2008-08-02

旅行記1 ボストンへ

ま、たまには旅行記もいいだろうと、日本への帰国にあたっての旅行記です。


ばたばたとした引っ越しを終えました。途中引っ越し業者が予想より早く到着するなどアクシデントもあったものの、無事家具・その他の日用品を友人に配りおえ、まぁ、なかなか、いい感じではなかったかと。

いつものことではありますが、直前まで何もしないので、ボストン旅行のアレンジはなんにもしていませんでした。とはいうものの、列車の旅、気楽なもんです。

出発の8月1日、昼過ぎに、ボストンで8月2日友人と遊べることを確認したものの、まずは今年初のレストランウィークを満喫し、それから準備です。

CATVの装置を返しに行った足で飛び込みで入ったお店は、Tabla。内装はよく、料理もインディアンフュージョンという珍しい感じのものでした。ヨーグルトご飯などというのは初めて食べましたが、結構いい感じ。また行ってもいいかも。
http://www.tablany.com/

3時過ぎに友人宅に戻り、いざ、予約開始。列車は、あるが、高い。ホテルも都心だと1泊250ドル。2名ならいいが、1名にしては高い。等と悩んでいたら、すでに当日のレッドソックス戦には間に合わない状況。

仕方がないので郊外の安ホテル(それでも1泊160ドル)と、8月2日の野球のチケットだけ予約。この時点で午後4時30分。目標の電車の出発は5時。

チケットは転売サイトのStarhub。今はebayの子会社みたいですね。前日でも気軽に買えるのは魅力。
http://www.stubhub.com/

電車の時刻表はアムトラックのページのScheduleから。
http://www.amtrak.com/servlet/ContentServer?pagename=Amtrak/Page/Schedules_Index_Page&c=Page&cid=1080072922206&ssid=3


そして、あわててペンステーションに向かい、チケットを購入。迷った末、ボストンで食事ができるように、奮発して、アセラ・エクスプレスとやらにしてみる。列ができていたら間に合わない時間に到着するも、さすが金持ち優遇措置に優れたアメリカ、アセラ用の窓口があり、そちらには列がない。あわてて買うと、出発5分前。急いで飛び乗る。

乗ってわかったが、どうやら全席自由席。ええ?ってかんじ。

金曜の夕方5時の便なので、とにかく席がない。探しに探したあげく金髪のねーちゃんと、これまたビジネスマン風の男が座っている4人席(真ん中にテーブルがあり、結構いい感じ)に入れてもらう。


故障のおおいアメリカ、当然、出発直後に、マンハッタンを見ながら小休止。
のどかです。ビジネス用のラインなのに、というのはおいておいて。

この頃には既に判明していたのだが、このねーちゃんのしゃべること。近所のおばちゃんかってかんじ。こんな英語も話せない人に話してもおもしろくないだろうに、と思うが、とにかく一応頷きながら、ボストンのガイドブックを読み始める(なんせついてからの予定を立てないといけない。友人は結婚してボストンに移り住みつつありる、週末婚状態でしらないから、とのたまったため、なぜかこちらで考える羽目に)。ビジネスマン風も、yeah, yeahとか連呼しながら、ねーちゃんの、犬大好き(犬の種類をいろいろ連呼して写真をブラックベリーで見せてくれるのだが、こちとらなんのことだか)、とか、友人が彼氏と別れて、彼氏はその友人の妹とつきあって、もう一度妹とよりを戻して、で、今度秋に結婚だが、どうなると思う?とかの話題(無論間にいろんなエピソードやら友人やら登場しててんやわんや)に相づちをうっている。聞いていないときの反応の9割がyeahとの肯定。すばらしい。。。学びつつ、頷いてみる。返事はなんでもYes!。日本人ですから。。

旅が進むにつれ判明したのは、ねーちゃん、お嬢であること。いろいろ国を旅行したことがあるらしく、また、ビジネスの話題も詳しい。年を聞かれたときに、ありがちな、白人のシミから判断して、さらに、お愛想で、どんどんさばを読んで26といったところ・・・23だと答えられた!いただけませんなぁ(苦笑)。結構あちこちにセカンドハウスや、父の取引先とかいるようで、日本も全国を旅したことあるそうな。はぁ。あ、ちなみに、シミは、どうやらサッカー選手で、ブラジルに留学し、日本代表とも試合をしたといっていたので、そのときのものと思われ。。。

ま、なんか、ちょっと高い席をとると、ショーでも野球でもなんでも、お隣さんはえらい金持ちってのがよくあるのがアメリカ。まぁ、それはそれでおもしろいが、コネクションを作れるほどの会話力もなく、英語力もなく、単にへーという感じである。こっちで知り合いになった友人は、そこでコネクションを作らないと!といっていたが、とてもとても。。。Yesといって聞き流すのがいっぱいいっぱいです。

ま、そんな二人にボストンのステーキハウスと飲み屋街をきき、それはそれでよかった。

実際この日の夕食は、そのねーちゃんが予約を取ってくれたレストラン。ビジネスマン風もおいしいと言っていたので、駅から、これまたねーちゃんが止めてくれたタクシーに乗ってゴー。うーん、アメリカ2年を感じさせない、初々しいアジア人か。ねーちゃんとはここでばいばい。

つくと、なんだか豪勢なステーキハウス。ねーちゃんの母(元バンカー)は、週に何度か来ると言っていたが・・・おいおい、こっちはTシャツに短パン(昨日寝たときのまま)で、スーツケースをがらがら押しているのですが、大丈夫ですか???

気になるものの、まぁ、いいかと。

通されたお得意算用っぽい、よさげな席から、野球中継見たいからとバーに移動してもらう。安上がりにできています。。

言われたとおりにスカートステーキを注文。サイドには芋、そしてタマネギ、前菜にとロブスターの天ぷら(ねーちゃんいわく、ボストンに来たら を注文。芋とタマネギは両方頼むと多いかと聞いたところ、半分半分がいいと店に言われてその通りにした(いいサービスだと思います)のだが、なんせ、おおい。タマネギなんて半分で、山盛りです。

しょうがないので、隣で野球談義に盛り上がっている女性二人組にお裾分け。アメリカは、野球場でも女性を見かけますし、野球の話をできる女性が多いですね。電車のねーちゃんも、マニーの移籍について私はしらないが、父が言っていたと、結構熱く語っていましたし。

とりあえず、話題に入れてもらってしゃべるに、どうやら、この人もバンカーらしい。なんだか、金満ですなぁ。そういう店に来たと言うことか。

いっぱいくって、長引いた延長戦を満喫しました。いやー、Bay、打って良かったねぇ。打たないと昨年のJDドリューだって3人でしゃべっていたところだったから。

戻ってみるに、歩き方にはなかったですが、結構有名な店の模様。なので写真付きで。うーん、下手。
http://www.grill23.com/





2008-07-12

編集者番外編 累積投票と獲得議席数

累積投票で、各株主は、最低何議席確保できるか。


みんなで書いている本にはどうやら書かないことになりそうなので、留学中に思いついたことをメモしてみます。どこかを見たわけではない私見なので、信用性は低いですが。

取締役の選任方法

株式会社の取締役は株主により選任されます。デラウェア法ではその選任方法は相対多数(plurality)。

どういう事かというと、例えば、100株発行会社で5名選任されるとして、その得票がD1:90票、D2:80票、D3:70票、D4:50票、D5:30票、D6:20票である場合、30票のD5まで当選です。特に定めがない限り過半数の票(今回の場合51票)を獲得しているかは問題になりません。

例によってWikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/Plurality


で、実際の選任の場合D1、D2・・・の投票は別々に行われることが多いです。つまり、まずD1さんについて票決し、その後D2, D3・・・と別々にやっていく。実際上、各株主は候補者毎に投票の機会があるということです。

この場合において、株式の過半数を有する支配的株主がいると、支配的株主が賛成する候補者は50%超の得票を得、支配的株主が賛成しない候補者は50%未満の得票しか得られません。従って、支配的株主が議席以上の取締役について賛成票を投じる限り、支配的株主の賛成を得られた取締役候補のみが当選するということになります。

今の定義の方法の場合、支配的株主は51%の株式を持っている場合でもこれにあたります。この場合、残りの49%を1人の人が持っていても、この49%株主は1人として取締役を選任できないことになります。

累積投票制度

取締役に会社の経営権は集中するのが通常なので、会社のエクイティ資本の49%を投入しても1人も取締役を選任できないという不都合を防ぐために、累積投票制度というのを採用することができます。

これは、各株式について、議席数分の投票権を与えられ、それを1人に集中するなど自由に配分して行使することができるやり方です。

先の例で言うと、5名選任するわけですから、51株株主は255個、49株株主は245個の投票権を与えられます。49%株主は、245個の投票権を自由に割り振れるわけですから、これを例えば、1名に集中することができるわけです。その1名は245票獲得するわけですね。51株株主は、245票以上獲得する候補を5人作り出すことはできないので、この1名は確実に当選するわけです。

この累積投票制度下で何名取締役を選任できるのかというのは、パワーバランスを考える上で興味深い話題ですが、日本の会社法(商法)を習ったときは特に式を習いませんでした。留学では、結果のみ習いましたので、ここはちょっと証明でも取り組んでみようかというのが、このエントリの趣旨です(前振り長すぎですが)。

説明のために、論理的な必要性以上に段階を分け、ステップを踏んでいます。。。

最低限確保できる取締役数についての考え方

TS: 総株式数
TD: 選任される取締役の総議席
NS: ある株主(N)の持っている株式数
ND: NSで選任できる取締役数

この場合、
ND<NS×(TD+1)÷TS
が成立し、NDの整数値の最大が、「ある株主Nが自己の票を上手く配分さえすれば、そのほかの株主がいかにNの候補を落選させるべく票を配分したとしても当選させることができる候補者数」となります。要は、最大のNDの整数値が最低限とれる取締役の議席数。

なお、最大限ではないことにはご注意です。N以外の株主は配分が下手かもしれず、また投票しないかもしれません。N以外が1名に集中すれば、その他全部の議席(TD-1)を確保できるわけですし、投票がなければ、全議席(TD)を確保できるわけですから。

で、この式の立証(論理的に穴があるかもしれませんが、一応自分を納得させることができる限度の説明という趣旨です)。

TD名選任されるわけですが、とりあえず、最後の議席を争うとして、TD-1名で考えてみます。今回の投票の結果、当選に必要になる投票数を、vとすると、TD-1名は最低v票獲得しています。このうち、Nの推薦する株主は、ND-1名含まれ、Nの推薦しない取締役は(TD-1)-(ND-1)=TD-ND名含まれているわけです。で、最後の1議席が決戦。

Nもそれ以外の株主も、持っている議決権の個数は一定なので、この決戦にできるだけ多くの票を持って行こうとすると、それまでに使用する議決権をできるだけ減らす必要があります。

NはND-1名に付き、各最低v票獲得させているわけですので、各取締役に付き(v+α1)、(v+α2)・・・と議決権を使用します。この合計(台形の面積ですね)が最少になるのは、無論α1,α2・・・が全て0である場合(vが底辺、高さがND-1の長方形の場合)です。この場合、v×(ND-1)票使用している。

その上で最終決戦に、残りの票を投じる。で、この票がvを上回る(NDの定義の方法により)。ND名当選させると、各候補者は最低v票もらうということです。

とすると、Nの持っている議決権数(TD×NS)をND名に配分した平均はvを超えるという式が出てきます。

v<TD×NS/ND

同様にN以外の株主も、TD-NDに各v票を割り振ってきます。で、最後の1名はv票に足りない。従って、TD-ND+1名の平均はvを下回る。

v>TD×(TS-NS)/(TD-ND+1)

これをつなぎ合わせると、
TD×(TS-NS)/(TD-ND+1)<v<TD×NS/ND

これをときます。
TD×(TS-NS)/(TD-ND+1)<v<TD×NS/ND
(TS-NS)/(TD-ND+1)<NS/ND
ND(TS-NS)<NS(TD-ND+1)
ND×TS<NS×(TD+1)
ND<NS×(TD+1)÷TS

ですね。

別解

もう少しステップを省く立証だと以下のような感じでしょうか。
Nの候補者NDは最低、各v票取得可能。従って、v<TD×NS/ND。
Nとそれ以外の全体でTD+1名の選任は不能(平均がvを下回る)。従ってv>TS×TD/(TD+1)
これを合わせると、
TS×TD/(TD+1)<TD×NS/ND
TS×(TD+1)<NS/ND
ND<NS×(TD+1)÷TS

TD+1名が問題になることがすっとわかればこちらで足りるはずです。最後の議席を争うので、最大1名分(v)の死票が生じるためとかいうんでしょうか。個人的にはすっとはわかりにくいなと思ったため、残り1名で切ってみた訳ですね。

実際上の有益性

この式、じつは、累積投票制度を採用している会社についても、こんな風に実務上使われるのはまれではないかと思います。既にある株式数で、何名選任できるか等と悠長に考えるはずはないからです。

むしろ、具体的にND名選任したいのだが、これを確実に行うためには何票必要かと考えることの方が多いように思います。

その場合は、式を変形させて、

NS>ND×TS×(TD+1)

として、最小限必要な得票数を計算します。私の使っていた教科書ではこの形の式がのっていました。

とはいっても、票読みは、対立する株主がいる場合に問題となり、一番先鋭化するのは、敵対的買収です。敵対的買収は、普通上場会社で行われるところ、累積投票制度は上場会社で採用されていないので、一般的には問題にならない話です。そのため、式の内容を説明されることもあまりないのだと思います。

理論上は、ジョイントベンチャーの組成などで活用されてもいいはずですが、まぁ、他の手段が色々ありますし、実際に累積投票制度となっている定款はあまり見たことがありません。

というわけで、これも実際上の活用からすると、数遊びという感じですね。
理解して損はないという程度でしょうか。

2008-06-28

編集者な日々(5) 変更履歴とつきあう

変更履歴を使用しないというのが米国の法律事務所の主流です。

まぁ、動きに癖があり、バグかと思われるものも多いほか、ワードに保存されるメタデータ(文字以外の修飾情報)が多くなるのを割けるというのが主な趣旨のようです。また、理屈上、履歴を入れられたデータは相手が最後にさわったものなので、履歴なしでどこを変えられているかわからない以上、それをベースに作業すべきではないというのもあります。

そうはいうものの、変更履歴を使用する場合もあるのが現実。しかも、相手のコメントをそのドラフトで採用するようクライアントに求められることもしばしば。

そのときに人間の直感で考えるのは、コメントを次々表示してくれて、採用不採用のみをちゃっちゃと決めたいと言うこと。それを実現するためのショートカットがあると便利ですよね。

というわけでこのエントリ。


変更履歴関係は、デフォルトでは、ワードのショートカットキーは設定されておらず、マウスでの作業がメインとなりますがこれは相当面倒。

そこで、以下のようなショートカットキーをマクロで一括設定して使用することにしています。マクロを使用せずに一個ずつショートカットを設定する場合は、メニューの、ツール→ユーザ設定→オプション→キーボードから、コマンド設定の分類でツールを選び、command =のあとにある単語を探してもらうと個別に設定できます。たとえばNextChangeOrCommentとかですね。

これを設定すると、履歴をalt+上下で探し、それについて採用不採用をalt+左右で決定していくことができ、作業が結構早くなったりします。

よろしければ、お試しください。

'次の変更履歴 alt 下
CustomizationContext = NormalTemplate
KeyBindings.Add KeyCode:=BuildKeyCode(40, wdKeyAlt), KeyCategory:= _
wdKeyCategoryCommand, Command:="NextChangeOrComment"

'前の変更履歴 alt 上
CustomizationContext = NormalTemplate
KeyBindings.Add KeyCode:=BuildKeyCode(38, wdKeyAlt), KeyCategory:= _
wdKeyCategoryCommand, Command:="PreviousChangeOrComment"

'履歴を承諾 alt <-
CustomizationContext = NormalTemplate
KeyBindings.Add KeyCode:=BuildKeyCode(39, wdKeyAlt), KeyCategory:= _
wdKeyCategoryCommand, Command:="AcceptChangesSelected"

'履歴を元に戻す alt ->
CustomizationContext = NormalTemplate
KeyBindings.Add KeyCode:=BuildKeyCode(37, wdKeyAlt), KeyCategory:= _
wdKeyCategoryCommand, Command:="RejectChangesSelected"

編集者な日々(4) 単語の使用回数を知る

ドラフトが完成に近づく中、何かコメントを入れる際は、他の箇所にどのような影響が及ぶか予測したかったりします。

その際に役に立つのは、今直しを入れようとしている単語がどの程度使われているか知ること。マイナー単語なのか、いっぱい使われているのか。


で、それようのマクロを昔作っていたのを思い出し、引っ張り出してみました。

ワードで文字を選択した状態でこのマクロを走らせるとそのドキュメント上にその単語が何個あるか表示してくれるというとてもシンプルな機能。

たとえば「支配権」とかいう単語がその章で何回使われているのか知りたい場合、支配権、ってのを選択してこのマクロを走らせるだけですぐに知ることができます。

個人の環境では、これをctrl + alt + 十字キーの0に割り当てて、適宜使っています。
割り当てのためのマクロは

'選択単語の使用回数を数える ctrl + alt + num 0
CustomizationContext = NormalTemplate
KeyBindings.Add KeyCode:=BuildKeyCode(wdKeyNumeric0, wdKeyControl, _
wdKeyAlt), KeyCategory:=wdKeyCategoryMacro, Command:="選択単語"

ctrl + alt + num 0を、選択単語というマクロを起動させるというショートカットにしろというものですね。

で、本体の選択単語というマクロ。センスのない名前ですが。
ま、よろしければお使いください。

Sub 選択単語()

Dim hit As Integer
Dim yougo As String

hit = 0
yougo = Selection.Text

'画面更新をしない
With Application
.ScreenUpdating = False
.DisplayAlerts = wdAlertsNone
End With

NewWindow

'画面更新をしない
With Application
.ScreenUpdating = False
.DisplayAlerts = wdAlertsNone
End With


'画面の設定
ActiveWindow.ActivePane.View.Type = wdPrintView


'変更履歴関係の処理
With ActiveWindow.View
.ShowRevisionsAndComments = False
.RevisionsView = wdRevisionsViewFinal
End With



Selection.HomeKey Unit:=wdStory
Selection.Find.ClearFormatting

With Selection.Find
.Text = yougo
.Forward = True
.Wrap = wdFindContinue
.Format = True '上記フォーマットを利用する
.MatchCase = True '大文字小文字の区別
.MatchWholeWord = False
.MatchByte = True '半角全角の区別
.MatchAllWordForms = False
.MatchSoundsLike = False
.MatchFuzzy = False
.MatchWildcards = False
End With



'検索でヒットした文字列を太字にし、色を変える
Do While Selection.Find.Execute = True
'ヒットした数を加算
hit = hit + 1

Selection.Collapse wdCollapseEnd

Loop

ActiveWindow.Close

'画面設定戻す
With Application
.DisplayAlerts = wdAlertsAll
.ScreenUpdating = True
End With



MsgBox "「" & yougo & "」" & "は、この文書(クリーン)中で " & hit & " 回使用されています。"


End Sub

2008-05-30

編集者な日々(3) 人間らしい置き換え

編集者には置き換え技術も必要になってきます。今日やってみたのは、以下の置き換え。

デラウェア法25 → デラウェア法§25

主に順番の入れ替えですね。


執筆者の皆さんに内容に集中していただくためにも、形式的な面はできるだけ編集者で楽に処理したいもの。楽にというのはこちらの事情ですが・・・

今回の本はアメリカの法律の条文について、条ではなく§を、逆にドル表示は$ではなくドルをと、結構癖のあるルールになっちゃっています。そのため、各章での記載の統一が結構大変。

今日はとりあえず条文を直そうかと思い、検索技術で対応してみることにしました。

使うのは、ワイルドカード検索

これで、15条、200条、105条a、10a条などという表記を、それぞれ§15, §200, §105a、§10aなどに直していきたいときどうするかというメモ。特に最後の2つはルールが違うので、両方拾えると結構おいしい。

ワイルドカードというのは、人間の頭で考えることを実現しようという仕組み。例えば、同条、ってなっているのと、条項ってなっているのと、15条となっているの、今回置き換えたいのが3つめであることは人間には明らか。一方、人間は直し漏れを完全に防ぐのは難しい。そこでこれを組み合わせて、楽にミスが少なくなるような校正をしようというのがこのエントリ。

ドラフトを読んでいると、今回は、どうやら数字か半角英数がしばらく続いたあとに条となるところまでは執筆者の方で勧めていてくれている模様。とすると検索としてはこれをルールにしてしまうのが一番。

ワードの置き換え・検索のオプションで、ワイルドカードを使用するにチェックを入れると、以下で上記の4つの例、いずれも検索でヒットし、同条、条項などはヒットしなくなります。

[a-z,A-Z,0-9]{1,5}条

これを解説すると、半角英数が、1-5個連続して続いて、次に条となっているのを全部拾ってくれる式ですね。

で、次に、なぜか一発で置き換える方法がわからなかったので(安易に言うべきではないですが、バグかもしれません)、段階を分けると、、、

英数の部分と、条の部分を入れ替える。

これもワイルドカードででき、同じくワイルドカードを使うオプションをチェックした状態で、

置き換え前文字列:([a-z,A-Z,0-9]{1,5})(条)
置き換え後文字列:\2\1

としてやると、半角括弧でくるまれた2つのグループの場所が入れ替わる。バックスラッシュになっているところは、¥の半角を利用してください。

もちろん全部置き換えでなく、一つ一つ見て置き換えていくのが望ましいですけどね。弁護士業務は実際の目が命ですから。

そうすると、15条、200条、105条a、10a条などという表記は、それぞれ条15, 条200, 条105a、条10aとなる。

この最後の105条a、10a条の両方が拾えているのは結構実際便利でした。

で、これを条→§でおきかえてやると、、、

めでたくそれぞれ§15, §200, §105a、§10aとなるわけですね。

まー、式が面倒でカスタムメイドしないといけないことなどがあり、結構人に伝えるのは難しい面もあるのですが、あるルールのなおしを全体に適用しないと行けない場合(例えば$15を15ドルに)など、結構これに近い式を使って見ると便利なことはあります。

全体の中身にコメントしながら、形式面ももれなくコメントというのは、訓練でできるようになるのですが、まー、機械の補助もそれはそれで便利につかえるものです。

よろしければお試しください。


2008-05-27

編集者な日々(2) 単語帳の作成

英語で習った内容を日本語で出版するので、翻訳が必要。この訳が場所によってずれるのは極力避けたいところ。


条文でも契約書でも判例でもないので、まぁ、読んでわかればいいというものの、結構ちゃんとした本になる(はず)なので、できるだけ訳はそろえたい。

本文中、英語を併記する場合、「日本語(英語)」という書き方をすることにしている。たとえば「取締役(director)」のように。単純だが、実は訳がずれていると明らかに読み手にわかっちゃう、実務上はあまりよろしくないやり方(笑)。

特に何人も担当者が章を分担して本を作成している今回のような場合、超危険。なので、無論基本ルールは読んでわかればいいというものにしてあるのだが、さはさりながら・・・

編集者としては、ちょっとでもあわせたくなるものです。

というわけで今日は単語帳を作りました。その方法を記しておこうかと思います。

1 単語を拾う

検索するのは上記のようなパターン。解析すると、日本語、全角括弧、半角英語となっているわけですね。

なので、この流れになっているところを、検索して、それをコピーしてやる。

具体的な作業は下記。

(1)まずは、例によってはたくり起動!

(2)で、ドラフトのワードファイルを開く。

検索は、以下で行いましょう。

(3)まず、全角括弧「(」がたまに半角の人がいるので、これがないかチェック。

検索画面で半角全角を区別するオプションにチェックを入れた状態で、ドラフト内の半角括弧「(」を検索してやる。で、必要に応じて全角に置き換え。

これで、拾いたいところは、日本語、全角括弧、半角英語の流れになっているはず。なっていないものは無視(笑)。

なお、全角括弧にそろえたいのは、下のワイルドカードと半角括弧が結構めんどくさい関係だから。全角使えるって結構便利です。

(4)単語の検索

今度は、半角全角区別のオプションを外して、ワイルドカードを使用するというオプションにチェック。

その上で、「([a-z,A-Z]」で検索してやる。これは、全角括弧の後に半角の大文字又は小文字のアルファベットがくるものを検索という内容。

これで必要箇所を探してコピー。ひたすら繰り返す・・・・・・しんどいけど、文系の限界(笑)。

2 単語の整形

例によってEmEditorで整形。

(1)EmEditorを起動し、はたくり(行末に改行がないときは改行を入れるオプションを使用)を使って、先ほどコピーした単語を全て貼り付ける。

(2)その上で、日本語と英語の間の全角括弧をタブに置き換えましょう。エクセルを使うためにね。

置き換えは、正規表現を使用する、とした状態で、

置き換え前 (     ・・・・全角括弧
置き換え後 ¥t    ・・・・タブっていういみ

これで一発ですね。

で、これを全部コピー。

3 エクセルに貼り付け、使いやすくする

(1)エクセルを起動し、先ほどコピーしたのを貼り付ける

(2)一番上に一列空白行を追加し、タイトルをつける。

章番号

日本語

英語

1

取締役

director




こんな感じ。

(3)で、一番上の行にオートフィルターを適用してみる。

メニューから、データー>フィルターー>オートフィルター

これで欲しい章だけ表示することができる。その章にたとえば色をつけると(上のペンキマークのアイコンとかで)、全体表示に戻したときに、自分の章だけ色がついていて、他の章の人と折衝がしやすい仕組み。

英語・日本語での並び替えと合わせると、だいたいやりたいことができてくる。

ま、書くと単純なんですが、数が多いと大変。今日は700個くらいの単語帳でしたが、しんだ。時間は3時間くらいのものでしたが、指が、指が、、、、ま、その後このブログを書けるくらい(笑)死にました。

指がつって頭がもうろう・・・となったときに考えたのは、日本にいたときは秘書さんとかパラリーガルの人にお願いしていた(方法とかは自分で考えるが)作業を自分でやると死にそう。改めて感謝の念がわきました。



2008-05-25

編集者な日々(1) サイテーションチェック

みんなで本を書いておりその編集役となっている。珍しい機会なので、こうしたら楽だったというのをある程度メモしておこうと思います。

単なる備忘なので、書き方も内容もいつもにも増して適当です。


米国の判例を引くときは、サイテーションをつけなければいけず、それのチェックは編集者の仕事となります。

大量に数字、英語をチェックしなければならないので、とりあえず楽な方法が必要。

(1)判例の記載箇所の検索

まずは、チェックする判例のピックアップ。

サイテーションには、数字が含まれているので、これを検索することにします。

Wordの検索(ctrl + f)で、オプションの中から、Wild cardを使用するを選択し、検索語を
[0-9, 0-9]
としてやる。

これで「半角の数字または全角の数字」があれば全部拾ってくれる。

これでとりあえず判例を見つける。

(2)はたくり

見つけた判例をとりあえず全部取り出したい。

こういったときに便利なのが、クリップボードの遍歴をとってくれるソフト。以前紹介のはたくりを使用。

過去のはたくりの紹介

こいつを起動しておき、先ほどの検索でサイテーションのところにきたら、判例とサイテーション部分に分けてコピー。これで記録をとってくれる。

(3)一覧表の作成

判例とサイテーションの一覧を作る。

さきほどの遍歴をはき出す。はたくりからWordかEmEditorに貼り付ける。その際、はたくりの設定で行末に改行がない場合に「改行する」としておくと便利。

これで、

判例名
サイテーション
判例名
サイテーション




という一覧ができるはず。

数が多くなければ、これを手作業で
判例名<タブ>サイテーション
判例名<タブ>サイテーション
判例名<タブ>サイテーション




という並びに変えて、エクセルに貼り付ける。多ければEmeditorのクイックマクロなどを使用。

過去のEmEditorの紹介

これで一覧表の完成。何の本かばれそうだな。


Cheff v. Mathes

199 A.2d 548 (Del. 1964)

Unocal Corp. v. Mesa Petroleum Co.

493 A.2d 946 (Del. 1985)

Unitrin, Inc. v. American Gen. Corp.

651 A.2d 1361 (Del. 1995)

Moran v. Household International, Inc.

500 A.2d 1346 (Del. 1985)

Carmody v. Toll Brothers, Inc.,

723 A.2d 1180 (Del. Ch. 1998)

Quickturn Design Systems v. Mentor Graphics

721 A.2d 1281 (Del. 1998)

Revlon, Inc. v. MacAndrews & Forbes Holdings, Inc.

506 A.2d 173 (Del. 1986)

Paramount Communications, Inc. v. Time, Inc.

571 A.2d 1140 (Del. 1990)

Paramount Communications, Inc. v. QVC Network, Inc.

637 A.2d 34 (Del. 1994)

Blasius Indus., Inc. v. Atlas Corp.

564 A.2d 651 (Del. Ch. 1988)

MM Companies, Inc. v. Liquid Audio, Inc.

813 A.2d 1118 (Del. 2003)

Unitrin, Inc. v. American Gen. Corp.

651 A.2d 1361 (Del. 1995)

Omnicare, Inc. v. NCS Healthcare, Inc.

818 A.2d 914 (Del. 2003)

In re Toys "R" Us, Inc.

877 A.2d 975 (Del.Ch. 2005)




ま、一覧表である方が人とも情報を共有しやすいですしね。

(4)チェック
これをプリントアウトして、手元に置いてチェック

レキシスかウェストローあたりで、先ほどコピーしたはたくりをペースとしてチェックしていく。

こんな感じでやったら多少楽でした。