率が一番大きな数字で差が少ないのでわかりやすいと思いますが、打点、ホームラン、得点も他の人がよそのチームより1割多くかせいでようやく人並みの点数です。

この選手を加えるメリットを一番感じるのは盗塁最下位のチームですが、このチームが盗塁以外すべて最高点だとすると、たとえ、この選手を加えて盗塁1位になったとしても、得られる得点は11点、失われる得点は打率だけで11点、ほかの部門が半分とするとそこでのマイナスが、18点程度で、完全な赤字です。ま、このチームが本当に化け物で、全員4割50本塁打とかのホームランバッターの集まりであれば、マイナスがなく、プラスだけあるので、設定次第の面はありますが通常のチームではマイナスの方が明らかに多い。

とすると、こういう人のランキングはどうするの?という話になっちゃうわけです。ふつうマイナスばかりなので1000番とかでもいいのですが、役に立つチームではものすごく役に立つため、一芸選手について、どのくらいの成績からマイナス効果の方が強くなるか判然としないのです。Yahoo!のランクで言えばOrankに考慮することは可能でも、当期の成績とか、昨期の成績は機械的にやっているはずで、いい成績しか反映しようがないのではないかと思うわけです。

その選手をとると相当の可能性で負けるが、単体の能力としては高いと判断せざるをえない場合にいかんともしがたいのです。

これが打率10割なら、ほかの数字は何とかカバーできるし、打率で首位になれるし、使いたい気も相当するわけですから不思議なものです。

これが全部門、全選手間で発生するわけですから。。。。

(2)ランキング下位の信頼性の低さ

ランキングの作り方というのは、それぞれのプロの主観であり、人によって様々です。ただ、人間の常で、1巡目(例えば1名目と2名目は誰か)というのはよく議論になりやすく、200人目と201人目がだれかというのが議論にならないのは当然で、上位ほどランキングの信頼性は高いです。また、たいがいの統計表でも上位になればなるほど人数が減り1名ごとの差が鮮明になるのに対して、真ん中以下は団子でほとんど差がない形になる(これが試験は「その1点が明暗をわける」といわれるゆえんだと思います)というのもあります。そもそも1名目と2名目の差と200名目と201名目の差では前者の方が圧倒的に大きい可能性が高いということですね。

(3)数値予測の難しさ

ランキングを作る際の要素はプロ毎に違うと思いますが、一般に、一昨年より前の成績、昨年成績、年齢、チームの状態(強豪か)、トレード、チーム内の競争などが加味されます。けがから戻った人、マイナーからあがってきた新人はどうしても安定したデータに欠け、結果を外しがちです。

これは以下のように説明できると思います。

ランキングは合理的に考えると、期待値(予測の平均値)に基づいてランキングを最終的に決定する必要があります。推測に過ぎませんが、大半のランキングがこれでやっているはず(と信じています)。

例えばA: 100の能力を常に発揮する人(平均値100)、B: 常に30の能力を発揮する人(平均値30)、C: 200の能力を10%で、20の能力を90%(平均値38)で発揮する人がいるとすると、ランキングは以下の通り。

A(100)>C(38)>B(30)

たとえ、この見立てが完全に正しくても、この通りの結果になる可能性は0%です。

シーズン終了時の成績は、以下のいずれかになります。

A(100)>B(30)>C(20)
C(200)>A(100)>B(30)

したがって、期待値でランキングする場合、答えを教えてもらっても正しいランキングができない、というジレンマにおちいるのですね。

実際はCとなる選手はけがから回復する選手であったり、期待の若手、突如の大化けであったりします。

こういったランキングの特質を理解し、かつ、大リーグ情報にのめり込まない状態でリストを作成すれば、時間をかけずにある程度強いチームができるのではないかと勝手に思っております。

ドラフト終了時に必要とされるチーム成績の見込み

できあがりは常に考慮する必要があり、これからの逆算で選手をとっていきます。

パブリックの場合、800得点、800打点、200本塁打、120盗塁、打率290、80勝、120SV、800K、防御率3.80、WHIP1.26に達する見こみがあれば十分です。昨年実績ではなく見込みでいいのですが、ただ、全分野の見込みが立っていることは必要です。

これを野手9名、先発4-5名、押さえ3名から5名程度で達成するわけです。野手は野手部門のすべてに1/9のインパクトがあり、先発は、投手系のSV以外の部門に1/5から1/6の影響力があり、押さえはSVには1/3-1/5のインパクト、その他には、先発の1/3-1/4のインパクト(全体では1/15-1/24程度のインパクト)があります。これで1名あたりにほしい成績ってのが見えると思います。

これに野手のポジション毎の特徴を加味します。以下特に主観です。

野手は、C(何もかもが得にくい)、1B(HRとりやすく打率少なめ)、2B(HR少なめ、SBあり)、3B(上位と下位の差が激しく、SBも基本は得にくい)、SS(HR得にくく、SB得やすい)、OF(人により様々だが、基本の能力は高い)。

投手については、クローザーが慢性的に不足状態になりますが、クローザーの質というのはそれほど求められないわけですね。開幕時点でクローザーになる可能性というのが必要となるか否かを決める指標です。

これで自分のレギュラーラインというのを決めるわけです。

レギュラーと、とられる見込みの選手の見極め

ドラフトでは、21名*12チームの252名指名されます。Draft CentralのDraft Analysisをみれば、どのポジション何名くらい指名されているかがわかります。だいたいランキング通り指名されるので、200位くらいまでの人は基本的に指名されるということです。実際のゲームでは、どの野手も100位くらいまでの成績を残してもらわないと勝てないので、下位はのびしろがあるひと(ランク以上の成績が残る可能性がある選手)、クローザーなどランク以上に実際は価値がある人達を選びたいところです。

ポジション毎のざっくりした指名数と、予想レギュラー数は以下の通り。ポジションの重複があるので、合計値は当然指名数・使用される数より多いです。

C 15名(12名)
1B 30名(18名)
2B/3B/SS 20名(15名)
OF 55名(45名)
SP 60名(55名)
RP 35名(30名)

1B/OFは打てる人が多いのでUtilで使われがちなのですね。

Playersの表示で各ポジション毎の表示にしたら、これ以下に表示される人を検討する必要は基本的にはありません。特にMLBに詳しくないということを前提とすれば、これ以下の将来期待の若手をみてもわからないのがふつうじゃないかと思います。

リストの作成

対象となる選手、目標とすべき数字がわかったところで、リストの作成です。

リストはYahoo!のランクに基づいて作りましょう。ほかのランクも多数公開されており、その平均値をとるなど色々やり方はあると思いますが、リストをいじっていない人はYahoo!のランクに従って指名するので、基本的にこれから離れる必要はないです。

ランキングを使うとすると、上で述べたランキングの弱点だけ考えてリストをいじってやればいいことになります。

ドラフトの方針はレギュラーをとる!、上位指名は安定性と爆発力(リーグの中で競争力を保つには必要です)、下位指名は(爆発力。上のランキングの弱点の例では、ABCのうち、Cに該当する選手が下位指名なら一番指名したい選手です)を重視ですね。

実際の作成操作

Draft Centralから行います。

リストの作成画面では、左側が、絶対指名しない人のリスト、右側が、選んだ人のリストです。

Auto pickでは、まず右側の箱の上から指名していき、そのリストがつきたところで、Yahoo!のランクに戻り、絶対指名しない人を除いて自動で選択していきます。ポジションの重複を避けるために、最初に全ポジションを指名し、その後に重複ポジションを指名するというアルゴリズムになっています。

注意すべきは、3つのウィンドウのうち真ん中はなんの意味もないということです。Auto pickでは、右のwindowを選択し、その後、「絶対指名しない人を除いたYahoo!ランク」に戻るのですが、これは真ん中のwindowと完全に一致します。そのため、左のウィンドウが終わると、真ん中の箱から選んでいくと勘違いしがちですが、あくまで、リストとして存在するのは、右と左で、真ん中はこれらを選択する際のプールに過ぎないのです。後ほど書く様に左の指名しない人のリストというのが重要となることから、こちらだけ作ったことがあります。ライブドラフトの時に、真ん中がワークしているという前提で右のお気に入り一覧にはだれも入れていなかったんですね。痛い目にあいました。右と左しかリストとして存在しないというのは覚えておいていいかと思います。

あと、ポジション毎に検討するのが楽なので、真ん中の表示はポジション毎にして作業するのがいいと思います。

控除の方針

このエントリにおける今までの方針は、ランクを重視し、ランクと自分の指名方針がずれるときにこの微調整を行うというものでした。

上位指名で、前記例のC(休み明け、期待の若手)に該当する人を除いてやるのです。また、下位指名では、ABに該当する人(ベテランでファンタジーのレギュラーになることができる成績を残す可能性が少ない人、クローザーになれない中継ぎ)を除きます。これでほぼ完成。あまり考えてもしょうがないです。これくらいでいいのだと思っています。

具体的な方法は、ポジション毎に表示して上位それぞれ20名か上に書いてある人数を参考にする感じで、いらない人を外す。

まず、全体ランクの上位50名か100名について、Playersで昨年の成績に比べて明らかにいいランクがついている人を外しましょう。だいたい不振からの復帰とか、期待の若手だと思いますが、振れ幅が大きすぎます。年齢も一覧にするところがあれば、是非検討して、年寄りを外したいのですが、一人一人クリックするのは面倒なので、最初はしなくていいと思います。不惑の大砲、ハマのおじさんとかいうのは大リーグにもいますから。

それ以下の下位指名は、逆ですね。安定している人をはずす。

まず、クローザーじゃないRPの人。クローザーは、Yahoo!では一覧になっているところがなく、各チームのteam reportを見るのが一番ですが、ネットを探せば、リストはあります。リンクが切れるのが怖いのでここにはリンクは書きませんが。これで開幕クローザーじゃない優秀な中継ぎは全部外します。例えば、ボストンの岡島とかNYYのチェンバレンとかSV以外の数字はいいのですが、パブリックの設定の場合、持っているほどの価値はないです。

投手、野手も同様。今年と昨年の成績は一覧で見ることができますが、いずれも、ぱっとしないベテランは外しましょう。いずれかなら絶対レギュラーでしょうというのではない限り、下位でベテランを重視する必要はあまりないです。あと、期待感ばかりで、1軍に残れなさそうな人も外しましょう。得てしてそれは1軍に残る期待感と、ファンタジーとしてとるべきプレイヤーの期待感がごちゃ混ぜになっちゃってます。1軍でも使われない人は大量にいますから。従って、現在NAという表示がある人は基本的にとらない。

先発は1試合ごとのぶれが大きく、どんなにぱっとしない先発投手でも20回くらい先発する中、年に1度くらいはいい成績になります。ドラフトで指名すべきは、安定していい人、最後に結果を残せている人です。これらについて、昨年度成績か、一昨年成績で、ほかと「違う」成績を残せている人以外はすべて排除です。この段階で三振がとれない人をとっても仕方がないので、三振がとれない人(イニングあたりの奪取数で0.7か0.8くらいでしょうか)も排除。

これだけすると、最低限は完了です。右のとりたい人一覧に全部移します。私はたいがい100名以上指名しないリストに移すことになります。ライブの場合、ほぼ毎回、指名しないはずの人を指名してしまっていたりするのが、不思議ですが。なんなんでしょうね。

最後に、左の控除のうち、ほしくない訳じゃない選手(上位では指名したくないが、余っていれば当然ほしい選手)を真ん中に戻します。これは、みんなが指名しないとして、指名漏れがあった場合に、おいしく下位で指名しようという魂胆です。

さらに余力があればやってもいいことは大量にありますが、後の行為ほど効力が薄いですし、労力の割に意味が薄くなってきます。

例えば、除いた人を後のラウンドでとれるようにしたいと思えば、リストの順をいじってもいいですし、上記例のように盗塁だけの人をどうにかしたいと思えば除くのもありですし、能力全開でも打率260を超えない人を外すとかも有効でしょう。クローザーは上位でと思えば、上位に寄せてもいいと思います。

また、期待の新人をちょっと高めにとか、とりたい人を取りに行くとか、何でもやりたいだけやればいいと思いますが、おそらく、上の作業が終了したリストの中からやる限りそんなに大けがにはならないのではないかと思います。


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